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最終話 それから……


「はい、春季君行ってらっしゃい!」


「あのなぁ、行ってらっしゃいって言ってる割にはついて行く気満々だよな?」


「うん、日課だから」


「はぁ、まぁもう慣れたけどさ」




いつも通りの朝、でも恋はあれから通信学校に通い週に1回は登校している。学費などは後藤さんとやらが恋の父親に言いつけた通り毎月滞りなく納められているという。



本当かな? あの父親が? と思うが後藤さんはそこいら辺は詳しく聞かなくていいから構わず行っていろと言っていた。まぁ何にしても恋も無事に高卒まではなんとかなりそうな気がしてきた。



「こんな特殊な学校だから前とあまり変わりなく春季君のお世話できるってのは良い事だね!」


「まぁ家に恋が居てくれれば俺もいろいろと楽だけどさ」


「私なしじゃ寂しいっていってくれても良いんだよ?」


「調子に乗るな」



学校に着くと恋はまた迎えに来るねと言って帰っていった。 教室に着くと彩奈がいつもの如く俺のもとへやって来た。



「やっほ! もう夫婦だね、春季と恋ちゃんは。 いやぁ〜、でも考え直すなら今のうちだよ? まだ高校生のうちに将来のお嫁さん決めちゃうなんて時期尚早だと思わない?」


「それって私と涼にも言ってない?」



涼と莉華が彩奈の言葉を聞き捨てならないという感じでやってきた。まぁムキになっているのは莉華だけだが……



「でもまぁ、春季も余計な悩みの種が解決して良かったじゃないか、これから学校の方に集中できるな」


「はいはい、お前らに散々迷惑かけて悪かったよ。 だけど恋もお前らにはとっても感謝してるよ」



学校が終わり校門から出ると恋の姿がない。 おかしいな? あいつが来ないなんて有り得ないぞ? と思って周りを見渡すと……



「わあッ!」



影から恋が俺を脅ろかそうとして出てきた。 まぁそんな事だろうと思った。



「え? 全然驚いてない…… つまんない」


「いや、恋の事だからそんなんだろうと思ってた」


「ちぇッ、春季君の焦った顔見れるとこ思ったのに!」



恋はどんどん明るくなって時たまこんなおふざけもするようになっていた。抑えられていただけで恋ってもともとはこんな性格だったのかもしれない。 だけどそんな無邪気な恋もいいなと思う。



「春季君学校お疲れ様ッ!」



人目を憚らず恋は俺に抱きついて頬にキスをした。



「お前こんな所でそんな事すんなよ」


「ダメ! 春季君が学校行ってる間は何してるかわからないもん、だから春季君は私のだってしっかりわからせないと!」


「そんな事しなくたって別に俺はお前から離れるつもりないし」


「うん、それが聞きたかった!」



やられた…… と思ったけど恋にそんなに大事に思われていて嬉しい事は嬉しいから何も言わない。



「今日何が食べたい? 私なんでも作ってあげるよ」


「じゃあオムライス」


「もっと手の込んだのでもいいのに。でも春季君はオムライス好きだからいっか」



家に帰ると恋は台所へ行き夕飯の支度をする。 俺がいない間は掃除やら何やら恋が全てこなしているので部屋はどこも綺麗だ、母さんもこの状況を見れば恋が居てくれている事に安心するだろう、いろんな意味で。



「はい、どうぞ召し上がれ」


「いただきます」



夕飯を食べて風呂に入り明日も学校なので早めに床につく。 だけどいつも恋が密着してくるのでなかなか眠れない。



「春季君、私にいつ手を出してくれるの? 私春季君だったらいつでも良いのに」


「お前…… よく自分からそんな事言うよな」


「だって随分前から春季君にアピールしてるのに春季君全然してくれないんだもん。 私って魅力ないのかと思っちゃうよ」


「いいだろ、恋の事大事にしたいって思って我慢してるんだから」


「もう! それって私にとってはそんな風に思えないんですけど?」


「…………」


「寝ないでよぉ」


「おやすみ恋」


「まったく春季君の意気地なし! でも春季君、愛してるよ」



恋は俺の額にキスをして眠りについた。








fin







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