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夏休み突入、目指すは熊野

 チーン・・・私は今死んでいる。


 夏休み、凄まじく心地いいこの響き。私も好きだ、この響きが大好きだ。家に引きこもってエアコンガンガンに効かせてアニメ放題最高だ。


 けど、


 「ミツキ、部活は基本的に平日の午前中。朝6時30分から12時までよ」


 夏休みの半分、部活に消えました。


 「輝夜さんは数学と社会が赤点ですわ。夏休み補習授業を受けるようにとの事、良いですわね。因みに数学は新庄さんと被ってますわね」

 「え、俺?」


 更に4分の1、補習に消えました・・・何気に新庄お前もかい。


 「ミッちゃーん!!補習終わったら一緒に宿題やろーネ!!ワタシさっさと片付けちゃいたいノヨ!!」


 夏休みの宿題で更に消えた・・・あぁ、毎度毎度小学生の頃から続くギリギリまでやらなかった私はいなくなったのか。嬉しいのやら嬉しくないのやら・・・


 「ミツキちゃん、三上君が今後の方針をちょっと伝えたいってさ」


 これは真面目な話だけど、そもそも永零とかいう奴がこの町に侵攻しようとしてる。


 全部仕方ないし、自業自得なとこあるけど・・・




 「私の時間が!!ない!!」




 エアコンガンガンアニメタイムなんて以ての外の夏休みなんて初めてだ!しかも自由研究と読書感想文もあるんだよ!?ってか!何しよう!!そうだ!!自由研究をアニメ研究に!読書感想文にノベライズ作品を書けばいける!!


 そんな訳で、夏休みスタート。まずは!!


 補習からです・・・


 ・


 ・


 ・


 終わった・・・一瞬すぎだろ夏休み。既に8月中旬入るぞ。補習に部活、部活に至っては地元のサバイバルゲームスペース使って大人組と練習試合を週一、めちゃくちゃ本格的にやってる。大人どもつおい。


 宿題もネーちゃんと軽音がわざわざ家にやって来て無理矢理やらされた。お陰で終わり見えてきたけどさ・・・夏休みってこんな大変だっけ?けど、


 お盆は流石に全力で休めそうだ!!


 「私じいちゃん家に帰省するから部活は1週間後な」


 東郷は帰省。


 「私も親の仕事で色々あるからしばらく留守にするわ。ミツキちゃん!変な男にたぶらかされないでね!?」


 軽音は家の用事。


 「ワタシもお盆は1人旅の予定アルネ。ミッちゃんも連れて行きたいけド、まーハードなスケジュール組んじゃったもんダカラネ。色々お土産買って来るヨー!」


 ネーちゃんは1人旅か、凄いなおい。


 何はともあれ・・・





 「1人の時間だー!!!!!!!わーい!!!!!アニメ見るぞーい!!!!」




 私は自室で喜びの舞を踊った。


 「おっ!!これはこれはアラン・シックス大佐〜!!相変わらずご機嫌麗しゅう〜!!!なら、一緒にアニメ見ましょうぞー!!」

 「バカ姉準備しろ、旅行行くぞ」


 


 「・・・・・・忘れてたぁっ!!!」




 私にも予定があったの忘れてた!!海行くつってたわ!!全く!!休み前の水泳で新庄が私に突っ込む珍事件があったってのに!!また水着持って行くのか!


 「ったく・・・」


 「あー、行きたくねー・・・三日月〜、せめて大佐連れてっちゃダメ?」


 「あ!?その人形持ってく気か!?アホか置いていけ!!」

  

 「いやでも大佐も行きたがってるし・・・」


 私はケースのフィギュアを眺めた。


 「うっわ!!キッショ!!!お前そこまで拗らせてたのかよ!!分かった!分かったから!!勝手に持っていけ!!けど!くれぐれも俺たちの前でソレ外に出すなよ!?じゃな!!」


 バタムッッ!!


 三日月はすんごい勢いで部屋から出た。


 「そんなにドン引きしなくても・・・昨今じゃぬい活ってあるのにさ。ねぇ大佐」


 まぁいいや準備しよ。ケースを移し替えて・・・って、あれ?大佐こんな方向向いてたっけ?まいっか。


 私はそそくさと準備を始めた。


 「おーっ!!やっと来たかミツキー!!いざ出発だー!!」


 ・


 ・


 ・


 さてさて、ところで熊野とは一体何処かね?

 

 「三日月、先ず何処行くの?」


 「東京駅、そっから新幹線で名古屋」


 「あ、この間京都行った時途中で止まった駅だ。熊野ってそこなの?」


 「アホか、そこで乗り換えだ。大体そっから3時間ちょっと。合計6時間超えのめちゃくちゃな長距離だ」


 どひー!ケツが4つに割れる!!その前に、こんな短期間で新幹線3回目だぞ。少し自慢できるんじゃないか?


 「にしても、すんごい人!!」


 東京駅は人が凄かった。


 「帰省ラッシュってやつだ!けど安心しろー!指定席だ!ま!指定席ミスって横並び一列になっちまったけど!!」


 「あなた!新幹線はDとEで取りなさいって言ったじゃない!」


 「すまーん!けどほら!一期一会的な!?」


 5号車7番のABCD・・・Eの人ごめんなさい。


 「はぁ・・・ねぇ三日月、この新幹線にはあのバカでかい座席無いの?」


 「あ?グリーン車の事か?」


 「いや、なんかファーストクラスみたいな」


 「ありゃ反対方向の新幹線しかしねーぞ?てか、今日はグリーンも全部満席だろうぜ」


 「うへ〜・・・」


 私たちは人がごった返すホームを抜けて新幹線に乗り込んだ。


 「なんか既に疲れた・・・えっと座席は」


 「俺海側〜」

 「あっし真ん中」

 「私トイレ近いからCにして」

  

 あれ、私が隣に誰か来るか分からない所ですか?コミュ障の私にそこに座れと?


 「三日月、座席変わってくれない?」


 「えー、富士山見飽きたからたまにはこっちが良いんだけど?」


 「あんた、新幹線そんな乗った事無いでしょうが・・・」


 「むしろバカ姉はそこ座れ。んで多少はコミュ力磨け。隣とか後ろに失礼しますくらいは言えるだろうが」


 言えるけど・・・それまでに私のMP的な何かがすっからかんになるのよ。呼吸荒くなるし、声が上ずるかもしれないし、そのプレッシャー押しのけて話しかけるのはまー大変なのよ。


 あぁ、隣に馬鹿でかいお相撲さんでも乗ってきたらどうしよう。名古屋までぎゅうぎゅう詰めか?てか、新幹線到着してんのなら先に座ってなよEの人〜、奥なんだからさ〜。


 仕方ないから私はD席に座った。もう発車ギリか、なんなら隣来ないかな?


 「三日月、ワンチャン隣来ないんじゃない?」


 「アホ、品川か新横浜で絶対埋まる」


 「さいですか・・・」


 そういや途中駅凄い近くに2箇所あったな。全部飛ばせば良いのに・・・って、


 「すんませーん、そこあたしの席で」


 「あ、はいすみません・・・」


 少しは楽出来るか?と思ったら来ちゃったよ。けどまぁいいか。けど、なんだほこの子。髪が水色・・・で、真っ黒なドレス?歳は私と同じくらいなんだけど・・・てか1人?あ、目がオッドアイだすげー。


 「ごめんねー、自販機でアイス買おうと思ったらギリギリになっちゃったよ。けどこのアイス美味しいよねー!」


 す、凄く明るい子!!初対面でそこまで話しかけてくる人そんないるぅ!?


 「う、うん」


 「ねー、お姉ちゃん1人?」


 「いや、家族・・・」


 「あ、そうなんだー。旅行?何処行くのー?」

  

 「えっと、熊野ってとこ・・・」


 「わーっ!あたしも熊野なんだー!おそろいじゃん!」


 行き先被ったぁ!?すんごい確率だな!


 「熊野はいいよぉ〜、空気綺麗だし海も綺麗。あたしの地元なんだ〜。けどあたしその前に伊勢神宮行かなきゃ行けないんだよねー」


 聞いた事ある有名な神社だ、そこに何の用なんだろ。


 「あ、じゃぁ名古屋で別れるの?」


 「そうなっちゃうね。夕方には熊野着くけど、そん時にまた会えたら良いなぁ〜」


 いや無理だろ・・・


 「お?なんだぁ?ミツキまさかのこんなとこで友達作りかぁ?感心感心!!」


 違うけど・・・妙に親近感はあるかこの子、どっかで見たか?気のせいか・・・


 「やほー、名古屋までヨロシクー。あ、良かったらアイス一口いるー?」

 

 「え、いや・・・」


 一口貰っちゃった・・・濃厚バニラです。


 (・・・よろしくね、ミツキちゃん)


 っ!?なんだ?今誰か私を・・・


 「濃厚でおいしーよねー!」


 この子じゃないな、気のせいか?

  

 あ、私思った。この間のファーストクラス的な座席でも思ったけど、外見なきゃこの異常速度怖くないわ。慣れたのもあるか?


 



 「お?それ可愛いお人形さんだねー」 


 しばらくしたら女の子は私のリュックを見つめて呟いた。


 「え?わっ!!なんで!?」


 私が何がなんでも離さずに膝で抱えていたリュック。その中にフィギュアを入れてたんだけど、ちょっとデカくて・・・それのせいか、ちょっとはみ出て来てた。私は急いで仕舞った。


 「そんな恥ずかしがる事ないよ。人の趣味なんてそれぞれなんだし、それにその子も外見たかったんじゃない?」


 「そ、そう?」

 

 人の趣味分かってくれる子だ〜、私はちょっと嬉しかった。


 「そうだよー、人形だって生きてるんだよ?みんなが気がついてないだけでさ。強い思いを込めて接すればどんな物にも心は宿るもの。それが例えプラスチックの塊だとしてもね。動物と違って体を動かす器官が無いから動かないだけで、ちゃんとその子は景色を見てるしあなたを見てる。あたしんとこの日本人形なんて髪は伸びるし夜中ガタガタ動くし大変なのよ。この間なんて首が180℃回ってたし」


 凄く良い事言ってくれたけど最後のホラーはなんぞや!?それは寧ろ心のこもった物じゃなくて只の呪物でしょ!!


 「えっと、じゃぁちょっと出しとこ」


 私はチャックを緩めてちょこっと外に出した。


 「俺は他人のふりするからな?」


 三日月はドン引きした顔で窓の外に目をやった。


 「恥ずかしがり屋の弟君だねー。あ、富士山今日は綺麗に見えるな〜」


 「あ、ほんとだ・・・けど雪が無い」


 私はチラッと窓を覗きこんだ。


 「そりゃ夏だもんねー、登山客もいっぱいいるのかなあそこに」


 「さぁ」


 そんなこんなでちょくちょくこの子と会話してたら新幹線が名古屋に到着するのはすぐだった。


 



 「名古屋だぎゃ〜。じゃ、あたしは伊勢方面やからバイバイしよまぃ」


 「うん」


 何故急に名古屋弁?


 「あ、ちょっと君ごめん!一つ聞きたい事が!」


 「おん?」


 なんだ?父が呼び止めた。


 「熊野方面に行ける列車の来る12番線って・・・何処?」


 そこ?


 「そこなら新幹線乗り換え口から簡単に行けるよー。ほらあそこ」


 あれか、電光掲示板ってよく分からないなぁ。


 で、名古屋駅12番線ホーム。なんか出汁の良い匂いがする・・・腹減った、きしめんだってさ。


 まぁ、そんなもの食べる暇なく乗り換え開始。さっきまでのクソ長新幹線から大分こじんまりとしたな。ま、どうでも良いし暑いからさっさと乗ろうっと。


 涼しい・・・新幹線の中人多すぎてちょっと暑かったんだよね。


 「ミツキ、こっちはちゃんとみんなCD席で押さえたぜ!」


 良かった。また隣にビクビクするかと思った。


 電車はゆっくりと発車した、なんかガーガー言うなぁ。この電車エンジンでも積んでるのかね?


 ま、外でも眺めてよ・・・ぐぅ〜・・・


 寝た。


 ・


 ・


 ・


 「マスター!!起きるんだマスター!!」


 「ほへっ!?」


 な、なんだぁ?急に・・・って、目の前にいるのは・・・


 「た、大佐ぁ!?」


 等身大の私のフィギュアだ。普通に動いてる・・・あぁ、夢か。


 「お目覚めか。敵は海からこの陸地へ向けて侵攻を続けている。仲間たちも応戦しているが、中々手こずっているようだ。マスター俺を使え!そして指示をくれ!!敵を殲滅してやろう!」


 敵って・・・いきなり雑なストーリーぶっ込まれても・・・海だって?


 あ、あぁ・・・見るからにヤバそうなのがいる。身長5メートルくらいの変な全身鎧みたいな奴だ。右腕と剣が一体化してる。気色悪いなぁ、最近グロ系のアニメは見てないのに。


 「まぁいいや。夢なら楽しもっと・・・大佐に命ずる!!あの不敬な輩をぶちのめすのだぁ!!ふはははははっ!!」


 「御意マスター!!うぉらぁぁぁっ!!!」


 ・


 ・


 ・


 「起きんかっ!!」

  

 ポカンッ!!


 「あいたっ!!!」


 三日月に頭叩かれた・・・キョロキョロ・・・うむ。


 「あー、やっぱり夢か」


 「バカ姉急に寝言で笑い出すからビビったわ。キモかった〜どういう夢みてたんだか」


 「あ・・・サーセン。最近色々あってごちゃごちゃした夢見てた」


 「ふーん。つか外見てみろよ。海見えてきたぜ」


 「ほー、ど田舎〜」


 トンネル抜けたら小さな港町が見えてきた。


 「確かにな、けど俺は好きだぜ。ある程度歳食ったらこういう田舎で農家やりながら暮らすのが俺の夢なんだよなぁ」


 「三日月あんた・・・渋すぎるって、もうちょい夢見なよ。つかあんたの夢ってあんの?」


 「ふっ・・・秘密ー」


 うわ〜・・・

 

 「おっ!!到着だな!!一旦の目的地、熊野市駅だ!!」


 んぐぐぅぅっ!!!やーっと着いたかぁ〜、腰疲れた〜。私はぐいーっと背筋を伸ばした。


 「よーし!レンタカー借りたから海行くぞー!!大型バン用意したから着替えするならここな!」


 海かぁ・・・大泊海水浴場だって。


 



 「あ、そんな人いないや」


 「良いだろー、穴場スポット下調べしておいたんだぜ!」


 人がまばらな海水浴場だ。


 「はぁ・・・まー仕方ない、一応着替えるか」


 「俺既に着替えてっから、先にちょいと泳いでくるわ」

 

 三日月、そういえば家出る時点で水着下に着てたのか。そういうとこは子どもだなぁ、てな訳で、はーい私の着替え完了でーす。


 チャパチャパ


 うん、これより先に行く気は起きない。確かに綺麗な海だけど・・・波の音聞いてるだけで良いや。ここら辺の波打ち際に座ってよ。あ、綺麗な貝はっけん。これあれかな?ぶぉーって笛みたいに出来るのかな?


 「あ、おい!何処飛ばしてんだ!」


 「ごめーんにーちゃーん!!あ!」


 「あっ!おいそこのちょっと避」

 「ほへ?んごぉっ!!」


 ビーチボールか、見事に私にクリーンヒットした・・・


 「悪い、大丈夫だったか?」

 

 「あ、はい。だいじょ・・・・・」


 なんじゃこりゃ、どうなってんじゃこりゃ・・・この章始まってフラグなんて立ってないよな?


 「み、ミツキ?」

 「き、霧島君?」


 ・・・・・・ふぅ、一言叫ぼう。


 





 お前何してんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?

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