鎖だったものが辺り一面に広がる
魔法少女ノ魔女裁判おもしれぇ!
アンアン、ビジュアル一番好みだったけど・・・おじさん・・・これもそれも全部桜羽エマがわるいんだよ。
鎖をどうにかしようと力強く引っ張るが固定された台座から外れる様子は無い、いくら私が人間としては力の強い方とはいえどこれをどうにかする程の力は無い。
「ダメだよ、暴れたら。もう優理ちゃんはわたしのものなんだから。あはは!このふわふわの髪も目も鼻も口も全部全部わたしの!誰にも奪わせはしない!」
鎖をどうにかしようとする私の顎を右指で持ち上げて目線を向けさせた。
「カレン・・・!」
「無駄だよ、ここ防音に改造してあるの。いくら叫んでも外には聞こえないし家族にも言いくるめているから私の部屋には入らない様にしてるし。わたしのものになってよ、優理ちゃん」
「嫌だね、友達なら大歓迎だけど私の道は私が決めるの。今鎖を外してくれるなら許してあげるけど?」
「するわけないでしょ。わたしもね優理ちゃんを薬漬けになんてしたく無いの、でもその態度が変わらないならするしかないよ」
カレンは本気だ、本気で私をここから出すつもりはないみたい。
「・・・なら長期戦になりそうね。そうだ、どこでトイレすればいいの?さっきからトイレに行きたくて・・・」
見渡す限りはそんな場所はない様だがもしかしてシートを敷くとか!?うっそ、だったらやだよ絶対!人としての尊厳は守ってほしい!は!もしかしてカレンってそっちのタイプの変態だったり!?それだけはマジで勘弁して!
「・・・カレン?」
カレンは私の顎から指を離し考えこんでいる。
「・・・あの、優理ちゃん」
「なに?」
「考えてなかったって言ったら怒る?」
「・・・・・・・・・・・・・・は?」
な、なにを言ってるんだこの人・・・
「じょ、冗談じゃないわよね?」
「だ、だって!急に監禁したくなったんだもん!そんな綿密に計画立ててないよ!」
「はぁあ!?ちょ、だったら鎖外して!」
「そ、それはダメ!逃げるじゃん!優理ちゃん逃げちゃうじゃん!」
「逃げるよ!けどこのままだと私、カレンの部屋で大変なことにするけど!?」
「そ、それもダメ!」
「どうすりゃあいいのよ!!!待って、マジでそろそろ限界なんだけど!?」
「え、えーっと。あ!シートかなにか持ってくる!」
「最悪!!!ええい!こうなったら!」
私は覚悟を決めて体の中にいるクリカラに声をかける。
「クリカラ!私に強化魔法を!鎖を引きちぎる!」
「そうしたいのはやまやまだが・・・」
「言い訳なら考えてる!さっさとお願い!乙女としての尊厳を守らせて!」
「優理が乙女か・・・程遠くないか?」
「はぁあああ!?こんな美少女にそんな事言う!?ほんとありえない!マジで!誰がどう見ても乙女で美少女でしょうが!」
「自分で言うところがなぁ・・・」
「パパとママに可愛く産んでもらったから誇るのは当然よ!てか、さっさとして!」
「はぁ、分かった。あまりやりすぎるなよ!強化魔法!」
クリカラが魔法を唱えると私の体から力が湧いてくる。
「よし!これなら!」
ふん!と両手に繋がれている鎖を引っ張り引きちぎろうと試みる。
ギギィと金属が軋む音が聞こえてくる。
「む、無駄だよ!その鎖は鋼鉄製の12mmチェーン!人の力じゃ引きちぎるなんて無理だし破断はおろか人の力じゃ傷つける事ふかの」
バチィイイイイイイイイイイイインンンンンン!!!!!!!!!
「ええええええええええええええええええ!!!!??!??!?」
不可能と言葉を続けようしたカレンは私が鎖を引きちぎった事で阻止された。
それに引き続いて足の鎖も引きちぎる。
「え?ええ?ええええぇ!?」
「ふぅーーー!自由ってのはいいわね!清々しい気分だわ!」
「そ、そんな・・・ありえない・・・」
「不良品だったんじゃない?返品してきた方がいいわよ。もう壊しちゃったけど」
「い、いやいや!不良品だったとしても鎖を引きちぎるなんて不可能だよ!」
「じゃあなに?人が鎖を引きちぎれないなら今起こった事はなに?不良品だったとしかありえないでしょ?」
「いや・・・でも・・・」
「不良品以外に理由があるの!?」
「いやない・・・かも・・・」
「ほらみろ!不良品じゃないか!」
「そうかな・・・そうかも・・・」
よし、言いくるめられたね。言い合いは結局声のでかいやつが勝つ!
「なにがよしだ!強引なだけじゃないか!」
「いいじゃない、それで納得してくれたんだし」
「はぁ・・・!まったく!あきれるな」
まだ手に引きちぎった残りがあるが自由にはなった。これでようやくトイレに行ける。
「だ、ダメ!行かせない!」
と、往生際悪く私の行くてをカレンは遮った。
けど、強化魔法がかかった私を止められはしない。手に残った鎖と手枷を引きちぎり鎖を手に入れる。
「あんまり、手荒な真似をしたくないけど仕方ないよね!」
カレンの背後に一瞬で回り込んで鎖で手と足を結んであっという間に拘束してしまう。
「え!?あれ!?」
その早業にカレンは驚くが気にしている暇は無い!乙女としての尊厳の崩壊がすぐそこまできているのだ!
〜数分後〜
「いやー危なかった・・・流石エルフの家、広いわ」
「こんな事に魔法を使う事になるとはな」
「ありがとう、お陰で漏らさなくてすんだわ」
「・・・そういうところが乙女らしからぬのではないのか?」
「は?なんか言った?」
「いや、なにも」
そんな話をしながらカレンの部屋に戻ってくると鎖に拘束されたカレンが出迎えてくれた。
「戻ってきた」
「ええ、やられっぱなしは癪なの。イタズラエルフにお仕置きしないとね」
「えええ!?」
カレンを拘束していた鎖を解いて持ち上げてベッドに放り投げた。
「きゃ!」
ふかふかのベッドに私も登りカレンの上に乗る。
「な、なになに!?」
「友達を閉じ込めてお薬まで無断で注射してしまうわるーいエルフにはお仕置きしないと」
「ま、待ってなにするの!?」
「それは・・・」
私はカレンの服に手をかけて邪魔な上着を脱がせた、中に着ていたシャツが露わになる。
「優理ちゃん!?」
「さて・・・お仕置きタ〜イム」
服を脱がせて私がしたのは単純な事、手を脇の下に持っていって・・・
「こちょこちょこちょこちょ!」
「え!?ひゃ!ちょっと、あは、あはははははははははははははははははは!!!!」
私がこれまでの転校生活で学んだ事がある。
様々な学校に行って色んな種族の人と出会った、その中にはエルフももちろんいる。
そんなエルフの人達にはある共通点があった、それはこちょこちょに弱い事。エルフは肌で風を読んだりするからか他の種族より肌が敏感なのだ、なのでこちょこちょに弱い人が多い。
そして、それはカレンも例外ではなかった。
「あははははははははは、あっは!やめて、やめて!悪かった!わたしが悪かったから〜!」
「本当に〜?信じられないなぁ〜もう少しこちょこちょしちゃおっ!」
「ギブ!ギブアップ!もうしません!もうしないから!ゆるしてー!」
そんなやりとりが数分続いた後私は満足してカレンを解放した。
「はぁ、はぁ、優理ちゃんのいじわる・・・」
衣服を乱して息も乱し、興奮と笑いで肌が赤くなったカレンが少しセクシーで思わず目を逸らした。
「んん!これに懲りたらもうしないでね。私、自分の道を邪魔されるのが嫌なの。覚えておいて」
「・・・ごめんなさい」
カレンから降りてその横に座ると話を続ける。
「それで?なんでこんなことしたの?」
「・・・優理ちゃんが皇さんに盗られると思ったら気持ちが抑えられなくて・・・睡眠薬入りのお水も用意はしてたけど使うつもりはなかったの。やれる!って思ったら行動に移してただけで・・・」
「行動力の化身・・・」
行動力すごいわねカレン。
「はぁ、私が好きで閉じ込めたくなっちゃったのは分かったわ。けど、せめて話し合って欲しいわ。そしたら妥協案とか出せるかもしれないから」
「うぅ・・・はい」
反省したのかカレンはしょぼんとした感じで受け入れていた。
「というか、今思い出したけどこの前駅でシャッター音で慌ててたのも隠し撮りしてたわけね」
「う!・・・はい、そうです」
「・・・なんというか」
シャッター音でバレたり階段で思わず踏み外したり、監禁の時もトイレの場所考えてなかったりとか・・・最初出会った時も電車間違えてたし・・・
「その、カレンって案外ポンコツ?」
「ええ!?そんな、ひどい!?」
「いや、だって・・・」
優秀なところがあるのは知ってるけどここまでの証拠があるならそう思っても仕方ない。
「ポンコツスケベエルフ・・・」
「そ、そんな不名誉なのはいらない!」
ポンコツスケベエルフ・・・うん、しっくりくる。
「話がそれたわね。ま、私が言いたいのはちゃんと話し合っててって事。私を好きでいてくれるのは嬉しいから、過激な事には応えられないけど友達としてならなるべく応えてあげるから、ね?監禁した事も許すし盗撮の事も許すから今度は私の許可を取る事」
「優理ちゃん・・・こんなわたしを許してくれるなんて・・・じゃ、じゃあ!」
許された事に感激したかと思えば何かを思いついたのか注射器なんかを取り出していた机にカレンは向かって行った。
「注射はダメよ!変な薬盛られるのも嫌」
「ち、違うよ!お薬じゃないから!」
机の引き出しから取り出したのは指輪の様なものだった。
「こ、これを付けて欲しいの」
「何これ?指輪?」
「スマートリングだよ。心拍数とかの情報を記録してスマホに送ってくれるの」
「へぇー、そんなのあるのね。なんでこれを私に?」
「少しでも優理ちゃんについて知りたくて・・・ダメ?」
「うーん・・・まあ、そのくらいならいいわよ」
スマートリングを付けるだけで監禁とかを我慢できるならそれくらいいい。
「いいの!?やった!」
私からの了承を受けたカレンはいそいそと私の指にはめようとしたが薬指につけようとしたのでチョップを頭に軽く叩き込んで人差し指にはめさせた。
「まったく」
「つい、できこごろで・・・」
反省はしているんだろうけどそれ以上に欲が押し寄せてきてるのか?高校卒業する頃には反省の回数が三桁超えてそうね。
「ちなみにこのスマートリングって心拍数以外に何かあるの?」
「え、えっと睡眠時の情報を記憶してくれたりとか?」
「・・・何から隠してるわね。GPSとか付いてるんじゃないの?」
「ギクっ!?」
「また、チョップをくらいたいみたいね」
「ごめんなさい・・・」
「普段はいいけど私の方でも位置情報を非表示できる様にして」
「はい・・・」
私のスマホを差し出すとカレンはスマートリングの設定をし始めた。
余計な画面を開かない様にじっと見ていた。
その時スマホの時計を見たがもう15時を過ぎていた。
「私、15時に起きたの・・・」
「うん、ぐっすりだったから薬が効きすぎてないか心配だったんだ」
そういえば睡眠薬入りの水で眠らされたんだった今度からカレンから貰うものは全部注意しないと。
スマホの設定が終わるとそれを受け取り左の人差し指に嵌められたスマートリングを見ながらカレンに言う。
「しばらくはこれで我慢してね。私の事を好きなのは嬉しいけどやって良い事と悪い事があるからね」
「はい・・・」
「なにかして欲しい時はちゃんと言う事」
「それなら今、キスしたいなぁ・・・」
愛嬌のある声で精一杯おねだりしてくるカレンだが私の答えは決まっていた。
「残念、私のファーストキスは好きな人にあげる予定なの。
友達にはあげられませんー」
「じゃ、じゃあほっぺ!ぽっぺにキス!」
「ほっぺ?それくらいなら」
ベット上のカレンに近づいてそのまま軽くほっぺにキスした。
「Яエ9ŁとمふKδ!!??」
「え?なんて?」
「ご、ごめん嬉しすぎてエルフ語出ちゃった」
「そんな濁ったような発音だったけ?」
キスされたカレンは頬を真っ赤に染め目線があちこち泳いでいる。混乱している彼女に追撃したかったが暴走されてまた監禁されても困るので今日はやめておこう。
「私、帰るね。あ、一応泊めてくれてありがとう?いや、監禁されてたしありがとうは変?」
「もう、行っちゃうの?」
「一人暮らしはやる事が多いの。マ、んん!一人暮らしを始める条件に家事をサボらないって約束したししないといけないの」
それに私、綺麗好きだから一日に一回は絶対に掃除機かけたいのよね。家事は積んでもいい事無し!さっさとやるべし!とパパとママに叩き込まれたしね。
「な、なら!わたしが優理ちゃんの家でお手伝いする!家事はわたしが全部やるから!」
「魅力的だけど却下。また学校で会いましょ、大人しくしてたらまたほっぺにキスしてあげるから」
「ほんと!?絶対!?」
「え、ああ、うん。ほんとよ」
あまりの食いつきに少し引いたがカレンは私を玄関まで案内して無事に私は家に帰る事ができた。




