↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
52/1360

第0話 2

2

 「お前、危険物免状乙四いつ取れるんだ?環境安全が危険物免状も持って無くてどうする!」

 本能寺(ほんのうじ)先輩があたしの頭をこぶしでぐりぐりと締め付ける。

 「いだだだ!先輩痛いです、痛いですよ!神奈川県では来月まで試験が無いんですってば!」

 「それなら東京行ってとってこい!あそこなら毎週やってるぞ!」

 「東京遠いじゃないですかー!それにまだ心の準備が・・・」

 「お前まだ勉強してないだろ!毎日あれほど言っているのになにやってんだ!」

 「そんなこと言ったって、あたし理系じゃないし、あんなの頭に入ってくるわけないじゃないですかぁ。法律関係はともかく、物理とか化学なんて無理ですよぉ」

 「あんなの基礎中の基礎だろ!あんなの小学生だってとれるわ!」

 「いや無理だって。いくらなんでも無理ですよぉ」

 「レイカは小学生で丙種とってたぞ。お前んとこのスズちゃんだったら甲種だって勉強しなくてもとれると思うぞ」

 「姉妹と比較するのはやめて下さい。比較対象が極端すぎます!」

 

 あたしと職場の先輩の本能寺さんは毎日こうして言い争いをしている。

先輩はバリバリの理系で以前は研究所にいたそうだ。この男はなにかと知識をひけらして、嫌みな態度をとってくる。面倒くさい人選手権全国大会があれば栄えある優勝も楽勝だ。

 しかも先輩はあたしのレイカお姉ちゃんと知り合いで、お姉ちゃんも本能寺先輩に輪をかけた理系なので、あたしはいつも比較されてしまう。

 もっと言うと、妹のスズちゃんはレイカお姉ちゃんを遙かに超えた天才児。あたしの実家の近所では、あたしは姉と妹に脳みそを全て吸い取られた残りカスと認定されている。

 「スズちゃんは高校一年生なので甲種の受験資格は持っていないんですよー。そんなこともわかんないんですかー?センパイ?」

 あだだ。無言で余計に頭を締め付けられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。