予感的中
早紀江の足では15分程で学校に着く。来る途中、美月と出会う事はなかった。嫌な胸騒ぎがするのを必死に振り払いながら校門を潜ると、体育館に明かりが灯り、元気な掛け声がこちらまで響いてくる。早紀江は全身の筋肉が弛緩していく様な安堵感を覚えた。なんだ。練習が長引いただけだったのだ。それなら引き返そうかとも思ったが、時間も遅い。一緒に家まで帰った方が良いだろう。体育館に居る美月に声を掛けようと中を覗くと・・・・・。そこに居たのはバトミントンをする中学生ではなく、ママさんバレーをする地域の母親達だったのだ。それを見た早紀江は顔色を変えた。
「す、済みません。中学校のバトミントン部の練習はどうなりましたか?」
ボールを拾う為に近くに来たママさんに早紀江は喘ぐように尋ねた。帰って来た答えに背筋がぞわぞわと総毛だった。
「もうとっくに終わりましたけど。」
「い。いつ?何時ごろですか?」
「6時頃だと思いますよ。」
バトミントン部の練習はいつも通りに終わっていたのだ。今はもう8時近い。美月の足ならゆっくり歩いたとしても20分もあれば家に着く筈。練習終わって2時間近く経っても家に帰らないのはおかしい。これは何かあったのに違いない。
「美月ちゃん、美月ちゃん・・・・・。」
早紀江はうわ言のように呟きながら、職員室に居るであろうダルマ先生の元へ駆け出した。




