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Heaven or Hell

お待たせしましたー!

 「全部言うじゃんコイツ!」


クリカラの言う通りではあるので座って作戦会議を始める。


てか、カレンの顔を見れない。


今の私、めっちゃ顔赤いと思う。恥ずかしいもんだって!

こんな屋外でキスするなんて誰かに見られたらダメじゃん!


あ、クリカラに見られたわ。後で消そう、記憶が消せないなら存在を消すしかない!


 「はぁーーー、クリカラ、後で記憶消すまで殴っていい?」


 「突然何を言っておるのだ優理。お主の手が痛むだけだぞ」


 「チッ、やっぱダメか」


 「さ、作戦会議ですよね?確か魔獣ってのを倒さないといけなんですよね?」


 「そうだ、奴らは再生能力を持っており我の分断の能力を発動して再生能力を止め会心撃で一撃でトドメをさす。これしかない」


 「あ、それなんだけど」


 「なんだ?」


私はさっきの戦闘で感じた違和感を話した。


 「・・・なるほど。確かにな、だとするならば・・・」


こうして僅か三分の作戦会議が始まった。


 「薬の効果は何分持つ?」


 「10分持ちます、一回の戦闘なら十分ですよね?」


 「ああ、大丈夫だ。今回の戦闘では魔力は少しでも節約する必要がある。我が動ける時間は少ないぞ」


 「安心しなさい、アイツらにはこの手で決着つけるつもりよ。やられた分十倍にして返すわ」



今ある全てを把握して手札にしていく。


そうやって使えるカードを見つけていき、状況を想像し、勝ち筋を組み立てていく。


ネット友達のドクウツキさんから教わった必勝法の一つ。


現実の喧嘩でもお世話になった方法だ、ゲームも現実も勝つ方法はそう変わらない。


相手は二人、ボスキャラが二人いる時の対処法なんかゲームで散々やった。


なら、今回もいける。


 「・・・よし大体こんな感じ?」


 「ああ、勝機はある。油断せず、勇気持って戦えば女神様は必ず微笑んでくれるだろう」


 「アイツなんかに微笑んで欲しくはないけど・・・」


 「え?女神様だよ?」


 「いや、ほんとアイツイメージと違うから。プライベートで会う芸能人みたいなもんよ」


 「なんて事言うのだお主は!」


 「そもそもなんで優理ちゃんは女神様の事知ってる風なの?会ったことあるの?」


 「まあ、一回だけね」


 「・・・優理ちゃんって聖女だったの?」


 「うっわ!聖女とかやめて!今、鳥肌たったわ!」


 「そろそろ時間だ、準備はいいな?」


 「もちろん、アイツは全員ぶっ飛ばす!」


 「私も支援頑張るね」


 「うん、期待してる。何かあっても私が守るからやりたいようにやって」


 「ありがとう」


私はクリカラを担いで山を登りカレンと分かれた。


待ってろよ、覚悟を決めた私は強いぞ。




 「すまなかったな」


 「へ?何、急に?」


山を登り、魔獣の元へ向かいカレンからもらった薬を全部飲み干した後でクリカラが急に口を開いた。


 「いや、謝らないといけないと思ってな」


 「別にいいよ。こうなったのも前世の私が悪いんだしクリカラが謝る必要は・・・」


 「違う、その件ではない」


 「え?じゃあなに?何に謝ってるの?」


 「前に優理の事を乙女としては相応しくないと言う言動をしていたと思うが」


 「してたね、ほんっと女の子に向かって失礼だからね?」


 「ああ、さっきの優理を見て改めようと思ってな」


 「さっきの私?」


さっき・・・乙女な私・・・


 「はあ!?アンタ、キスでのこと言ってる!?」


 「それだ。あんなにキスで照れたりするとはな。案外、乙女だったな、優理」


 「う、うっさい!」


***


月が照らしていたのは私が魔獣と戦った、開けた場所。


周りには木々があるがここだけ木はなく、あるのは地面と奥にある岩壁だけだ。前にあの岩壁から地下に入りクリカラを引き抜いたのが随分と前のことに感じる。


 「逃げずに来たか、クソガキ」


目の前にいるのは二匹の魔獣、白と黒の魔獣はニヤついて私を出迎えた。


そして私は二匹に告げた。


 「お頼み申す!お頼み申す!」


 「・・・は?」


 「不躾ながら冥府へゆけ、月が照らすは悪道ばかり、民のため息、夜を濡らす。詮方(せんかた)ないと泣くなかれ!お見せするは閻魔の技、仏の慈悲も天の赦しも宿らぬ剣で破邪顕正(はじゃけんしょう)!」


「己は勇を持ちし婆娑羅者(ばさらもの)、いざ、咲かせて見せよう血戦華(けっせんか)ー!」


クリカラを魔獣に向けて決め台詞を言い放った!


 「・・・何をしておるのだ優理?」


 「前からこうゆう前口上?って言うの?やってみたかったのよ。丁度、これから殺す奴、目の前にいるし」


 「ははは!!!殺すとは大きく出たな!テメェにはできねぇよ!」


 「王様が慢心するのはかっこいいけど、雑魚がしてると滑稽ね。死ぬ準備は出来た?サブスクを解除する時間くらいなら上げるわよ?」


 「死ぬのはテメェだ!勇者モドキ!」


白い魔獣が私に飛びかかり鋭爪で切り裂いた。


隣にあった木だけを。


私はクリカラで鋭爪をそれを難なく受け止めた。軽い。前に受けたものと比べると軽すぎる。


これがカレンの薬の力?だったら凄まじいわねこれ!


 「ッ!?」


 「あら?木を切って自分の棺桶作り?殊勝な心がけ、っね!」


言いながら剣を振り白い魔獣を弾き飛ばす。


 「ぐっ!馬鹿力が!コイツ、いつの間にか傷も治してやがる。まだ魔力があったのか!」


 「・・・優理よ、お主は本当に人間か?」


魔獣をぶっ飛ばす為に一歩進んだところでクリカラが話しかけてきた。


 「はぁ?急になによ?」


人間だが?どっからどう見ても可愛い美少女の人間でしょ。目ん玉付いてんの?ついてねぇわ、コイツ。剣だわ。


 「いや、その筋力は薬だけではないだろう。さっきより確実に上がっている。何が起きた?」


 「知らないわよ。カレンの薬の効き目が凄いんじゃないの?確かに今、めっちゃ力が溢れてくるけど・・・たまにあるでしょこうゆうの」


 「いやないだろ!お主の体、やはり何かおかしい。その細腕で出せる筋力では無い」


え?ないの?あるでしょ、たまに力が溢れてきてパワーアップかゲームで言うな、レベルアップした時みたいな感覚。


 「細かいことはいいでしょ、考えたって分かんないわよ生まれた時からこうなんだし」


 「何、ごちゃごちゃ言ってやがる・・・!」


 「なんでもないわ。それより、あんたさっき勇者モドキって言ったわね?」


 「それがどうした」


 「私は勇者でも勇者モドキでもないわ。ただの女子学生。勇者として身を粉にして世界を救うのに奔走するなんて嫌よ私。だから、世界を救うのはついで。私は私の道を行きながらついでに世界を救ってやるわ。私は勇気を持って世界を救うものではない、私は勇気を持って我が道を貫く者!アンタ達は私の道を邪魔する雑魚モンスターに過ぎない!だから言っておくわ、逃げるなら今のうちよ。殺されても文句は言わないでね」


そうして私は一歩前に踏み出した、クリカラを手に持って。


 「はっ!お前は蛮勇と勇敢の違いを教えてやるよ。その一歩、死への一歩だと思うがいい!」


 「そうね、アンタが地獄に行く時間を告げる一歩よ」


月下にて剣と牙が煌めいた、この戦いの行く末は女神ですら知らない。なら、後は私がやるだけだ、私が戦い抜くだけだ!


 「私立多種族共同雛菊女子高等学校一年、優理!我が道を切り開く!」


 「魔神八代将ガルイン様配下魔獣!ユボーガ!テメェを殺す!」


 「同じく!アルガ!勇者モドキの首、ガルイン様に献上してくれる!」


さあ、ラウンド1スタートだ。


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