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HONEY*POISON ―甘い蜜には毒がある―  作者: 滝沢美月
side2.5:AO
32/32

あとがき



※ ストーリーについて



 この作品、私の中では最短で書き上げた、一番書きやすい話でした。

 アイディアを思いついたのは、飯田橋からの帰りの電車の中。同じ年くらいの社会人っぽい女性が隣に座ってて、私がもし今頃働いていたら……そう回想したところから始まります。

 私が大学四年から妊娠前まで働いていたのが、この話の舞台である飲食店の事務所。事務のバイトを探してて、“食事つき”という条件に惹かれて始めたんです。つまり、主人公のモデルは私……になるのかな。

 まあ、私が書く作品のほとんどの主人公が、私の経験からもしああだったら、こうだったら……って妄想を膨らませたものだけど。

 事務所の設定とか社長の設定とかほとんどが実話で、そこに久我翔真というキャラを足してこの話が出来上がりました。



※ キャラについて



 まず、主人公の長田葵生ですが。

 この作品の登場人物の苗字はある地方の地名からつけることは決めてて、地名をずーっと眺めてて長田(おさだ)を見つけた瞬間、これだ! っと思ったのです。敏達(びたつ)天皇の異名の訳語田(おさだ)の表記を長田だと思っていたので、即決しました。

 長田が“ながた”と読むのが一般的とは後で気づきました……先入観って恐ろしい。

 下の名前は長田に合う名前で、かわいいなと思っていた“あお”で音を決め、漢字も以前からいいなぁと思っていたもので決定。少し男の子っぽい感じにしてみました。

 葵生は、楽観的だが負けず嫌い、タイピングが早いのが自慢で、料理は苦手、食べるのが大好きな女の子です。幼い頃に母を亡くし、父子家庭で育ったためお父さんっ子。父も十四歳の時亡くし中学卒業までは祖父母の家で暮らし、高校から一人暮らしを始めました。早くに自立してるため、意思は強くて、何でも自分のことはやれるけど……料理は苦手、なのに食べることが大好きという設定でした。だから、食事つきのバイトに惹かれ、翔真の手作り料理で胃袋がっちり掴まれちゃったんですね。

 事務所では、年齢も同じ、雰囲気も似ている社長を父親のように慕っています。自立しててもまだ十八歳、寂しかったんですね。

 社長も娘のように葵生を可愛がり、本当の親子のような感じで事務所では過ごしています。



 久我翔真について。

 この人の初期設定は、社長の息子、社長代理、二十三歳、物言いがきつい(思っていることをはっきり言うタイプ)、蜂蜜色の髪、美形――とだけ。

 とにかく、イケメン・インケン・蜂蜜色の髪、そのイメージだけで書き始めて、最初は髪の毛は染めている設定で、side2を書き始めてから日仏ハーフという設定になりました。

 本当にいつも設定もそこそこに書き始めて、キャラが動く通りに書き進めて、最後に辻褄合わせをする感じで……キャラに誘導されています……



 社長について。

 名前は久我銀司。作中ではほとんど出て来なかった名前です。この人も色々設定はありますが、一言で言えば“優しい理想のお父さん”という感じ。

 翔真のことも葵生のこともよく見てて理解し、二人の事を暖かく見守るお父さんです。

 社長が登場する第23、24話は書いていて楽しかったです。

 レストランの名前のCouleur du miel (クル・ドゥ・ミエル)というのは、フランス語で蜂蜜色と言う意味です。

 奥さんも翔真と同じく蜂蜜色の髪だったことと、蜂蜜色のようなキラキラした時間を過ごしてほしいという意味でつけました。



 ちなみに、第24話で翔真が喋っていたフランス語。あれは――

「そうゆう時だけ、覚えていないふりするのは卑怯だぞ。自分の言ったことには責任を持つのが大人じゃなかったのか? 父さん、俺をちゃんと見て言って」

 ということを話していました。翔真の子供っぽい一面を書きたくて。



※ タイトルについて



 タイトルは甘ったるい名前にしようと思い、そこから「ハニー」を付けるのはすぐに決まって、色々考えて、『美しい花には棘があり、甘い蜜には毒がある』という言葉から、甘い毒→ハニーポイズン→『HONEY*POISON ―甘い蜜には毒がある―』となりました。



※ 話の順番について



 書き進めている段階で。

 side:AOの第11話と第12話の間に、どうして翔真が葵生を好きになったのかという裏付けのために翔真視点を書いてて、その順番で更新しようかとも思ったのですが、葵生視点は葵生視点だけ、翔真視点は翔真視点だけでまとめる方がすっきりするかと思って、side:AO→side:SHOMA→ side2:AO→side2:SHOMA→ side2.5:AOの順番になりました。

 side2.5:AOの第27話も、本当は第25話と第26話の間の話だから間に入れる予定だったけど、翔真視点でまとめて、第27話はカットしようかとも考えたのですが……入れて、ずるずると長くなってしまいまいた。

 最後もお約束の嘘つき天使スマイルの翔真に怯える葵生を書けて、楽しかったです。



※ イメージソングについて


 イメージソングというか、執筆中に聞いていた曲を紹介します。普段は無音の状態で小説を書くことが多いのですが、この話を書くときは、いくつかの曲を聞いていました。

 『HONEY*POISON』の雰囲気に合っていると思います。聞いたことない曲は、ぜひ聞いてみてください。



 DREAMS COME TRUE「WINTER SONG」

 作中は春~夏なので時期が違いますが、しっとり感が好きです。



 赤西仁「eternal」

 この曲もしっとりとしていてせつない感じが好きです。作品のイメージというよりは、執筆中の私的ブームの曲でずっと聞いていました。



※ for Thank you!



 お互い愛情表現が不器用な葵生と翔真ですが、ゆっくりと時間をかけてもっと素直に相手を思う気持ちを伝えられるようになるんじゃないかと、思っています。


 一言でも感想を聞かせて頂けると嬉しいです。

 最後まで読んで頂きありがとうございます。

 本当に、たくさんの方に読んで頂き、感謝です!



2011.6.21 滝沢美月



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