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私と幼馴染 〈続編〉  作者: ちくわ。
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後編

(関係のない話ですが)私は美琴ちゃんのキャラが好きです。

次の日、私は美琴と約束した待ち合わせ場所に30分も前に到着した。さすがに美琴は来ていないようだ。

――一体、美琴は何を話すつもりなんだろう。

6年もの年月が空いた今、どんな顔をして会えばいいのだろう・・・・・・。

そして30分後。美琴は約束の時間通りにやってきた。

「久しぶりです、先輩。」

あの頃と変わらない声、身長、ふんわりとした雰囲気。性格は、明るさを残しつつ、ちょっと大人しくなったかな。

高校時代のまま止まっていた私たちの関係がまた、動き始めた。


さっき、美琴の性格が落ち着いたと言ったの、訂正します。

「・・・それでねー!」

むしろ、今の方がマシンガントークに磨きがかかっている気がする。

「美琴、一体何しに来たのよ。」

まだ続く美琴のくだらない話にストップをかける。

「あ、そうでした。」

やっと聞く耳を持ってくれたらしい。助かった~。

美琴は先ほどまでの喧騒具合はどこへやら。急に大人しくなる。

「あんたが静かになるのも落ち着かないわね。」

正直、騒がしい時の彼女しか見たことがないので、逆に私がソワソワしてしまう。

「先輩が静かにしろって言ったんじゃないですか~。」

まあ、そうなんだけどね。でも大人しいのは美琴の性に合ってない。

私が頭の中でいろいろなことを考えていると、美琴はそれを遮って、

「流花先輩。」

と、真剣な眼差しでこちらを見てくるものだから、つい私の方も緊張してきた。私が緊張を前に出さないように、息をごくりと飲み込んだと同時に、

「結婚おめでとうございます。」

美琴は溢れんばかりの笑顔を振りまいて私たちを祝福してくれた。

――ああ、やっぱり変わってないな。子供のような無邪気な笑顔も、だけど大人っぽい切ない声も。

嬉しさやら、寂しさやら、懐かしさやら、様々な感情が頭の中をめぐる。考えたら考えた分だけ訳が分からなくなる。でも、伝えたい言葉はこれだけ。

「ありがとう!」

自分の出来る限りの笑顔を作って言った。そんな私の頬に温かいものが伝った。


「あ、そういえば。」

美琴は急にバッグをガサゴソし始める。

「これ、プレゼントします。」

と、言って出してきたものは――。

「・・・ごめん、それだけは頂けない。」

高校時代にもこんなことを言ったような気がする。だって見せてきたものは。

「なんで『お化けと怪獣の夏休み』なのよ!」

これはあの時、私に自信満々に見せつけてきた作品だ。(今回はご丁寧に絵本になっている。)まあ、結局読んでいないんだけどね。何なんだ、この題名のセンスの無さは。そんなこと、本人には口が裂けても言えないが。

「本当は結婚式の日にお渡しする予定だったんですけどね。」

あっ、そうなんだ。・・・って、やめてくれ!こんなものを渡されちゃ、私にとって幸せなはずの1日が黒歴史化されてしまう。

「あのね美琴さん、それ、大変ありがたいんだけど・・・。そちらで処理してくれると嬉しい、かな?」

なるべく美琴を傷つけないように言い回しに気をつけて、でもその本の受け取りは拒否する。しかし、私の気遣いは虚しく、

「返品不可です!」

無理やり受け取らされてしまった。ぜ、絶対読んでやらないんだからね!



話も一段落した(・・・のかな?)ところで。

「先輩、もう時間なので帰らないと。」

美琴は腕時計を見ながら言う。釣られて私も時計を見るけど、まだ2時過ぎだ。・・・忙しいのか、美琴も。

(あ、断っておきますけど午後2時です。決して私も美琴もアルコールを引っ掛けていたわけじゃないです。)

「忙しそうね。」

私は軽く聞いたつもりだった。でも、美琴の顔はみるみる曇っていく。

「ええ、まあ・・・。」

言葉を濁されてしまった。聞かれちゃマズイ事だったのかな。しかも、結婚式にも来てなかったから美琴が今何をしているか分からないし、気になっていたのだが。

――まあ、本人が言いたがらないなら無理に聞かなくてもいいか。


「先輩、いや、流花先生!次の作品も楽しみにしてますよ。それじゃあ!」

美琴は最後にまぶしい笑顔を残して帰っていく。というか、知ってたんだ。私が小説家だということ。

「ありがとね、美琴!」

あんなに会っていなかったのにあの時と同じように接してくれたこと、私たちの結婚を祝ってくれたこと、感謝の気持ちでいっぱいだ。

・・・この本は余計だったけどね。

「じゃあね、近いうちにまた顔を見せに来るのよ!」

もう姿が見えなくなった彼女に届くように、人生で一番大きな声を出した。


(おしまい)


私も流花と美琴のような関係の人と出会えたらいいなと思います。

一応、後編の続編がありまする。そちらも合わせて読んでくださると嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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