表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と幼馴染 〈続編〉  作者: ちくわ。
PR
4/4

おまけ2

前回の続き!

話を追加しました。

やっぱり美琴の様子が変だ・・・。

こんなに真剣な眼差しを送るなんて10年ほど前の美琴には有り得ないことだ。だって高校生のときは、話すときに相手の目なんて見なかったのに。

「先輩、私どうしたらいいんですか・・・?」

そう尋ねる美琴の目にはうっすら涙が。そしてそのまま私に突進してきた。痛っ~い!

「・・・まあまあ、話は聞くから。いったん落ち着こう、ね?」

アタックを食らったときに壁に後頭部を強打した私は、何とか声をかけたが、涙をぬぐうためのハンカチは用意できなかった。



「あの、ひっく。私・・・。」

美琴の相談に乗ってあげているが、さっきから鼻をすすってばかりで話が進まない。いつもだったらいらいらしているところだが、今の美琴は声を掛けただけでも崩れてしまいそうで、なかなかそういうわけにもいかない。

「美琴、一回深呼吸しようか。」

とりあえず気持ちを落ち着かせてもらわないと先に進まない。美琴も私の提案に素直に従って息を吸ったり吐いたりしている。

私が1分くらい過ぎたかなと、腕時計を見ながら思っていると、

「すみません、やっと冷静になれそうです。」

美琴はあの人懐っこい笑顔で私の顔を見てきた。そして口を開く。

「私の6年間のこと、聞いてくれますか?」

私は即座に首を縦に振った。



 6年前、ちょうど私が大学に入りたての頃ですね。同じサークル仲間の彼――今、お付き合いさせてもらっている彼と出会いました。お互い一目惚れですぐに交際はスタートしました。最初はしょっちゅうデートもしたし楽しかったんですが、私たちが大学3年生のときに、彼が外国で民俗学

を学びたいと言ってきて。遠距離になるからと、私は反対したんです。それでも彼の探究心が強くて、引き止めるのも申し訳なくなってきて、私は言ったんです。「いいよ、あなたがしたいことだもん。私に止める権利はないわ。」って。それっきり顔を見てないです。たまにテレビ電話とかメールで連絡を取っていたんですけどね。それがずっと続いていたんです。つい、半年ほど前までは――。

 

美琴はここで話を止める。そのときの彼女の表情は悲しみを表していた。さっき止まったはずの涙もはらりと彼女の頬を伝った。

――なんとなく、この先の話が見えた。

私は空気を読んで黙っている。彼女の心の傷を広げないようにするべく、今は聞き役に徹底することを決めた。

「・・・実は、彼の両親から電話が掛かってきて。珍しいなと思ったんです。そうしたら彼が――。」

ごくりと唾を飲む音がはっきりと分かった。今は恥ずかしいだなんて思っている余裕もない。

うつむきつつあった美琴の顔が、ばっと上がった。



「彼が、“漫画家になりたいと言って聞かないから説得してくれ”と言われたんです。」

えっ。今なんと?漫画家、何それ?

「どういうことなの?」

心の中にしまったはずのことが思わず口に出てしまったようだ。

「そのまんまですよー!どうしたら元の彼に戻ってくれるんですかね?・・・ということで先輩、相談に乗ってください!」

あ、いつもの美琴だ。元に戻ってる。嬉しいんだけど・・・。

「どれだけ心配したと思ってるの!」

と、同時に美琴に抱きつく私。彼女の「先輩、人目を気にしてください!」と慌てている声も無視して話を続ける。

「いつもとは違ってマシンガントークもしないし、泣きついてくるんだもん。心配するわよ!」

「・・・ごめんなさい。」

私の声に圧倒されたのか、美琴の謝罪の声は小さい。

「分かればよろしい!」

そう言いながら私は彼女の頭をなでた。



「久しぶりに会えて楽しかったです。先輩、ありがとうございました!」

他愛のないお喋りの後、とうとう解散の時間が迫っていた。

「またいつでも連絡するのよ。」

私の言葉に笑顔を見せる美琴。しかしその顔は少し寂しそうな顔。

直感だが、美琴からそう感じた私は、バッグの中をがさごそ。あった、あった。

「待って、これプレゼントするの忘れた。」

「はい、これ。」と1冊のノートを渡す。帰りそうになっていた彼女を何とか呼び止めることに成功。ノートを見た彼女は不思議そうに首をかしげる。

「なんですか、これ?」

「未発表の詩集よ。こういうものにもチャレンジしたいなと思っていて。だから、感想をくれない?」

「分かりました、家に帰って早速読んでみます。」

私の言葉に疑いも感じず、渡したノートをバッグに入れている美琴。詩集をプレゼントした理由は3つ。1つ目は彼女に言った通り。2つ目は彼女を心配して。要は手紙代わりのようなものだ。3つ目は――また彼女に会う口実を作るため。

やっぱり私は美琴に甘い。彼女のためならいろいろなことをしてあげたくなる。いつの間にか妹のように感じるようになった。


「そうだ、さっきの答え。彼と一緒に漫画家を目指せば。あんたは絵がひどいからストーリを担当して、彼に絵を描いてもらう、なんていうのはどう?」

「あ、いいですねそれ。」

私のひらめきに美琴は好感触。「今ので提案してみようかな~?」と乗り気だ。

「ありがとうございます、先輩!これで悩みが解消しました。」

「それなら良かったわ。いつでも相談に乗るから言って頂戴。」

ふう。美琴が笑ってくれた。なんだか自分のことのように嬉しく感じるよ。



「じゃあ、先輩!また今度。」

「バイバイ、美琴!」

こうして次にあったときも2人で笑顔でいられますように。



あれから半年後――。

ふと、仕事の帰りに書店に立ち寄った。仕事も軌道に乗り、詩集の発売も成功した。

とりあえず一息吐こうかな。そう思った頃だった。

何年も漫画なんて読んでないなー。とのんきに構え漫画コーナーに向かった。そこには年代ものから新作まで、ありとあらゆるジャンルの漫画が陳列されていた。

今はやっぱり漫画ブームなのね・・・。

漫画の人気ぶりに圧倒するしかなかった。私も年をとったものだ。


ふう、と本棚に手を吐いて溜め息を漏らした。

ちらっと目をそらしたときに1冊の漫画のタイトルが目に飛び込んできた。

『俺と彼女のラブコメディ』

いかにもな少女マンガの中で唯一コメディタッチの作品か・・・、なんかいいかも!

タイトルの魅力に吸い寄せられた私は、上機嫌で表紙を見る。

「!」

なんじゃこりゃ!昔の少女マンガでもこんなに目は大きくないぞ!と思わず口にしてしまいそうで、慌てて口に手を当てる。

なんとその主人公の目の大きさは、その子の顔の面積の約半分を占めていた。

強烈な絵に驚きを隠せない。こんな絵を描くのは一体誰だ!怒り心頭で作者を確認する。

――そこにはMikotoの文字が。


もしかして。嫌な予感がする。

背中に悪寒が走った私は急いで漫画を戻し書店から立ち去った。(終わり)

やっと終わりました~バンザイ!

締まりのない終わり方でしたが、スルーしていただけるとありがたいですw

ちなみに流花ちゃんの作った詩集のひとつを考えていたのですが、公開できなかったので詩のジャンルで投稿しようと思っています。そちらも合わせてお楽しみください!

ここまで読んでくださりありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ