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神になった商店主  作者: 雪蓮花
聖獣
12/31

世界の変化

雪ちゃんがうちに引っ越してきて、結婚式の日取りとかいろいろ決めて、ばたばたしているうちに半年が過ぎた。そういえば、彼女ってちゃんと離婚してたっけか?ちょっと気になったけど、それは実家に戻ってすぐに離婚届を提出してたそうだ。

あれから、聖獣化の事件がどんどん増えていって世界中で問題になっている。確かに我を忘れるような凶暴な聖獣も多いけど、自然と力のコントロールを得たのか、山奥に隠れ住んだり、人とコミュニケーションして徒党を組むようなのも現れた。大きく変わったのは、新たに発生するがん患者が皆無となったことだ。すでに癌が発症していた人は助からなかったが。聖獣は何事もなければ不老不死と同じだから、捕獲されて研究材料にされているという話もある。その強靭さから兵器としての利用も考えられているのだとか。国でも聖獣を捕らえて管理する法案を作る作らないでかなり揉めている。でも、まぁ田舎ではたまに聖獣があらわれるとか、山に潜んでいるとか、その程度で済んでいる。まぁ、子供の聖獣を見かけたときには、さすがにかわいそうなので話しかけて家に連れてきて、雪ちゃんにやったように力のコントロールを教えて人化させるのに成功してから、よくよく口止めして帰してあげた。実際には家に帰るといって、山に向かって同じ境遇の子供たちに力のコントロールを教えて、聖獣化の力も使いながら徒党組んで暮らしているらしい。

微妙に世界が変わりつつある気配が広がってきてるのかなー。

世界の変化で大きな問題となって表れた最初の神の力は聖獣化だった。

でも、世界の地下、隠れて見えない部分では残り二つの力も確実に浸透し始めていた。

次に、体現してきたのは魔法の力。正しくは賢者の力の神の力のほう。まだ神の記憶は見つけられないでいる。というか神の記憶はどうやら神に目覚めても俺以外にはなかなか発現しないのかな?神の記憶をたどると、この力のすべてに触れられる神の数は制限があるらしい。おそらく強力な神の力で改竄されないよう、触れられる神の数に限りがあるのかもしれない。そして、この力は無詠唱と大きくかかわってくるものなのかもしれない。

さて、雪ちゃんと同棲を始めて、まぁ、そりゃねもう繋がってるわけだけど、

そうなるともちろん残りの不老不死と賢者の力の神の力も伝わって雪ちゃんも神ということになるんだけど、やっぱり神の記憶までは完全には使えないらしい。

まぁ、普通の生活していれば神の力なんて使うことはないから気にならないんだけどね。

魔法の無詠唱か詠唱かのことだけど、大きくて複雑な組み合わせの魔法は僕以外は今のところ絶対的に詠唱が必要らしい。雪ちゃんといろいろ実験したけど、前に作った水ブラシぐらいは、単語2つぐらいがやはり適当。ただそれ以上の魔法になると、おそらくイメージが複雑になりすぎて脳が処理しきれなくなるのか全く起動すらできない場合も多いようだ。俺は無詠唱で何でもできるんだけど。

聖獣化ほどではないけど、魔法の力に寄ったものだと思われる事件や事故は多発している。ただ、世界の富豪や巨大企業の経営陣の多くがこの19年間で入れ替わった。俺にはわかるけど魔法の行使があったのだ。

政府機関もたぶん感づいているだろうな。でも、富豪や巨大企業の経営陣たちも魔法つかえるなら感づいて対策しているだろうし。

聖獣と同じで捕らえられている魔法の使える人も多いかもなー。

実は魔法を遮断する素材も地球の制限解除、封印が解かれると同時に生まれた。

これも、なんとも表現の難しい素材なんだけど、漫画やアニメの言葉を借りるなら魔法の触媒ともなるオリハルコンと魔法を遮断するアダマンタイトだろうか。魔法に精通した経営陣のいる大企業はさっそくこの二つの素材で魔法のトランジスタともいえる魔素半導体というものを作ったらしい。魔力の増幅、転送、魔力を使った計算やシュミレーション、もはや未来予測や過去視につながる技術だろう。何より巨大な詠唱や魔法陣が必要な大魔法の発動用のデバイスなんていう、ほんとラノベとか漫画、アニメにあったような技術が開発されるのも間近だろうな。

世界は確実に変化してる。まだ原型をとどめているけど、いつまでもつかな。

僕に神の力を授けた人たち、そして神の記憶の探索によると、人が殺しあう混沌の時代になってしまいループし始めるとほぼ失敗、人の神化は死産という扱いになる。だけど、多少の揺らぎは起こりえることだから、自分が何かできなかったからと気に病む必要もないとのこと。手の届く範囲、手助けを求めるものの範囲でできることを少しずつやればいずれ高みに導けるとのこと。特別なことはやらなくていいらしいけど、それなら何のためにこの力を?という思いもある。

そんなことを考えながらも、今は、早朝の市場の競り場で魔法未来予知で明後日から値上がりが始まる玉ねぎを仕入れているところだ。

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