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集結

 「さーて!あっしらはそろそろ撤収してホテル行くぞー!!」

  

 やーれやれ、やっとこせホテルに向かえる・・・まぁ、正直RODの愉快な仲間たちのお陰で楽しくはあったけど・・・なんか霧島がチラつくから落ち着かなかった。


 因みに白虎君はRODのみんなと後一緒に行くらしい。んで、


 「まさか、ホテルも被らないよね・・・」


 「俺は親父の実家に行くだけだ。被るわけねーだろ」


 ほっ、良かった。


 「三日月ー!また今度なー!!あれ?兄ちゃん何か言わないのー?」


 霧矢君よ、そんな必要ないのよー。


 「あ?なんで俺がこいつに何か言わなきゃならねーんだ」


 「だって、2学期また会うんならまた会う約束しなきゃダメだと思うよー?後さ、この前リリアちゃんと一緒に読んでた本に書いてあったけど、女の子の水着はファッションチェックしてあげなきゃダメなんだってさ。兄ちゃん何も言ってないからせめてそれくらいは伝えてあげなよー」


 「なっ!!おまぇ、どんな本読んだんだよ・・・」


 マジそれな・・・


 「な、何?」


 なんか、霧島にじっと睨まれた。


 「いや、似合ってはいると思うが・・・髪型は、変えたほうが良い。じゃぁな」


 「・・・・・・・・・・」フレーメン反応。


 「おーい、バカ姉〜。だーめだこりゃ完全に停止してやがる。時止めて頭に100発ゲンコツぶちこむか」


 ぽかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかか。


 「本当に叩くやつがあるかぁ!!」


 「よっし、戻って来たな。俺からも言っておくけどよ、師匠の言う通りその水着、似合ってっけどその髪型変えた方が良いぜ」


 「そ、そんなに変かなぁこの髪型。気に入ってるのに・・・」


 「変つーか、拗らせてる感が凄い。方目隠しって別にその右目に写◯眼的な能力あるわけじゃねーだろうが。1学期始まる前にやってた髪型の方が良いだろ絶対に」

 

 ぐっさ!!!!こ、拗らせと言われればそうなんだけど・・・


 くそぅ、分かりましたよ。明日はネーちゃんにやってもらったヘアスタイルで行きますよぅ。一応やり方は教えて貰ったし。


 ってな訳で、ホテルに向けてレッツゴー。でもそのホテル、ここから30分くらいはかかるんだとさ。


 「おー、ここら辺この時期でもみかん売ってるんだなぁ」


 「ハウス栽培かねぇ」

 

 みかんね、冬場にこたつに入ってぬくぬくと食べるのが好きだが、この時期は疲れた身体に冷凍みかんの酸味が欲しくなるなぁ。特に部活後は身体がビタミンくれと毎日叫んでる。なんでみかんって夏が旬じゃないんだろ。


 にしても、なげー海岸だなぁ。


 「ウミガメいるんだって〜」

 「あ、あそこ寄りたい」

 「なぁ、那智の滝は行かねーのか?もしくは神社行きてぇ」

 「滝は明日行くつもりだぜ三日月〜、今日はとりあえずここに行こうか。にしても相変わらず渋いなぁお前」

 「なんか好きだもん神社」


 なんで我が弟は私と違って渋いのが好きなんだか。今ので気になったのは水族館の方だぞ。ウミガメ可愛いなぁ〜。


 

 

 「さぁて!着いたぞー!!ここが今夜の我が城だぁ!!この船に乗って行くんだ凄いだろ!!」


 「ふ、船!?」


 ここここここれは、船でしか上陸出来ない孤島。そこで起きる殺人事件。そして「電波は通じず警察の応援も呼べない状況で第二の殺人が!!あぁ!!」


 「バカ姉声に出てる。つかなんだそりゃ、アニメ見過ぎも良い加減にしとけよー。で、父ちゃんよ、部屋はどんなんだ?」


 「ははは!この俺が当てた景品は豪華でなぁ!!2人はあの山頂にあるんだ!!」


 あ?


 「・・・ねぇお父さん。今2人つったよね?後2人どうすんの?」


 「・・・山上館、4人に纏めようとしたら結構高くなったから、2人本館で別に予約したら安かったんです。なので2人バラバラですはい」


 家族旅行でよくこんなケチやれるなぁこの父は・・・父はタラタラと冷や汗を流した。やーれやれ・・・


 「はぁ・・・父ちゃんと母ちゃんは上行けよ。俺らは下で良いよな?」


 「うん、私はどっちでも良いし景品当てたのお父さんならそれで良いんじゃない?後、ああ言ういかにも高そうなのは私嫌いだし、肩が凝る」


 「おー!!なんて素晴らしい我が子なんだぁ!!親想いの良い子だぁ!!けど、あっしはそんな我が子にこそ上からの景色を楽しんで貰いたい!!ってなわけで!!上はお前たちに任せる!!後!!あっしらは歳だからあのクソ長エスカレータもキツい!!」


 あぁ、理由の9割後者だ。館内の地図見せて貰ったけどバカ広い。この父親、無駄に沢山ある温泉の湯めぐりする気満々だな。そこの移動を多くしたくないってとこか。全くこれだから運動しない年寄りどもは・・・


 「今まで運動しなかったバカ姉が言える台詞じゃねぇな」


 心読むな。


 「ま、部屋までは一緒についていくからよ。そっからは自由!なんかレトロな雰囲気のゲーセンも行きたいしー、湯巡りしたいしー、あっしはどっから行こうかなぁ〜」


 そこらへんやりたがるのは子どもの方だろ。特に前者、ゲーセンは下にあるんだろ?


 「因みに夜はバイキングだ。兄弟水入らず楽しんでこーい!」


 さてと、チェックインを済ませてと・・・このクソ長いエスカレーター登ったら・・・・


 「あ?」

 「い?」

 「う?」

 「え?」

 「お?」


 うーん、今の疑問系母音を言った順番を書こう。


 『あ』は霧島、『い』は私、『う』は父、『え』は軽音母、『お』はシャルロットだ。


 「どう言う事だぁぁぁっ!?」


 周りの迷惑とか関係ない、これはちょっと叫んじゃった。いくらなんでも同じ日に同じホテルで顔見知りがここまで一緒になるなんて聞いた事ないぞ!!


 「静かにしたまえ、君も中学2年だろう?いくら異常な事が起きようとも冷静になりなさい、輝夜 ミツキ君」


 霧島の横、あの髭おじさんは・・・


 「げ、教頭・・・」


 「あからさまに嫌な顔したね君・・・そんなに嫌われていたのかな?」


 嫌いも何も、こんなとこで教師に会いたくないって。しかも嫌な奴の親だぞ、そりゃこんな顔にもなりますよ。それに、この間一悶着あったおばさんもいるし・・・


 「おー!!これは!これは!!懐かしい面々勢揃いじゃぁないかぁ!!こうして3人顔合わせるのは何年ぶりだろうなぁ!!なぁ!響煌!連也(れんや)!!」


 え、教頭も知り合い!?


 「あら、ほんと久しぶりね。奥さんの方も相変わらずじゃないのよ」


 「えぇ、あなたは何故ここに?」


 「仕事よ」


 母が軽音母をなんか睨んでる・・・いや、互いに睨んでるな。まさかこっちにも面識あんの?


 「新月、君は相変わらずやってるのか?例の組織・・・えっと」


 「おいおい忘れんなよ。『国境なきお掃除屋さん』!!一緒に作ったんだから忘れられると寂しーぜ!?」


 「ネーミングだっさ」


 「ぇえ!?ダサい!?」


 三日月のナイスツッコミ。そんな変な名前で活動してたのかこのおっさん。


 「うんダサい」

 

 「確かに、もう少し捻りが欲しいな。特に屋さんのさんは要らねーな」

  

 「変な名前ー」


 霧島兄弟にも相槌打って貰った。


 「うんうん、そう言う活動の名前なら、この世界のネーミングに合わせて・・・ワールドクリーンプロジェクト、略してWCPとか良いんじゃないかな?」


 シャルロットの言う通り、そっちの方がグローバルに聞こえるし響きも良い。


 「おー、君ネーミングセンスたっかいなぁ。けどね、あっしはこの名前に誇り持ってんだ。世界各国を巡って街の掃除をする、みんなに頼りにされて親しみ込めてもらう為にこの名前なんだよ。だから今更変えないよ」


 「なーるほど、名前に思いがこもってるなら私は何も言わないわ」


 一応仕事に熱意はあんのね。そりゃなきゃあんなに家を留守にはしないか。


 「にしても、ここで再会したのも何かの縁だ。どうだ?ここは一つ、またみんなで清掃活動でもしようぜ!」


 「ないな」

 「ないわね」


 即答。全く私の父は・・・過去に何があったか知らないけど地雷過ぎるだろ今の発言はよ。


 「くう、残念!」


 「残念もなにも、あなたがちゃんとしてなかったのが全ての原因なのよ?確かにあなたのしようとした活動は素晴らしくも美しいもの。世界各地の恵まれない地域での清掃活動や炊き出し、そして地元の人たちと協力して町の道路やインフラの整備、町自体を成長させる試みは確かに美しい・・・けど、あなたのそれは机上の空論でしかないわ。


 あの世界は私たちの思う以上に醜く残酷、あんな人種どもに支援する価値は無い。あなたもそれは痛感してる事でしょうに・・・けどそうね、あなたがその女と別れるって言うのなら話は聞いてあげなくもないわ。そして今度は私たちがあなたを迎え入れてあげる。本当に美しい組織AWRO(アウロ)にあなたの席を用意してあげるわ。かつての()()として、私からのアドバイス、あなたにその黒いのは身分不相応なのよ」


 「おいちょっと言い過ぎだぞ響煌よぉ!」


 うん、流石に国際問題レベルの発言は私もどうかと思う。にしてもアウロか・・・変なとこで繋がったな、元々教頭と軽音母は父の組織にいたけど、アイツらが引き抜いていたって事か。どうりでクラークとかが出てくる訳だ。指宿 永零・・・どれだけ先読みしてるんだ・・・


 「そう言うわけだ新月。確かに言い過ぎではあるが、私も響煌の意見には賛成でね、教師として、そしてかつての友として言わせて貰うが、世界から差別やイジメを無くすにはお前の活動は無意味過ぎるのだよ」


 「・・・あっしはそれでも、あっしなりのやり方で世界を繋げたいんだよ」


 っ・・・父が、珍しくすごく真面目な顔で2人を睨んでる。


 「なら勝負しようじゃない新月、心配しなくてもいいわ、危険で美しくない事なんかしない。後で家族全員でプールにいらしてくれるかしら?そこでちょっとしたゲームをしようじゃない。そこであなたが私に勝てるのなら、あなたの事を認めてあげてもいいわ」


 「えー、あっしは湯巡りに・・・」


 この馬鹿!!そんなんだからダメダメなんだよ父!!


 「お父さん・・・原因はあんたなんだからわがまま言うな」


 私たちまで巻き込まれてんだぞ、勝手な真似したら私が許さん。


 「ひっ!?み、ミツキお前怖くなったなぁ〜。わっかりましたよぉ〜」


 「ほほほ、これは修羅場の予感!私も後で行こーっと」


 シャルロット、君性格悪いって言われた事ない?

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