後書き 元の世界を持つ者と持たない者
マヤリィとジェイには元いた世界(=現代日本)が存在しますが、流転の國の他のメンバーに関しては定かではありません。
分かっているのは、ルーリには元の世界というものが存在しないということだけ。
ルーリは流転の國に顕現した瞬間からの記憶しか持っていません。彼女に過去は存在しません。
その為、逆顕現して早々にそのことに気付いたマヤリィは、流転の國に戻る鍵はルーリにあると信じ続けてきました。
そして、NIPPONという流転の國の皆にとっての「異世界」が綻び始めた時、チャンスは巡ってきました。
今なら、魔術を発動出来る。しかし、それはマヤリィではなく。
流転の國以外のどこにも戻るべき場所を持たないルーリならばこそ、ここで魔術が使える。
マヤリィはルーリに宙色の耳飾りを託し「異世界」(=NIPPON)から流転の國に帰還する為、彼女に魔術を放つよう命じます。
ジェイは『流転の閃光』でNIPPONを吹っ飛ばすものだと思っていたようですが、ルーリが発動したのは『魅惑』。どちらにせよ、彼女の強大な魔術のお陰で、マヤリィも皆も流転の國に帰ってくることが出来ました。
補足(長文)
プロフィールには記載されていませんが、かつてルーリは自分のことをこう語っています。
「私に元の世界というものは存在しない。流転の國に顕現した瞬間が私の始まり。気付いた時には既に、ここが流転の國であることも、私がお仕えするべきマヤリィ様の名前も、ジェイをはじめとする配下達の名前も、自分が何者であるかということも全て知っていた。私は『流転の閃光』をこの身体に宿す雷属性の魔術師であるとともに生粋の悪魔でありサキュバス。それ以上でもそれ以下でもない流転の國の住人だ」
マヤリィやジェイのように元いた世界があるわけでもなく、シャドーレのように桜色の都という故郷があるわけでもなく、ルーリは最初から流転の國にしか存在しない者。己の過去も歴史も持たない者なのです。
この不思議な事実は今後の作品でも度々語られることになります。
もしかしたら、他の登場人物の「元いた世界」や過去について判明する番外編があるかもしれません。
この先は基本的に番外編の掲載、および不定期更新になりますが、これからも『流転の國』の物語は続いていきます。
更新の際はその都度、報告させて頂きますので、ぜひ遊びに来て下さいませ。
最後になりますが、ここまで読んで下さった方に心より感謝致します。
本当にありがとうございました。
それでは、また『流転の國』でお逢いしましょう。
川口冬至夜




