表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/48

これはなんでしょう?


記憶喪失(疑ってる)の家出少女に名前を付けてあげた俺は引き続き彼女の処遇について考える。



彼女こと恋は名前を気に入って大層ご満悦だ。お前、名前なんて気にしている場合か? と思うが恋と決まったからには恋と呼んでるか。だが……



「恋」


「ふんふんふんふーん、ん?」


「いや、お前だよ。 たった今恋って名前になったろ?」


「ああ。そうでした、恋です!」



この反応は何? まだあんなに名前が決まって喜んでいたくせに恋は名前をまだ自分の名前だと認識してないのか?



この反応は本当は記憶喪失はやっぱり嘘で実名ならすぐに反応したがたった今付けた名前は気に入ったけどまだ馴染んでいないという典型的なパターンなのでは?



「恋」


「はい!」



くそ、一度目で学習したか? 心なしか身構えているような気がするのが更に俺の疑いに拍車をかける。



「そういえばさ、見た所恋って高校生か中学生くらいだよな?」


「そ、そうなんですかね? 」


「もしそうなら何日かしたら学校側が不思議に思って家に連絡して来て捜索とかされるんじゃないか?」


「大丈……! あっ、そうなのかな? そうかもしれないです」



何か言いかけたよな? 大丈…… 大丈夫? 大丈夫って何? 俺が疑いの眼差しで見ている事に気付いた恋は更に言葉を発した。



「あ! だ、大丈夫です! そんな事になっても春季君に迷惑が掛かるような事は絶対言いませんしって言いたかったわけで……その……」


「ううん…… 」



彼女はそう言いニコッと笑いこちらを見る。俺は凝視する。何この状態……?



「それと! 学校を休ませてしまったお詫びにと言ってはなんですが朝ご飯を作らせていただきます!」


「え? 料理出来んの?」


「…… か、体は覚えているというアレがあるかもしれませんね!」


「そういうもんなの?」



えーと、恋は台所へ行き冷蔵庫を失礼しますと言って開ける。



「な、何にもないです食材が……」


「パンならここにあるけど?」



そう、面倒が嫌いな俺は自炊などそんなにしない。 たまにしても片付けとかあるとやっぱりやめときゃ良かったと後悔するタイプだ。



「いつもは何を食べてるんです?」


「パンだな、焼いて出来上がりで楽でいい」


「ずっとこんな感じで暮らしていたんですか?」


「ああ、なんとかね」



彼女はうーんと唸り考えていたようだがパンしかないのでとりあえずパンを焼いた。



「あう…… 出鼻を挫かれました」


「何のだよ……」


「今更ですが春季君は一人暮らしなんですよね? か、彼女とかは?」



恋がとても聞きにくそうな感じで質問してきた。



「え? もしかしてバカにしてる?」


「いえいえ! 滅相もないです!」


「いたら恋を泊めたりしないよ」


「で、ですよねぇ」


そう言うとどこかホッとしたように恋は胸を撫で下ろしているようだった。ていうか誰かと向かい合って食べるなんて一人暮らししてから初めてだな。両親はノーカンだ。



「あ、それで仕送りとかは親からされているんですか?」


「ああ、そろそろ何もなくなってきたからカップラーメンとか来るんじゃね? 」


「だ、ダメですよ、そんな物ばかり食べてたら身体に悪いです!」



ええ? 見ず知らずのコイツに説教されるとは…… 確かに俺の親もこんな物ばかりって言ってるけど。



「春季君、春季君の親の都合が付くのならお野菜やその他の食材を送ってもらって下さい、私がお料理しますから!」


「え? てかそれ以前に恋はいつまで俺の家に居るつもりなの?」


「そ、それは…… 」



パンを食べる手を止めまたシュンと落ち込んだ。はぁ、まぁいい。 今日は学校を休んだから時間はたくさんあるんだ。とは言ってもこんな面倒くさがりの俺が貴重な休みに恋の身辺調査なんて面倒な事しないけどな!



「まぁいいや。 そこまで何か作りたいなら俺が食材を買って来てやる。 だから恋はその辺の掃除でもしていろ」


「え? は、はい! 掃除は得意です!……のような気がしました……」



コイツ…… やっぱり怪しい。 そして俺は気を取り直してパンを食べ外着に着替える。 まぁ今の所お手伝いさんとしての役目を果たしてくれ。



まともな掃除なんてここに住んでから一度もした事ないしな。一応ワァ〜オ! な本も隠してるし…… いや、もっと厳重な場所に隠しておくかと思いタンスの服を畳んでいる1番下に隠しスーパーに向かった。



朝早くから開店しているスーパーに着き食材を選んでいると困った事になった。どれを買って良いのかわからない。仕送りで金も送ってもらってるから別にいいかと思って適当な野菜や果物、肉類をカゴの中に入れていく。



ちょっとした主婦になった気分だぜと思って家に帰るとお帰りなさいと恋に言われ唖然とした。



俺の予想ではちょっとした掃除のつもりだったのにテーブルはどかされ椅子も上げられタンスの中も全部出され…… あれ?俺のワァ〜オ!な本は? とキョロキョロと辺りを見回すとご丁寧に綺麗に重ねてありました、南無阿弥陀……



俺の視線に気付き恋もハッとし気まずそうにしている。



「あの、これは…… 春季君も男の子ですもんね! 健全な証拠ですよね! あはは……」


「あ、あはは……」



なんかフォローされた……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ