43.微妙な展開
宮司さんから連絡があった。あの教祖がお祓いを依頼してきたそうだ。
念のため、クレームオヤジの方に目を向けると。呪いが弱まって回復しかかっている。教祖の方に目を向けると。強めの呪いだったせいか、まだ有効。都合よく、偵察蚤を付けた信者も接近中。
二人の会話を聞いていたが、あまりに話の内容がひどく、耳が腐る。サーバにテスト的に入れた監視偵察ソフトにまかせて、あとで要約して伝えるように指示する。1時間後、要約されたレポートが到着。
目的は親父が不当に手に入れた入会地。娘を手篭めにして薬で洗脳。寄付させて娘は肉奴隷兼の巫女にする。あとの事までは考えてない、行き当たりばったり。
この情報で合法的に潰せるかを検討させたが。現時点では法的に無理。という結論になった。被害者が出ないと動かないのは、日本の警察も異世界の司法も同じか。名探偵は死体が出てから登場するので、誰も助けない。なんて、言葉もあったね。
胸糞が悪い。実の父まで信者化してるので、このままだと娘に救いはない。と、思って娘に目を向けると。例のさわやか系男子とデート中。こいつを使うか。ここで、ヤミからの追加情報があり。付き合い始めた男がうちの学生だと判明。成績は良くないナンパ野郎、美月にからんでトイレ直行になった記録あり。うーん微妙。
でも、教祖の肉奴隷よりは百万倍ましか。
というわけで、合法的に使える精神攻撃系の魔法がないかを調べてから、宮司さんに条件付きで協力する、と回答。ついでに、教祖の企みと、今までの被害者の情報も渡しておく。「評判が悪いと聞いていたが。これほどとは」と、絶句していた。しかも、遠縁だそうです。霊能力の遺伝を考えれば不思議ではないが。美月と結婚したら、自分も遠縁。これはきつい。
またも加速空間におこもりして。お守り、という名の拘束具を制作する。呪いを条件付き緩和する機能付き。善意で人に接すれば呪いを緩和。悪意や性欲、物欲をもってすると、良心が強化され、本心から反省するまで強制的に良い人にされる。おまけに凶悪犯対策で魔法封じ。善人になるまで、自分で外せない。名付けて、性格矯正ギブス。この程度なら、犯罪者の矯正用としてギリギリ合法に収まるらしい。
これを宮司さんに渡しておく。さて、結果はいかに。




