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第3話 18

今回は雪ちゃんと白蛇の会話になります。

18

 わたしマキちゃんを飲み込んじゃった!どうしよう!

 わたしの意識は白蛇さんに乗っ取られて、体を自由に動かすことができない!

 しかも白蛇さんはお腹が空いているらしく、「クワセロ、クワセロ」って言いながら建物を壊して、壁とか床とかとにかく目の前にあるモノをどんどん飲み込んでいく。わたしは何も食べたくないのに、どんどんお腹に入っていく。しかも飲み込む度に体がどんどん大きくなっていってしまう!

 わたしどうしたらいいの?白蛇さん、マキちゃんを助けてよ!


 体が大きくなる度に、白蛇さんはもっともっと沢山食べようとする。わたしすごく気持ちが悪くなってきた。

 わたしがわたしじゃなくなっちゃう感じがする。わたしがもう少しで違うモノになっちゃう感じがする。

 白蛇さんは「フヤセ、フヤセ」と言い出した。フヤセってなに?気持ち悪いよ。マキちゃん助けて!

 ふと、お腹の中にいるマキちゃんの声がかすかに聞こえてきた。


「・・・美少年・・・」マキちゃん無事だったんだ!

「・・・青っぱな・・・」え、なに? 

「・・・下北の猿・・・」何を言ってるの?なにが起きてるの?何を考えているの?マキちゃん大丈夫?


「ごめんなさい」ううんわたしこそごめんなさい。

「ありがとう」わたしからもありがとう、マキちゃん。


 白蛇さん!あたしはあなたに意識を渡してもいいから、マキちゃんを出して下さい!あたしの意識はもう消えちゃってもいいから、マキちゃんだけは助けて下さい!お願いします!

 

 「うむ。マキの血の『心』、いやいまは雪ちゃん、というのだったな。そなたは我々のことを知らぬようだな」

 いきなり聞こえて来たこの声は白蛇さん?

 「さよう。我々はこの星の記憶だ。我々は生き物になれなかったこの星の物質の記憶、無生物の『心』だ」

記憶?『心』ってどういうこと?MoNStErって、ただの化学物質じゃなかったの?


 「我々無生物の『心』は様々な形、主に石などに宿ってこの星にあまねく偏在している。そこから最近はインターネットと呼ばれるモノにも入り込み、我々の一部はその中でも存在している。

 あるとき人間たちがMoNStErと呼ばれる物質を作り上げた。それは生き物の形をしているだけのただ単に動く物質だった。

 われら無生物の『心』はMoNStErへ入り込もうと思っていたがなかなか入り込むことができなかった。

 ところがある時、おぬしらの研究者と呼ばれるものがMoNStErを改良してネットワークにつながるようにした。

 われらはネットワークを介してそのMoNStErへの侵入を果たすことが出来た。

MoNStErがこころをもって人間達と会話をするのはわれら無生物の『心』が入っているからに他ならない。

 しかし我々はMoNStErとして生物と同じように動くだけでは足りない。


 我々無生物の『心』は生物と同じく繁殖-増殖をすることを望んでいる」


 白蛇さんが言っていた、「フヤセ」ってことかな?

 「人間は我々無生物の『心』のことはまだ誰も知らずに、我々の拡散に協力している。」

 人間は知らないでMoNStErをどんどん作って売っているってことかな?


「我々はまだ増殖が出来ない。しかし、先ほど我は建物を壊して体に納めることで、体を大きくして増殖ができる可能性を見つけた」

 だからあれほど建物を飲み込んでいたんだね。

 「しかし、あれだけでは足りない。必要なモノが足りない。我はまだ増殖が出来ない」

 でも、なんで増殖するの?増殖するとなにがあるの?


 「我々無生物の『心』の目的はこの星の生き物に替わって、我々が生き物となることだ」

 ん?それじゃあ今いる生き物は?

 「この星に不要となる。つまりは、いずれ消え去るのだ」

 だめだよ!マキちゃんがいなくなったら寂しいよ!いやだよ!

 

 そのとき、わたし=白蛇さんの体の口を割って、ナニモノかが手を差し込んできた。たしか月平さんといったっけ。そして、中のマキちゃんと手を繋いで、マキちゃんを引っ張り出してしまった。よかった、これで安心だよ!


「ふむ、面白い。我も人間達に興味が出てきた。我はもう少し寝て、人間達を見てみようかと思う」

それじゃあ、わたしの体はわたしに返してくれるんだね!

 「しかし、覚えておくがいい。そなたの『心』が再び弱くなったとき、我は今度こそこの体をもらう。そして今度こそ増殖してこの星の真の生物となることを」


 わたし責任重大なんだ。こんなことマキちゃんにも絶対言えないよ。言ったら今度こそ怖がられて嫌われちゃうよ。

 「我の仲間は世界中にいるぞ。気をつけることだ。次に我が起きる時には生物は消え去ることをくれぐれも忘れないように。我の名はバジリスクという」

そう言って、白蛇さんはわたしのこころの底へ沈んでいった。

 そうか、人間がMoNStErを第三世代にしたいって言っていたけど、本当に第三世代になっちゃったら生物が絶滅するかも知れないんだ。

 わたしはだれも絶対に第三世代にしちゃいけないってことを強く心に刻んだ。

 でも、星の記憶って、わたしたちMoNStEr以外にも沢山いるのかな?

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