第21話
【おお、マインちゃんさっきより手際が良くなってる】
【ほんとうだ、すでに2つ目の花冠を】
【なぁ、オイラから見ると、あれは冠って長さじゃないんだけど】
【奇遇だな、自分の目でもちょっと冠サイズには見えない】
【は、は、は、だれが冠を作り直していると言った】
【確かにそうだな!マインちゃんは、きっと冠を作ってるわけじゃないんだよな?】
いや、たぶん花冠を作り直しているんだと思うけど。義姉ちゃん……。そんなに頭大きくないだろう?
【あ、首飾りになった】
【ほらマインちゃんの顔を見てみろよ、首飾りをはじめから作ったんだよって顔してるじゃないか】
【その前の一瞬驚いたような……いや、なんでもない】
【また、作り出したぞ?】
【今度こそリベンジできるといいな】
【だから今度こそ言うな!】
……義姉ちゃん、頼む。ちょっとコメント読んでる俺が恥ずかしくなってきた。
絶対、何も考えずに「うわー蓮華畑だ。そうだ花冠作ろう!」としか思ってないよね?
……そういえば、俺ができれば1時間くらいログインして欲しいと言ったから、時間をつぶすために?
そうか。俺のために義姉ちゃん……。
【やった!ついに花冠完成だ!】
【おめでとうマインちゃん!】
【さすが我らのマインちゃん!】
【完璧なサイズの花冠だ!】
【で、完璧なサイズの花冠をなぜ作った?】
【見てれば分かる】
見てても分からないと思うけど。
【花冠を載せて、失敗作は両手に持って歩き出したぞ】
【失敗作言うな!】
【あれにも意味があるはずなんだ!】
【あれにも意味があるはずなのか?】
【あれにも意味があったら驚く】
【あれにも意味があればあるときあれ】
【あれにも意味が……あっ!マインちゃんが!】
なにかにぶつかったように見えたけれどと思って心持ち画面に近づくと、マイクロドローンが角度を変えて映し出した。
【どこで〇ドアか?】
【いや、ペラペラすぎじゃん】
【どこで〇ドアじゃなくて、どっちか言えばかべ紙ハウ〇の方だろ?】
【ああ、壁にドアの絵の紙はると、部屋ができるやつな】
【なろう系でよくある、収納魔法の応用みたいなやつだろ】
【それは、かべ紙ハウ〇じゃなくてか〇紙収納庫ほ方だろ?】
【は?】
【ドラえも〇すげーな。もはや秘密道具がなろう系】
やたらと詳しいやつが混じってるな。……国民的アニメとはいえ、そこまで知る人珍しいんじゃないか?初めて聞いたよ。
【あ、マインちゃんがドアノブに手をかけた】
【ペラペラなのに、ドアノブつかめるんかよ!】
【あかないみたいだぞ?ノックしてる】
【ペラペラだけど、紙というよりは板?固そうだな】
初めて見るな。壁にないドア……ただのオブジェか?それとも本当に四次元にでも繋がってるのか?
【開いた】
【!】
【やばっ】
【あれって】
【2@0i459u】
【るりgpspずりがおだ】
嘘だろ!
【落ち着け、落ち着け!】
【落ち着いていられるか、黒い犬のようなみつ首の魔物……あれって】
【ケルベロス?】
そうだ。間違いない。ケルベロスだ。
【深層にいる魔物だろう?どうして2階層に……】
【扉を開けては駄目だったんだ……】
【記録とりました。ギルドに報告します】
【あー、マインちゃん……ここでおしまいか……】
不吉なことを言うな!
だが……。
ケルベロスはレベル999でも倒すのは難しい。なんせ一つの頭がS級といわれている。頭が3つあるから、SSS級だ。
せめてもう一人SS級ダンジョロイドがいなければ……。
【ケルベロスってあんな小さいんだな】
【知らないのか?戦闘中に巨大化するんだぞ?】
【戦隊ものの敵みたいなもんか?】
【どっちかいうとスーパー〇イヤ人みたいなパワーアップ系?】
そうだ。巨大化する前ならまだ何とかなる。
義姉ちゃん逃げてくれ!
スターマインはどうなってもいいんだ。
だが、義姉ちゃんのトラウマになるとダメだ。
襲われる前に……逃げて!そうだ、ログアウト。ログアウトするようにメッセージを送ろう。
いや、義姉ちゃんなら壊れるって聞いたら俺に悪いと頑張ってしまうかもしれない。
電話で話した方がいいか?
と、焦っている間に……。
【ケルベロスに花冠載せたぞ】
【いや、どういうこと?ケルベロスに花冠?どういう絵面だ……】
【なぁ、小さかったやつと大きかったやつまでケルベロスに渡したんだが】
【まさか、3つ作っていたのは初めからそのための?】
【流石だなマインちゃん】
【そうだよな、作るの失敗したなんて思ったオイラが愚かだったわ……】
いやいや、作るの失敗して作り直したで間違ってないと……って、違う、義姉ちゃんにログアウトするように電話をしなければ。
【あ、走り出したぞ】
ん?逃げてくれるのか?




