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それは、それとて  作者: 明日


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空と夢





---



スカートを覗く変態、半透明、祐希

「ブヒヒ」と鳴いている

…………


私は、愛用のジャケットを着ている、入院中

でも油断はしない、ポケットに手を入れ

「ガサ」小さな包み紙に入れた塩を手に持った。

包み紙に穴を開けて


「白で、ございますね、ブヒっ」


鳴いてる、幽霊、祐希に、投げ付けた


「ぎゃゃゃ」


叫び、散らかし、顔から半透明の煙を上げた


「ダメだ、逝く」


そう言って、階段の手摺に、しがみつく


呆然とした様子で、私を見つめている


「逝くべき、場所は分かっただろう?」


伝えて、あげた……


祐希は首を縦に振った


「も、もう少し、時間を下さい」


真剣な顔で、私に語りかけた


うん……聞いてやらんでも、ないと思い

とりあえず、屋上に辿り着いた……


扉を開くと、晴天

時よりある雲が、若かりし頃を、思い出させる

気持ちの良い風が、頬にあたる


広い場所で、ベンチが並べられてる

まだ、誰も居なかった、独り占めだ


そんな、清々しい場所で、ベンチに座った

幽霊、祐希の話を聞いた


「死んだ、ことはもう良いんです」

「理解してます。別れも、感謝も、済みました

 一つだけ、未練?と言いますか……」


私は顎に手をあて……


「未練?」


「はい、生前、良くしてくれた看護婦の」

「絵里奈さんの……」


私は空を見上げ雲を眺める


「恋か……」


そう呟き、迷える死者、最後の願いに

手をかそうと思い……


祐希が叫んでいた


「男の夢が、見たいんです」


清々しい風が、通り抜けた……


私は言葉が、出ない……

最後の願いがそれ?


土下座して頭を床に、擦り付けている


死んでから、幽霊に成ったことは

自覚していたらしい


生前真面目で、ハメを外すことも無かったそうだ

病弱で、外で走り回ることも無く

それでも、親や友に感謝し死んだ


看護婦の絵里奈さんは

いつも優しく、接してくれ

感謝しかないと……


この姿に成って、誰にも気づかれず

息も上がらない、無限の体力

テンションが、爆上がり


院内を走り回ったそうだ……


幽霊、祐希は

ある時、階段を走っていたら

看護婦さんが前にいた……


顔を上げた、瞬間

何か見えた……


通り過ぎていたが、立ち止まった……


雷にうたれた、衝撃が突き抜けた


ダメだ、事故だ……

今のは、こんな事

警察に捕まってしまう……


いや待て、私は死んでいる


それから、大いにハメを外したそうだ……

得体の知れない、幸福感が支配したと


だが、絵里奈さんは、ズボンを履いていた


行動パターンを覚え

月に一度だけ

そう今日か明日だけ

スカートの日があると


残念ながら今日ではなく、明日だったと


私が視た時は、項垂れていたらしい


話を聞き終えて私は、ポケットに手を入れ

投げ付けた。塩を


「ぎゃゃ」


煙を上げ叫び、散らかす、祐希


「逝く、まだ、やり残したことがぁー」


何とか踏みとどまったみたいだ


「話は分かった、だが私は手を貸せない」


祐希は納得したように


「いいんです。明日まで、このままで」


空を見上げ、何かを決意した様だ


「明日、私の大好きな、太陽が

 一番照らす時間に」


う〜ん、なんとも言い難い、グレーゾーンだ


私は何もしない


まぁなんだ、その……


明日、成仏するのを待とう


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