暗闇3
トニーside
リオンはとっても可愛い。結婚して2年になるが、そこは変わらない。
もともと俺は結婚できると思わなかった。
昔より女の乳児が産まれにくくなっていて、今では女と男を対比すると3:7にまでに落ちた。
その為に国は対策として、一妻三夫を許して何とかこの減少を食い止めようとしている。
その為、女は貢がれるのも当然、大事にされるのも当然になっている。
反対に結婚をできずに一生を終える男もいる。
それよりもっと結婚できないだろう欠点が俺にはあった。
俺は孤児院の出身で、当然頼れる両親も、親戚もいない。
こんな条件の悪い男など、誰が好きになってくれるか、と思っていた。
でもいたんだ。リオンは俺をとても愛してくれている。それだけでも幸せなのに、子供までできた。
もうこれ以上の幸せは無い。
研究所から帰ると、リオンの腹の上に手を乗せて、赤ん坊の動きを感じるのが日課になった。
リオンの腹はどんどん大きくなって、気がつけば9ヶ月になっていた。
もともと華奢な体をしているリオンが、腹が出ると、腹がとても目立ってより大きく感じさせる。
そんなリオンも心配があるらしい、最近になって、腹の子の胎動が少ないらしい。
それに加え張りが頻繁にあるらしく、寝る時も辛いみたいだ。
産婆に聞いても、この時期はよくある、としか言わないらしく、不安がっていた。
俺は妊娠についての事は、からっしきだこんな時何も役の立てない俺は、とても歯がゆかった。
そんな事を考えながら寝たその日の夜。リオンがあ破水した。
俺は急いで着替えて、外に出る。外はとても冷え込んでいて雪も降っていた。
馬車の準備ができると、再び家の中に入り、リオンに上着を手渡し用意された荷物を持って外に出た。
乗りにくそうにしているリオンを持ち上げて、馬車に乗せると自分も乗り込み、
産婆の家に向かった。