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渡した方です
「わかった。渡すよ」
祐は押入れのふすまを開け、刀を取り出した。
「案外簡単なところにあったのね」
彼女は刀を受け取ると少し安心したような雰囲気がみられた。
「また会いましょう」
笑顔で彼女は家から出ていく。祐は寂しく感じたが楽しかったと少し笑う。
「持ってまいりました」
彼女が今回の任務の依頼主に刀を渡す。
「ずいぶん遅かったな」
依頼主は本物かを確かめる。それは本物で依頼主のコレクションに加えられた。
「今回はご苦労だった。だがお前の失態を知らないわけではない」
覚悟はしていたがその言葉を聞いてすこし落ち込む。
「あんな罠に掛かったり自分から正体を晒すとは。貴様は破門だ」
「はい」
解雇通知が下り荷物をまとめた彼女はとある盗人の里を出ていった。
7日目
「なにをしているんですか」
玄関の前にキャリーバッグを持った彼女が体育座りで待っていた。
「解雇された」
解雇されたのにやけにすがすがしい顔をしていたので少し不気味に思う。
「そういえば聞いてなかったけど。名前はなんていうの?」
「言ってなかったっけ。私は優よ。優しいの優」
名前を聞いて祐は驚いた。
「一緒の名前じゃん。漢字は違うけど。俺はしめすへんに右。ここじゃ寒いでしょ入って」
「わかったわ祐。今回から玄関から入るわ」
照れ臭そうに顔を赤くし優は祐の家に入っていった。
思いつきなので似たようなものがありそうな気がしますが気分で書いてみました。