出会い
1日目
午後9時
祐は仕事が終わり自分の家に戻った。一人暮らしで帰ってたとしても誰もいない。はずだったのだが・・・・
「なにしてんの?」
家のタンスをあさっている一人の顔を隠している女性の姿があった。その女性は祐をみるなりすぐに逃げようとする。が焦ったせいで足元に注意が行かず散らかした紙に足を取られて滑り頭を地面にぶつけて動かなくなった。
「気絶しているのか?」
通報しようかと思ったが仕事に疲れたりなどして逆に疲れそうなのでやめることにした。
「起きてから話を聞けばいいか」
彼女をベッドに寝かせて待つと2時間ほどに起きた。
「ん~・・・・・・ん!?」
目が覚めるなりすぐに飛び起きた。
「私をどうする気?」
とても警戒しているようだ。
「どうもしないけど」
その返答に彼女は驚いていた。
「なぜ?!」
「疲れたから」
彼女は、はぁ~とため息をつきぐったりと座った。
「なんで家に侵入したんですか?」
祐が本題を切り出した。
「この家に宝があるからよ」
「宝?」
信じられなく祐は驚いていた。
「そ、その宝は刀よ」
「刀か、あれか」
その刀は一人暮らしする前に祖父からもらったものだった。
「その刀、私に譲ってくれないかしら!」
「ええ~嫌ですよ~金を渡してくれたらまだわかりませんが」
金がないのかガーンと落ち込んでいた。
「なら盗んでください。けど条件があります。侵入は夜のみで俺に見つかったらアウトで後日また来てください」
その提案に彼女は乗った。
「面白いじゃない」
そして彼女は窓から忍者のように屋根を跳ねながら闇に紛れていった。
2日目
「ダメでしたね~」
祐が笑いながら玄関から出てくる。
「流石にこれは卑怯よ」
部屋には床すべてが強力な粘着テープが張られてあり、彼女は見事に引っかかって四つん這いになっていた。
それを無視しリビングで夕飯を作る。
「早く剥がしてぇぇぇぇ」
その後夕飯を作り様子を見ながら食べていると少しかわいそうになってきたので夕飯のあまりを上げた。
「次こそ取るわよ」
そういって彼女は窓から出て行った。
3日目
「真冬にクーラーはひどすぎるわよ」
彼女は布団にくるまっていた。
「クーラー消せばいいのに」
そう思ったがクーラーのリモコンは自分の鞄に間違えて入れており、クーラー本体では操作できない仕組みで外も同じように寒いのでそれしか手段がなかったらしい。
「いままで聞いていませんでしたけどあなた何者なんですか」
その質問に少し悩んだ後答えた。
「言えない」
そういって彼女はいつものように出ていく。
「アパートでだと急激に温度を上げるのはまずいかな」
祐は彼女がいなくなった後、部屋の温度が戻るまで彼女と一緒の寒さにさらわれることになった。
4日目
『風邪ひいた』
と扉の前に張られていた。
5日目
「大丈夫ですか?」
今回の彼女は部屋の中央で体育座りでぶつぶつ言っていた。
「やっどぎぃだぁ」
泣きながら祐にしがみついた。今回のいたずらはホラー風にして、入るといきなり電気がついたり音がしたり、窓が突然しまったり、テレビがついたりなどなどたくさんの仕掛けを施していた。
「ふぅ~次これはやめてね」
少し落ち着いた後椅子に座ってぐったりと体を任せている。
「大事な話があるの」
急に彼女が真剣な顔になり祐はハテナマークを浮かべる。
「明日私が刀を取れなかったらその翌日に強行手段が取られるわ」
その話を聞いただけじゃ理解ができなかった。
「なぜ?」
「あなたの刀はそれほど大事なものなの。私は盗人の一族で刀を盗むことが今回の任務なの」
さらに頭の整理がつかなくなる。だがまだ話は続いた。
「へ?」
「だけど私が取れなかったら強行手段に入ってよくて部屋が荒らされる。悪くて・・・死ぬわ」
その話を聞いても祐は信じられなかった。
「信じられない。なんでその刀にそんな価値があるのかも」
「それもそうでしょうね。私が明日来るからそれまでに決めて」
そういって出ていったが、出る間際の顔は少し暗く、目が少し赤くなっていた。
6日目
「どうするか決めたの?」
家に帰ってくるなり、当たり前のように部屋にいる。だが今回も盗めなく布団に縛られていた。仕掛けは窓から侵入するとセンサーが作動しベッドに仕掛けられたロープが出てきて縛りつけるものだった。代償として少し畳に穴が開いている。
解放するとさっきと同じことをきいてくる。
「で、刀はどうするの?」
俺は・・・・・
1.刀を渡さない → αへ
2.刀を渡す → βへ
実際に家に泥棒がいたら気絶したとしても迷わず通報してくださいね。