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それは、それとて  作者: 明日


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七章 本物の退魔師と偽物








後一歩で、封印の呪符で縫い止められた光義という退魔師に――


私は赤く染まる拳を、手刀に切り替え

光る封印の呪符を切り裂く


未だ刻は、社に寄りかかり、影を吸収している。飛び散った片足も、修復されていた。


歩み寄る私を警戒して。

光義が一歩前に出た。刻を守るように。


「下がれ、人よ……神には触れさせん」


「…神? 祈りが欲しくて暴れている馬鹿しかいないぞ、ここには」


「貴様……死して償え」

重く響く声で叫んだ…


光義は、高速の突きを放つ。

ギリギリで躱す、滑るように懐に潜り込む。


僧衣の襟を掴み、身体を後ろに

半回転させ、投げる地面に叩きつけた


鈍い音が響く…………


手応えはあるが、光義は直ぐに立ち上がる。


私は瞬時に距離を取る


連続する攻防で、息が上がり

大岩の破片と爆発で傷を負い、血が滲む加え呪印の連発…右腕が焼ける


そっと光義が腕を前に出し、

「重」

呟いた途端…


私の身体が地面に沈む。

重い――頭が下がった拍子に、気づく…

胸の辺りに呪符が張り付いている


即座に剥がし、顔を上げた。


その瞬間ーーー


槍の柄で空中に跳ね上げられた

着地の体勢を取るが、そこに呪符が迫る


「雷」

真っ直ぐ、私に張り付き、黄色い閃光が身体に纏わりつく


「ぐぅぅっ」

眩む視界……何とか着地し

痺れる身体を押さえる。


槍を構え、視線を外さない光義


………強い、戦いなれている

近距離での槍、離れれば呪符が飛んでくる。どの距離にも対応する敵に私は焦りを覚えた。


「貴様は、信じる神はいないのか?」

光義は無表情で問いかけてくる。


「…神に、助けられた記憶がない」

「祈り、願うものだ……神は」

「そうか……興味がない」

そんな暇もないあまり時間もかけられない。拳を握り締め赤く染める。



光義は腰を落とし

呪符を自分の真後ろへ投げた。


「風」

飛ぶような爆発的な加速で間合いを詰める。槍の先端に赤い呪符が張り付く。


避けられない……

槍の突きに触れた瞬間、地面を抉る爆発が視界を覆う。光義は社に振り返り、


「神よ……敵は消し去った」


傷が消え行く刻は、光義の背後に影を捕らえた。


「光義っ!」


刻の叫びと同時に、光義は赤い渦に呑まれた……



ーーーーーーー



爆破の呪符が張り付けられた一撃

……私は避けられないと悟り、左手に鏡を握った。


魔と邪を跳ね返す付加の鏡

――槍の突きに合わせ、鏡を差し出し

跳ね返す


…………………


……爆発の手応えで確信した光義は刻に振り返った。


気づかれないように

私が静かに踏み込んだ、刹那、刻は叫ぶ。


「シッ」

赤く染まる拳を振り抜く、呪印に着火…

爆音と赤い渦を巻き上げる。


視界が晴れた頃……


光義の飛び散る残骸と

焼け焦げた槍だけが残っていた。



ひび割れた地面を踏みしめ、社で立ち尽くす刻へ向かう。


ぼろぼろだったはずの傷は既に癒えている。

刻の目に憎しみと苛立ちが映っていた



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