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エルメス 次なる一手

 ラヴドゥール島 沖合10キロメートル程の上空


 《上がれ上がれ上がれ上がれ!!!》

 《ダメだ!! 通信もっ!!間に合わねぇっ!!》

 《くそっ!!!なんなんだ!!こりゃっ!!!》


 真っ赤な海、真っ赤な空。まるで血みたいに不吉な空気・・・その中、無数の断末魔が私の無線に入って来る。


 エルメス

  「エアクイーン1!!機銃掃射!!!」


 私の眼前には薄気味悪いアバドンの騎士ってのが無数にいる。そいつらがこの断末魔たちを産んでいる。私は急降下し、燃え盛る戦艦たちを潜り抜けそいつに向かって機銃をぶっ放した。


 「ぐぎぎ・・がが・ご・」


 私は騎士を蜂の巣にしてかろうじて下の人たちを助けた。あの騎士どもには一応はこの機銃は効いてる・・・けど、何百発と撃ち込んでようやく倒せるくらいだ・・・機銃の残弾数は残り二百ちょっと、ミサイルも新・炸裂弾頭弾も使い切ってる・・・残るは魔導兵装だけど流石にこんな時に使ってもただの自殺にしかならない・・・


 くそ、敵とは言え助けを求めて叫んでるのはただの人間だ・・・それを見過ごさないといけないだなんて・・・歯痒い・・・


 エルメス

  「アレックス!!こっちはもう限界!!緊急脱出の座標に行くから転送の準備を!」


 私はお父様に連絡を取った。


 アレックス

  『いや!ダメだ!!オーシャナ海域にも奴らが現れてる!!空母の被害は轟沈寸前だ!』


 エルメス

  「えっ!?うそ!そんな馬鹿な!!」


 お父様から来た通信は信じ難いものだった。空母が・・・堕ちた?って事は、他のみんなは・・・


 アレックス

  「乗組員たちは最終避難区域のあの部屋にまで後退した!とは言え、ここも危ないけどね・・・それよりもだ!エルメス!よく聞いてくれ!どうやらそこの敵艦隊にも同様に緊急脱出路があるらしい!こちら側の世界の秘密の軍事施設だそうだ!名はエリア51!!エアクイーン隊は彼らと共にそこに向かってくれ!」


 キャンディ

  「・・・ちょいちょいちょい!?アレックス!イカれてんのかっ!?」


 お父様のあり得ない通信にキャンディがツッコミを入れた。


 ウジ虫

  「さっきまで殺しに向かって来た奴らと?むりむりむり!!堕とされるって!!」


 ダック

  「どうかーん♡、流石に無理じゃろがぃ」


 ティー

  「・・・陛下、何かお考えでも?」


 ティーだけはお父様の意志を汲み取った。裏社会の者としての付き合いは私より長い、ここは任せよう。


 アレックス

  「これはミツキ君の発案なんだがニード トゥ ノウ、私も詳しくは聞かされていない。そもそもサクラ君の能力は誰が何処にいようとその思考を読むものだった。兎に角言えるのは、信じて彼らと共に帰投する事だ。出来る限り救助してね・・・頼めるかい?」


 サクラ・・・


 エルメス

  「・・・ウィルコ!!シィズ!!」


 シィズ

  「もうやってるわ!全機回線は私に合わせて!!さてっと!!ソリッド隊!聞こえたわね!?今は敵とか関係ないからさ!出来るだけ多く生き残る事だけを考えて!!」


 シィズはソリッド隊とか言う人たちに向けて通信を送った。


 《聞こえました教官!通信一部回復!全機彼女にチャンネルを合わせろ!!!》


 ん?あ、この空間じゃアイツら通信が出来ないんだ・・・なんつー杜撰な装備で来てんのよ。こうなるのは予測できなかったの?


 って、そんな事考えてる暇は無いわね。


 エルメス

  「全機聞こえる!?私はあんたらの元敵!エアクイーン隊一番機のエルメスだ!現状は見ての通り!サクラって馬鹿がとんでもない事をしてくれた!!私たちの艦隊は避難したが!その先でも甚大な被害が出ている!!だからここは互いに協力して欲しい!君らの基地に我々も連れて行って欲しい!」


 頼む・・・この期に及んで尚とかやめて・・・


 《了解だ!!!こちらスカルフェイス2!三上 礼及び指宿 永零の抹殺任務を受けた者だ!先ほど海上で君らのマスコットの子に救助された!我々の最終防衛基地の座標を送る!君らの転移システムに反映してくれ!》


 応えたのはスカルフェイス2と名乗った男、ミカミを殺そうと飛んできた奴か・・・なんて言うか、因果だな。


 エルメス

  「ありがとうスカルフェイス2!お父様!!」


 アレックス

  「今座標が来た!そのままの高度を維持して飛行してくれ!すぐ計算する!!」


 エルメス

  「っ!!?」


 私は咄嗟に操縦桿を全力で引いていた。


 キャンディ

  「うぉあっ!?」

 ウジ虫

  「ひいっ!?」

 ダック

  「なんじゃ!?」

 ティー

  「くっ!!!」


 全員私と同じだった。このタイミングで騎士たちの動きがおかしくなった・・・さっきまで海上の艦隊たち相手に襲いかかっていたから、高度を維持してればこっちに攻撃が来る事は無かった・・・けど今の通信の直後、急に騎士たちは顔を見上げて、突然私たちの上まで飛び上がって襲いかかってきた。


 エルメス

  「散開!!!」


 一気に体勢が崩された。全機散り散りになってしまう。アイツ・・・私たちをここから生かして帰すつもりはないって事?


 私は機銃のトリガーを引いた。一体の騎士がまた蜂の巣になって堕ちていく。残弾数は七十八発・・・やれるのはせいぜい残り一体・・・


 アレックス

  「どうしたエルメス!!何があった!?」


 私たちの動きの乱れを見てお父様が血相変えた声で通信を寄越した。


 エルメス

  「・・・あんのサクラのバカ!!どんだけ私の事嫌いなのよっっ!!!お父様!!騎士たちの動きが変わったの!ジャンプで私たちの上を!あいつら!対空にも対応してくる!!」


 アレックス

  「くっ!!!やはり地上だけの騎士ではないか!それに、以前報告にあった遠距離砲のようなものを使って来ない・・・仕方ないっ!!エルメス!!オペレーションニュークリアを発動する!!他の部隊にも伝えてくれ!!」


 オペレーションニュークリア・・・こんな時に使う事になるなんて・・・


 スカルフェイス2

  《おい!今なんて言った!?ニュークリアだ!?お前らまさか!!》


 スカルフェイス2、言葉の意味はすぐに分かるんだね。


 エルメス

  「察しの通りよ!ここら辺一帯を核で吹っ飛ばす!!」


 私たちには今、唯一使える核が一つだけあった。かつてミカミが開発してサクラたちとの冒険の時に使われようとした小型核爆弾。それをミサイルに搭載している・・・


 スカルフェイス2

  《だろうな!!あんたらが核保有してんのも驚きだが、そんなもん使えば俺もあんたらもここでおじゃんだぞ!?》


 エルメス

  「分かってるわ!けど、脱出にはそれしか方法は無さそう!転移に必要な座標計算時間は三秒!!あんたたちは出来る限り纏ってこの海域の脱出を目指して!ズレたらダメよ!?そしたら私たちがこの艦隊と飛行隊たち丸ごとその基地に転移させる!!」


 スカルフェイス2

  《とは言ってもよ・・・っておわっ!?ちょっお嬢ちゃん!!何を!!?》


 サラ

  《サラ!このおじさんつれてけばいいんだよね!?》


 スカルフェイス2の無線越しにサラの声が聞こえた。


 エルメス

  「そう!出来る限り北を目指して!」


 この転移方法はかなり大きな賭けだ。私たちの持つ異世界転移装置の発動、そして核兵器の着弾。その両方のエネルギーがぶつかり合う瞬間に発生する巨大なワームホール。それでこの海域、空域全ての人たちを一気に転移させる。微妙にミスるだけで核に吹っ飛ばされる。もしくは、取り残されてあの騎士どもに八つ裂きだ・・・


 キャンディ

  「アレックス!!奴が来るまでどんだけだ!?」


 アレックス

  「既に飛び立った!!転移完了!!ガル!時計を合わせろ!!」


 ガル

  「あいよ!エアクイーン6エンゲージ!オペレーションニュークリア発動だっ!!」


 私の目に僅かに見えた。AT-02LB、私たちの機体の中で長距離爆撃に特化した一機。それに乗ってるのはガルことガルデロ サンフラ、エアクイーン6だ。


 アレックス

  「よしっ!!カウントダウン開始!!」


 お父様がカウントダウンを開始した。けどその時だ、また騎士の動きが変わった。口を開けてガルの方に向けている。


 エルメス

  「カウントダウン中止!!ガル!ブレイク!!」


 直後、騎士から赤い光線が放たれた。


 ガル

  「ぐっ!!あっぶなっ!!!んにゃろっ!!」


 ガルはなんとかかわしたか・・・けど、これじゃ撃っても上空で落とされる・・・ガルを援護しないと。


 エルメス

  「ダック!ティー!ガルの援護を!狙ってる奴を撃って!」


 ダック

  「分かってるわょ!フォックス2!」

 ティー

  「仰せのままに!マイクロミサイル!」


 ダックとティーはガルを狙う騎士共を撃ち落としていく。そして今度は私が2人の援護に回る必要が出て来た。歯痒いなぁもぅ!!!


 ガル

  「・・・ダック!ティー!援護はもう良い!アレックス!!再計算を!!」

 

 アレックス

  「っ!ガル!!何を考えて!?」


 何?今なんか胸騒ぎがした・・・ガルのやつお父様に何を・・・まさか!?


 ガル

  「このままじゃ埒が明かねぇっ!この機体ごと目標地点に向かう!!特攻作戦だっ!!」


 キャンディ

  「アホかてめぇっ!!死ぬつもりか!!」


 ガル

  「ああそうだぜキャンディ!!安心しな!確実に撃ち込んでやるからよっ!!んじゃっ!せっかくの初陣だ!後は思う存分この大空満喫させてもらうぜっ!!」 ブツ・・・


 ガルの無線が切られた・・・本気だあいつ・・・ガルの機体がアフターバーナー全開にしているのが見える。あの速度でここを潜り抜ける気なんだ。


 エルメス

  「・・・全機編隊を組めぇっ!!お父様っ!!!」


 アレックス

  「再計算完了だ!!カウントダウン十だ!!」


 九


 《くそっ!!挟まれた!!ぐあっ!!》


 八


 《行け行け行け行けぇぇぇぇっ!!》


 七


 どんどん堕とされて行く・・・くそっ!!


 六


 スカルフェイス2

  「っ!?ダメだ!!後ろだ!!」


 《《《っ!!!!》》》


 あの騎士共っ!!また動きが変わった!!空中を駆け上がってきやがる!!くそ!間に合えっ!!間に合えっっ!!サラちゃんは上がってきた!!他のみんなは!?


 四


 《ダメだ!!!くそっ!!》


 三


 《こうなれば!!!》


 ガル

  「ぬぅああああああっ!!!!この大空をふんぞりかえってんじゃぁねぇぞごるぁぁぁっ!!ここは!!俺たちの空だぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」


 二


 一


 エルメス

  「っぐっっ!!!!」


 視界が真っ白になり、凄まじい衝撃が襲ってきた。操縦桿がめちゃくちゃに震える・・・


 私の視界が一気に開けた。見た事ない景色、日差しの強い荒野、そして眼下には滑走路だけが見える。ここがエリア51・・・


 エルメス

  「っ!?そうだ!!他のみんなは!?無事なの!?」


 私の後ろには何機いる?シィズのラプターオウルはいる。その後ろはソリッド隊って人たちか・・・


 キャンディ

  「オレは生きてるぜ・・・」

 ウジ虫

  「なんとか・・・僕も・・・けど」


 ウジ虫が言葉を詰まらせた。あとの・・・二人は?


 シィズ

  「エルメスちゃん・・・エアクイーン4、エアクイーン5・・・ロストよ・・・」


 ・・・・・・なんで、無線では何も聞こえなかった・・・何が起きた?


 ウジ虫

  「エルメス様・・・あの二人は、最後の最後の瞬間方向転換してガルに張り付いていた騎士に向かった・・・あれが無かったら僕たちは・・・ここにいなかった・・・と、思う・・・」


 私は何も言えなかった。下にいる誘導員たちに従い私は機体を着陸させた。


 ・


 ・


 ・


 「ッッッ・・・!!!うぅああああああああああああっっ!!!!」


 私はヘルメットを投げ捨てて私の機体に八つ当たりした。


 「くそ!!くそ!!くそ!!!なんでよっ!!なんで私はこうも何出来ないっ!!!」


 「馬鹿言え、オメェがいなかったらどんだけ堕ちてたと思ってんだ、全部背負い込むな。オメェは女王だが紛れもなくここの世界で生きてるたった一人の人間だぜ?出来る事には限界があらぁ。ほら、これでも食いな、ばっきばきに折れちまったポッ◯ーだ」


 キャンディは私の目の前にお菓子を差し出してきた。ほぼ粉々のチョコレート菓子・・・私はそれを摘んで食べた。私は視線をキャンディに向けたが、キャンディは私を見てはくれなかった。けど、その頬に涙が伝っているのだけは見えた。


 「あ、いたいたっての〜」


 場に似合わない緩い声が聞こえた。あの子は確か・・・


 「メグちゃん?なんでここに・・・」


 「メガリスって呼べっての。まぁいいや、ミッキーに言われたんだよ、ここで手伝えってな。んで、ミッキーから伝言。ここにもすぐ敵のヤローが来るだろうから、さっさと補給して備えとけってさ」


 やっぱりここにも来るのか・・・まぁ、お父様の話を聞く限りサクラの能力から逃げるのはまず不可能だからね・・・

 

 「そう・・・だよね。えっと、補給要員は・・・」

 

 私にとってこの基地は初めてだ。補給係とかは何処だ?


 「えるめすおねーちゃーん!」


 その時サラちゃんが走ってきた。後ろにヘルメットを被った男を連れている。


 「このおじちゃんがえるめすおねーちゃんさがしてたの!」


 「声からは察してたが、こんな美人とはな。スカルフェイス隊の2番機のジャックだ」


 男はヘルメットを取った。茶髪混じりの少し髭のある男だ。


 「褒めても何も出ないわ。エアクイーン隊の一番機、エルメスよ」


 私はジャックと握手を交わした。


 「よろしくなエルメス。んで、早速だがあんたには謝罪と感謝を先に述べておく。命令とは言え何も疑わずに作戦を開始した、浅はかだった事を許してくれ」


 ジャックは私の手を握ったまま謝罪の言葉を口にした。


 「軍人は上の命令には逆らえない、仕方ない事だと思ってるわ。怒るなら作戦を立案したあんたらの上司に私はブチキレたい。あいつらが裏で暗躍してなきゃ、私もあなたも大勢の仲間を失わずに済んだ。私が散々世界中を回ってやって来た事を無駄にしやがってさ・・・」


 ほんと、何のためにこの世界を飛び回って裏工作して来たんだか・・・手を取り合えるって思ってたのに。


 「上が腐ってるのはいつもの事だ。んで、その腐った上の連中は今血相変えて慌ててる。そうでもって、あなたに1つお願いしたいことがあるそうだ」


 また随分と勝手な事を・・・


 「何?」


 「俺も見ていたがあなたは相当な戦闘機乗りだ。あんな動きは人間を軽く凌駕している。で、ここの基地には無人運用を想定した軍の秘密兵器のヤバい機体がある。さっきの戦闘であなたの機体は大分ぼろぼろになっただろ?それを使ってくれってさ」


 「・・・それ、私の飛行データが欲しいだけじゃない?」


 急に都合が良すぎる・・・


 「だろうな。だが、アレの補給には時間がかかるだろう。アレのメンテナンスマニュアルなんてのはここには無いからな。あなたなら、即動かせるだろうって事だ」


 確かに、AT–001、02の設計はミカミだ。メンテナンス要員もここにはいない、いつ敵が来るかも分からないこの状況だ、四の五のは言っていられないな。


 「分かったわ、案内して」




 ゥゥゥ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛〜〜〜!!!




 基地内にサイレンが鳴り響く、もう来たのか。


 『緊急警報発令!!未確認飛行物体急速接近中!!スクランブル!!繰り返す!!』


 「くそ!!早過ぎるだろ!!」


 「サクラを甘く見過ぎよ。アイツ、誰が何処で何をしようとしてるのかすら分かるらしいわ。作戦立てた所で先を越される。やるなら、ぶっつけでアイツを上回らないと・・・ジャック早く!」


 「あぁ!!」


 ドッ!!!!!


 何・・・今の音は・・・ソニックブームが発生した時のような炸裂音。


 「ほぅ、ここではなかったか・・・」


 女の声・・・けど、普通に聞こえるのにこの戦闘機たちの轟音が鳴り響くこの場所なのに何故かハッキリと聞き取れる・・・何これ。


 「諸君らに問う、輝夜 ミツキの行方を知る者はいるか?」


 そいつははるか上空に堂々と立ち、その軍服のような姿で私たちを見下し、凄みのある声を響かせた。


 にしてもミツキちゃんを探してる?あの浮気男め、なんであの子ばっかりに・・・


 「ぁあ?ミッキー探しに来たってのオメー?」


 メグちゃんがメンチを切った。


 「貴様は知っているというのか?ならば教えよ、さすれば望むものを一つ与えてやろう・・・」


 「はぁぁ〜?教える訳ねーだろばーか。知ってたとしても教えるかっての!」


 「そうか、だが良いのか?僅かな情報でも構わぬのだ。その一つを知らせるだけで貴様にはこの私からの褒美を得る事が出来る。貴様の望むものは、なるほど、()か。ならば、あらゆる力の支配権を貴様に与えてやろう・・・この私、支配を司る支配の騎士がな・・・」


 支配の騎士・・・かつて私の国で大暴れしたって言う四騎士の一人か。でも四騎士って四精霊や四神みたいな特別な存在がいなきゃ呼び出せないんじゃ・・・どうなってる?


 「ぷっ!!あっはははは!!コイツ馬鹿だ!!なぁエルメスよぉ!こいつ馬鹿だっての!!」


 メグちゃんが突然ゲラゲラ笑い出した。


 「何を笑っている?」


 「あったりまえじゃーん!確かにあたしは力が欲しいね。けどよぉ、あたしはもう持ってんだっての!ほんと笑えるー。力の意味を理解してねーとか!それでも支配の騎士かよざぁこ!」


 メグちゃんは人を小馬鹿にしたように騎士を煽る。


 「ふむ、この私への侮辱か。早々に消え去りたいと見受けられる・・・ならば望み通りにしてやろう」


 っ!!あいつ!いつのまに弓を構えて!!


 「アポカリプスの弓!」


 「んぎっ!!?」


 構えてから放つまでが早過ぎる。ガンマンが早撃ちする程の速さで矢が放たれた。しかも、あの矢の威力は計り知れない!!


 「天使の槍!!」

 

 ドゴォォォォォッッッ!!!


 しかし、矢は上空で巨大な爆発となって消えた。


 「こらメグちゃん!すぐに喧嘩腰になっちゃダメだって言ったじゃないの!!」


 「ルイ マイヴェス?」


 大きな鳥の様な翼と頭上に光輪を持った女の子。この子は確か・・・


 「あ、ども、桜蘭の取り合い以来でしたっけ女王様」


 ルイ マイヴェス。以前は敵として戦った、彼女もここに来てたのか。


 「そうね・・・それよりも助かったわ」


 「ありがと、話は聞いてたわ。なら早く準備して来て。いくらあなたでもその例の兵器飛ばすにはそれなりに時間がかかるでしょ?きっと私たちだけじゃ時間を稼ぐのがせいぜいだからさ。その兵器使ってアイツをぶちのめそうよ。んで、桜蘭にもゲンコツを一発」


 「そーだよ!!サラもおこってるもん!おねーちゃんもいっしょにおこってあげよ!?」


 ルイに合わせるようにサラもやって来た。


 「そうね、あのおバカさんには一発どころか、ゲンコツ百発でも足りないくらいよ。準備してくるから待ってて。それで、さっさとアイツぶっ倒してサクラのとこに行くよ」


 「了解よ!」


 今即座に対応出来るのはルイ、メグちゃん、そしてサラちゃん・・・他の部隊も迎撃するにはいくら頑張っても数秒では準備出来ない。ここは彼女達を信じよう!!これ以上、誰も殺させたりしない!!


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