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実は私も……


「わぁ! 可愛い、春季君がこれ買ってくれたの?」


「ああ、恋ってウサギ好きなのかなって思ってさ。あんまりデカデカとウサギだと子供っぽいかなって思ってそんな目立たないネックレスだけど……」


「ううん! 私凄く気に入ったよ。 これから肌身離さず付けるね! 宝物だよ」



恋は俺のプレゼントを凄く喜んでくれた。 あの父親を見た後の俺の怒りも吹き飛ぶくらい喜んでいる。 やっぱりまだ恋はここに居た方がいい、恋があいつと会うのに尻込みする理由もよくわかった。 だけどなんとかしてやりたい。 だけど高校生俺なんかに何が出来る? このまま恋をここに住ませたって恋にとってはいいかもしれないけど将来的に恋には良くない……






だけど俺は恋の事を甘く見ていた。 恋が例え俺からプレゼントを貰うにしたって恋もただ俺に与えられているだけじゃないという事に。



恋はそれからしばらくはネックレスを眺めてホケーッとしていたけど次第に表情が曇って行った。 どうしたんだ? 何か気に入らなかったのか?



すると恋は急に泣き出してしまった。 どうしたんだよ!? どう見ても嬉し泣きじゃない、悲しくて泣いている表情だ。 俺がいない間に何かあったのか?



「私…… 私春季君が私に何かプレゼントしてくれるってわかった時凄く嬉しかったの、春季君の携帯の画面が見えて私に何かあげようとしているってわかった時私もチャンスだって思って春季君が出掛けた後私もこっそりと出掛けたの。 それで春季君とバッタリ会って春季君を驚かせようと思って……」



恋が奥から箱を取り出し俺の方へ差し出してきた。



「開けてみて?」



なんだ? と思い開けてみるとスニーカーだった。 恋どこにそんな金が? と思って思い出した、ゲーセン行った時に金がないと恋は言っていた、そして時折俺の足元を見ていた。 そうか、恋はこれを買う為に俺から渡されていた金を貯めながら……



そして俺の後にこっそりと出て行ったって事は、驚かせようと思ったって事は俺の跡をつけて俺が恋の家に行ったのも当然恋はわかっていた?



「春季君、今日私の家に行ったよね?」


「…… バレてたか」


「どうして? 私の事追い出したくなった?」



恋はどこまで見ていたんだ? 追い出すわけないだろ? 俺は今日はただ恋の父親を確認しに行っただけだ。 もしかして恋は俺が恋の家に行ったのを見てそれで引き返したのか? あの父親のクソデカい声なら俺の事をつけていた恋にだって聞こえたはずだ、それがわからないって事は会話も聞かないで引き返したのか?






「恋、俺がお前の父さんと何話してたか聞いてなかったのか?」


「お父さんの声も聞きたくないし顔だって見たくない!」



恋はそう言って俺に近付き服の肩の部分を強く握り抱きついた。



「どうして! どうしてあんな所に行ったの!?」


「ごめんな、1度確かめてみたかったんだ、恋の父親の事。 恋の前では言いたくなかったけどあんな父親じゃ家を飛び出したくもなるよな……」


「だけど酷いよ! 私に黙って行くなんて」


「言ったら行かせてくれないだろ? 悪いって思ったけどさ、必要な事だと思ったからしたんだ。 恋がその気になった時に俺だって恋の役に立つようになんとかしたいって。 俺恋の恋人だろ? 恋の為になんとかしてやりたいって思っちゃダメか? 今出来る事やりたいって思ったんだ。 恋だってそう思ってしてくれたんだろ?」



そんな俺の言葉に恋は何の事? という表情をしていた。



「俺が渡した金貯めて俺にプレゼントしてあげたいって自分が欲しい物切り詰めて俺の為を思ってスニーカー買ってくれただろ?」


「あっ……」


「やってる事は違うけど気持ちは同じなんだ。 俺恋のそんな気持ちが嬉しいよ? だからさ、今回の俺の行動許して欲しい」


「わ、わかった…… ごめんなさい、私春季君が私を捨てるんじゃいかって怖くて怖くて」



捨てたりしないよと俺は恋に囁き安心させたくて俺は恋の頭を優しく撫でた。恋はだんだん泣き止み落ち着いた。



「ごめんなさい、春季君を驚かせたくて買ったのに変な渡し方になっちゃって。 春季君の履いてたスニーカー痛んでたから私も春季君に何かしてあげたくて…… 結局春季君のお金だから私は何も返せてないけど」


「いや、ありがとな。 恋の気持ちで十分だよ。これからこれ大事に履かせてもらうよ」



スニーカーを試しに足に合わせてみるとピッタリだった。 流石よく見てるな恋は。



「き、気に入った?」


「ああ、明日にでも履こうかな」


「私春季君にお願いがあるの!」




そう言って恋は俺がプレゼントしたネックレスを俺に渡した。 俺につけて欲しいって事だよな? 恋は髪を上げて俺がつけるの待ってるし。



恋の髪と肩の間に腕を通して恋の首にネックレスをつけると恋は俺に飛びついてキスをした。



「ありがとう春季君、これがあるとなんだか春季君を感じられるような気がする、私今まで貰ったどんな物より嬉しいよ」




そんな高い物じゃないけどなって思ったけど恋にとってはそんなのどうでもいいんだろう、ついでに買ったんじゃなくてもともと恋を喜ばせたくて買った物だしな。




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