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それは、それとて  作者: 明日


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112/129

金のりんご、石爆破作戦、終








私は、深い、深い暗闇へと落ちていく……。


意識が沈み、やがて映像が浮かび上がった。


「あはぁはは」

「うふふふ」


降り注ぐサンシャイン。

白い砂浜、きらめく海。


そこには、美しい女性たちがいた。


海で水をかけ合い、楽しそうに戯れている。


青い、きわどい水着を着た、長身でモデルのような女性が、私に手招きをした。


――凛さん?


可愛らしい赤い水着の女性も、こちらに向かって手を振る。


――マッキーだ。


少し目つきが悪く、クールな引き締まった

身体の女性が、無言で私を指差す。


――摩里か。


私は、パラソルの下で酒を飲みながら、皆を眺めていた。


「こっちで遊びましょう」

「うふふふ」

「楽しいですよ」

「あはは」

「おいでよぉ」


誘われるまま、私は裸足で砂浜を駆け出した。


腕を上げた時に、右肘から先――

金属のフックが、太陽の光を反射する。


こっこれは? 私は、確信した。


きっと私は、

グリーン海賊の船長。


みどりーん。

美女を求め、海を進む者。


今宵もまた、美しき仲間と共に――。


「ゲヘッ、へへへッ」


………………。



山の王、亜子が、緑を屋敷へ運んで行った。


あたしは、疲れ切った身体に鞭を打ち、屋敷へと走る。


屋敷が見えた途端、息が切れ、そのまま中へ駆け込んだ。


座敷の中央には布団が敷かれ、緑が眠っている。


周囲には、亜子とその仲間たちが、少し距離を取って座っていた。


「はぁ……はぁ……」

「緑は、大丈夫ですか?」


あたしの声に、亜子が眉をひそめる。

仲間たちも、同じ表情だ。


――なぜ、誰も何も言わない?


あたしは、眠る緑に近づいた。


「ゲヘッ、へへへッ」


思わず、顔をしかめる。


……なんだ、この…、気持ち悪い


「傷は塞がった。跡は残るじゃろう」

「ここに寝かせた後でのぅ……」


亜子は、ため息混じりに続けた。


「ずっと、下卑た笑いを浮かべておってな」

「みどりーん、海賊やら、美女やら……」


白夜の王、亜子が、あたしを見る。


「……頭が、やられてしまったかもしれんのぅ」


あたしは、何も言わず、歩み寄った。


「スタ、スタスタ」

「ガシガシ」

「メキョッ」


「ぎゃゃゃっ!」


亜子も仲間たちも、思わず顔を覆う。

完全にドン引きだ。


――な、何だ?


視界が暗い。

顔の上に……足?


隙間から見上げると、摩里が無表情で踏んでいた。


鼻と口を足の裏で塞がれ、息ができない。


「ぢょっ……どげでぐださい……」


その瞬間、

私の意識は、完全に覚醒した。


………!

私は身体を起こし、周囲を見渡した。


屋敷だ。

ズキッと右腕が痛み、記憶が蘇る。


――あぁ、そうだ。

摩里と亜子が運んでくれたんだろう。

右腕は……仕方がない。


「摩里、私を運んでくれたんだろう?」


そう言って笑いかけ、亜子にも向き直る。


「亜子さんも、ありがとうございました」


私は深く頭を下げた。


「うむ。傷は癒しの湯で塞がったがのぅ。

 やはり、鬼の加護は強力じゃな」


私は自分の身体を確かめる。

胸の傷は跡こそ残っているが、皮膚は再生していた。

そっと右腕に触れると、こちらも皮膚が覆っている。


「外の湯は……癒しの温泉だったんですね?」


亜子は静かに頷いた。


要は、鬼の加護と癒しの湯――

重なった効果で、傷が塞がった、

だが……欠損した部位までは……、

ということだろう。


あんな化け物を相手にして、生きていたのだから上出来だ。


摩里は、顔をしかめたまま私を見ている。


……別に、摩里のせいじゃない。

私を狙っていた相手だし、摩里がいなければ死んでいた。


私は摩里を見つめ、静かに言った。


「そんな顔をするなよ。呪符がなければ死んでいた。

 摩里がいたから、生きてるんだ。

 ……しっかり、仕留めたんだろう?」


「仕留めたわよ。焼け焦げた欠片しか残ってなかったわ」


「じゃあ、依頼達成……ですよね?」


亜子さんと目を合わせる。


「水も流れたしのぅ。助かったぞ」


皆で笑った。

激闘の末、黒い女を倒したのだ。


その後、亜子や狐の物の怪たちに礼を言われ、

近くまで亜子の術で飛ばしてもらった。

もちろん、金のりんごは二つ貰えた


金のりんご、獲得

石、爆破作成――任務終了。


空は、すでに沈みかけている。


摩里と二人、

旅館へと車を走らせた――。


少し、気まずい空気が流れる……車内…





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