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夏休みはゲーム三昧  作者: 竪川杼緯


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17. ひたすらスライム狩り

 以前も利用した白い花に囲まれた樹のそばで、広樹と晴樹はいったんログアウトして水分補給とトイレを済ませてきた。

 あとは現実世界で夕食の時間までここでスライム狩りを目一杯行うつもりだ。

 夕食を終えたら、今度は薬草採取を予定している。

「やるぞヒロ」

「頑張ろうねハル」

 そうしてスライムは湧いては狩られ湧いては狩られしていった。

 殲滅する勢いで狩っていっているとはいえ、さすがに作業になっているため、二人とも会話する余裕はたっぷりある。

 話題はやはり今後の予定だ。

「ティアナさんのところで薬師を覚える予定だったけど、先に転移を覚えたほうがいいよねー?」

「今後のことを考えたらそうだよな」

「今回は魔力ポーションと交換ってことになったけど、結局あといくら必要なんだっけ?」

 比較的手の空いている晴樹がクエスト一覧を確認した。

「他のクエストはすべて終わっているから……、お、今販売システムに出してきた牙が売れたみたいだな。これで1455G獲得だから、合わせれば8205Gになって、ぎりぎり7000Gの薬師入門セットは買えるな」

 ということは、残りは防具に必要な代金だけだ。が、こちらがまだ下見もできていない状態で不明だ。

「防具の値段、せめて露店で見てくればよかったかなー?」

「そういえば完全に忘れていて俺らスルーしてたもんなー」

 晴樹が肩を震わせながら笑う。

 とりあえず今日のところは当初の予定通り、夕飯まではスライム狩り、その後は薬草採取をすることにした。

 今の二人にはこれが一番金策になりそうだったからだ。


 薬草採取の途中で、納品分の魔力ポーションもサクッと作り終えた。なにせ1回の錬成で5個作れるのだから、7回錬成すればいいだけだ。材料さえ揃っていればこのくらい全然手間ではない。

 広樹が販売システムに出品していた爪も無事に売れて、お互い薬師になれるだけの金額は確保できた。

 ログアウトする前に露店にいるベティーナのところへ行って魔力ポーションと交換で無事『マップピン』と『転移』を手に入れることができた。またその足でまず商業ギルドへ行って売上金を引き出し、ポーション屋へ行ってティアナから薬師の入門書とポーション製作キットのセットを7000Gで購入した。

「ポーション製作キットの使い方の説明は必要かしら?」

「ぜひお願いします」

「俺も聞きたいです」

「まず薬師の入門書を使うと、調合が使えるようになるの」

 使ってみるように言われたのでその通りにすると、調合だけでなく洗浄と乾燥と粉砕を覚えた。

「調合以外に洗浄と乾燥と粉砕を覚えられたかしら?」

「はい」

「じゃあ次はポーション製作キットね。中を確認してちょうだい」

 ポーション製作キットの中には、薬研とビーカー、薬さじに上皿天秤、さらに調合板が入っていた。

「いろいろ入っていると思うけど、スキルがある場合は基本調合板くらいしか使わないかしら」

 ティアナは申し訳なさそうな顔をした。

「調合って最初の1回だけは手作業で作らないといけないんだけど、調合板に登録してからは、調合板に材料をのせて調合スキルを使うだけでポーションができるのよ」

「ああ、それで一式入っているんですね」

「ええ、そうよ」

 まず薬草を洗浄して乾燥して粉砕する。ここまではスキルでできる。ただスキルの粉砕ではまだ荒いため薬研を使ってさらに細かい粉にするそうだ。

 それが終わったら、次は上皿天秤を使う。最初に水色のスライムゼリー1個分の重さを量り、次にその重さの4分の1の量の粉薬草を薬さじを使って量る。

 調合板の中央にビーカーを置いて、重さを量ったスライムゼリーと粉薬草を入れる。ビーカーの両側に水色のスライムの魔石を1個ずつ置く。

 すべてが揃ったら、調合スキルを使う。そうすればポーションが20個製作され、同時に調合板へ登録されるらしい。

 次回からは調合板の上に水色のスライムゼリーと薬草を置き、その両側に水色のスライムの魔石を1個ずつ置いて調合だ。材料が不足するものがあればできあがるポーションの数が減るだけで、失敗してすべて消えてしまうということはないそうだ。

 使い終わった器具は、スキルで洗浄と乾燥を済ませてから片づけるのがベストらしい。

「ポーション作成で使うのは水色のスライムがドロップしたゼリーと魔石だけだから、他の色は錬金術で使うといいわ」

「そういえば魔力ポーション製作では色指定はなかったですね。わかりました。ありがとうございます」

「いいのよ。正直言って今はポーションがとても品薄なの。あなたたちが作れるようになって少しでも市場(しじょう)に流してくれると助かるという下心もあるから気にしないで」

 ついでにその場を借りて調合を5回おこなうと、運よく100個ちょうど作れた。

 広樹と晴樹はティアナにお礼を述べてポーション屋を出ると、そのポーション100個を試しに1個165Gで販売システムに出品してからログアウトした。


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