プレゼント
風呂がと言うなの拷問は終わり、俺は疲れがたまっていたのかそのまま寝てしまった。
眠りについてすぐに頭の中に声が響いてきた。
『やあ、久しぶりだね。と言っても君にとっては昨日ぶりかな。ずっと寝てたもんね。』
神だ!
神が夢の世界に出てきた途端に周りの景色が天界になっていた。
「おい、なんで記憶があるんだよ。なくなるんじゃなかったのか!」
俺は大声で叫んだ。
『おや?お気に召さなかったかな?』
そんなわけない。ずっと気になっていた人が無事だと分かったのだから。
「そ、そんなわけなぇけど…。」
お風呂を思い出すといたたまれなくなる。
「だいたいあそこはどこなんだ。なんで目覚めたら森にいるんだ。そもそも…」
質問攻めが激しい俺に神は引きつった顔をする。
あんな顔をした神を見たのはいつぶりだろうか。
今まで話すこともままならなかった分、神と話すことにした。
(あれ?そういえばここの世界では俺の体死ぬ前の体じゃん。まあ聞けばいいか。)
このことについても問いただそうときめる和樹だった。
『あはは、やっぱり君と話しても飽きないねえ。』
神も心底楽しんでいるようで何よりだった。
そして神は俺の質問に答えてくれた。
『まず、記憶についてだけど。あれはプレゼントだよ。』
プレゼント?
キョトンとする俺を見てさらに説明をしてくれた。
『そう、だって君はあの街を救ったからね。』
そう、神は言う。
俺は驚いた。
「だ、だけどそれはあんたのおかげで…。」
俺の力では全くない。そう言おうとしたら神がこう言った。
『そうだね、君だけの力ではないね。』
『だけど君が「あの街を救いたい。」と言わなかったらあの街はダンジョンのままだったはずだ。』
俺が難しい顔をすると神は続けて話す。
『ならこうしよう。君は元の世界に戻らずにこの世界の一部救った。』
『そんな英雄に褒美を与えるんだよ。』
神はにっこり笑った。
『それと君にはこの前言っていた能力のいくつかを与えているよ。』
「はぁーーーー!」
あっさりととんでもないことを言う神に俺は大声を上げてしまった。
「ちょ、ちょっと待て能力?あの時のか?」
その質問に神が首をかしげる。
『当たり前じゃないかおかしなことを言うねぇ。』
(もうこの神凄すぎ、さすが神だ。)
「じゃ、じゃあどんな能力をくれたんだ?」
とても気になる内容だった。
神も俺の反応で楽しんで今もニコニコしている。
『その前に(能力)じゃなくて特殊能力って呼ぼう。そっちの方がかっこいいだろ。』
そんなことを言って説明を始める。
『まずはじめに(メニュー)。』
『ここから特殊能力が使えるんだ。』
(メニュー)
・特殊能力はここで選べる。
・また成長する事に機能は良くなっていく。
・(ポーチ)項目がありモノをしまうことができる。容量に限りはない。
『2つ目に(ステータス)』
『これは君、自身を見たりする能力だね。』
(ステータス)
・(メニュー)で表示可能
・心の中で(ステータス)と唱えれば現れる。
・自分以外には任意しない限り見られない。
・自分の成長や現在の強さを実際に数値化したり詳細が見れるもの。
『3つ目は(解析)。これは結構使えると思うよ。』
(解析)
・ステータス同様に(解析)と唱えれば実行可能。
また、(知りたい)と思っても実行できる。
・ステータス同様に任意しない限り見られない
・物、人、動物、建物、土地、すべてのものに対して使用可能。
・ステータス同様に相手を数値化などをすることができる。
『これは、魔法にも有効だよ。』
つまりこれはスマホの強化バージョンということだ。
「やべぇーじゃんか。」
『でも、その魔法の構造とかがわかったところで使えないんだけどね。』
「おい。」
ついつっこみを入れてしまう。
『ま、まあこれがあるから問題ないけどね。』
「これとは?」
『ふふふ、これとは(魔法行使)のことさ。』
(魔法行使)
・その魔法の原理、存在意味を知っているものを行使することができる。
・無詠唱で行使可能。
・一度覚えた魔法はステータスからでも使用可能。
また、普通に魔法を行使する感覚でも使用できる。
・魔力の消費量もわかる。
・魔力消費が少なくなる。
『もう君は、下界の神だよね。』
神はケラケラ笑って話す。
『これで最後だね。(限界突破)だ。』
(限界突破)
・自身のステータスを一定時間底上げする。
・使用後連続使用はできない。
説明されたのはこれだけだがきっとそれ相応のリスクはあるはずだ。
『僕からのプレゼントはこれで終わりだよ。』
ニコニコしながら言う神。
「こんなに、ユニークスキルあっていいのか。」
俺は、はじめ頭を悩ませたがその反面ワクワクしていた。
『さて、次に行こう。えっと、なんだっけか。』
俺と神は次の質問に移った。
しばらくお休みをいただきありがとうございます。
さて、もうチート臭がぷんぷんしますね。
「いいことをすれば必ず帰ってくる」
今回は、「いいことをすればそれ以上が帰ってくる。」
になってしまいました。自分もこうなって欲しいものです。
ではこれからも「転生者の異世界日記」よろしくお願いします。
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