ごめんなさい
朝目がさめると、窓から明るい太陽の光がサンサンと部屋の中を明るくしていました。
今はリビングみたいなところにいて、ママがご飯を作る準備をしたり、朝に搾ったばかりの、
クアランの乳を鍋で煮てる。クアランの乳の甘い匂いが部屋の中を充満させていて、
この匂いを嗅ぐと気持ちが落ち着く。
ふとドアの方を見ると、ドアが開いていた。
何時もはしっかり締まってるから、開いているなんて滅多に無いんだけど………。
ちょっとだけなら外に出てもいいよね?ね?。
ワクワクしながらドアの向こうを見ると、畑には畝があって、木が沢山生えてて、
少し先にある小さな小川が太陽の光で水面がキラキラと、輝いている。
ヨチヨチ歩いて、途中で転んでそこからはハイハイで川に近ずいた。
ソーッと覗いて見ると小さい魚が泳いでるのが見える。
足を少し入れてみようと思ったら、ボチャン…………はい何が起こったかわかりますね?
川に落ちました。
でも水が気持ちよくて、手で水を叩いてみたら、飛んだ水が水面よりもキラキラしてて、
面白くて夢中になってると、
「フィー‼︎‼︎‼︎」
後ろからママの叫び声が聞こえたと思ったら川から掬い出されて、
抱きしめられた。
「フィー‼︎よかった、よかった」
と泣きながらきつく抱きしめられた。
「ママ?」
「何で勝手に外に出たの⁈何かあってからだと、遅いのよ⁈!!!」
すごい勢いで言われてびっくりした私は泣いてしまった。
その後は直ぐに家の中に入って濡れた服を、着替えた。
外は楽しかったけど、ママを怒らせちゃった…………。
また目にジワっと涙が浮かんできちゃった。そんな私をママは抱きしめて、
ずっとごめんね、ごめんねって言ってる。
私が勝手に出て私が悪いのに何で、ママが謝ってるのかな?
ママ困らせてごめんね。
リオンside
今日はいつもより少し暑い日だった。私も忙しくて、ずっと朝からバタバタしていたせいかもしれないわね。
家の中もクアランの乳を鍋で煮てるせいか、とっても蒸し蒸ししてて、
フィーを見るとまだ寝てたからドアを開けて換気をしてた。
これで少しはマシになるかな。
鍋に向きなおってまた搔きまわす、これをしないと、油が分離して、飲みにくいものになってしまうの。
搔きまわし終わった鍋を、火からおろして冷まさせる。
フィーはどうしてるかと思って見てみると、さっきいた所にフィーの姿が無い。
「フィー?…………フィー⁈‼︎」
呼びかけても返事が無い。はっとして、ドアを見る。まさか……………
急いで外に出て探す、畑にもいない、小屋にもいない、思い当たる所には、どこにもいない。
どこ………どこに行ったのフィー‼︎
川の方から水を打つ音が聞こえた。
まさかと思い、小川の方へ走って見に行くと、フィーが胸あたりまで水に浸かって遊んでいるのが見えた。
「フィー‼︎‼︎‼︎」
急いで川から掬い出すと、思いっきり抱きしめた。
何処にも怪我が無いのを確認すると、「何で勝手に外に出たの!何かあってからだと遅いのよ⁈」
大きい声を出し過ぎたみたい。みるみるうちにフィーの目に涙が溢れて泣き出してしまった。
家の中に戻ってフィーの服を着替えさせても、まだフィーはグズっている。
確かにいきなり怒り出して、怖かったのかもしれない。
でもあの時、いなくなって本当に肝が冷えたわ。この子は特殊で、いつ連れ去られるかわからない、もしかしたら………と思うと本当に怖かったの。
「ごめんね。ごめんね」
夜になって母乳を飲ませながら今日の出来事をトニーに話した。
トニーは深刻な顔をしながら、考えてくれた。
それで、フィーが出られないように柵を作ってそこに常時いさせることに決めた。
でももっと衝撃的なことをトニーは私に言ってきた。
今日ギルドに行った時に、ベーラー家、フィーを養子にさせろって言ってきた伯爵の
部下が居たみたい。
もしかしたら此処がばれたのかも知れないって。
できるだけ早く、此処を出られるように準備して欲しいって。
今日帰ってくるが遅かったのは、そのための必要なものを揃えてきたからだった。
ビックリしてしまって直ぐに声が出ない。
「だっ大丈夫よ………まだ、荷物は解かれきってないし、
服とかも直ぐに纏められるわ。行こうと思えば明後日にでも出られるわ。」
うまく言えたかわからないけど、言い終わった瞬間にトニーが私を抱きしめてくれた。
耳元で、絶対に守るって、指一本触れさせないって、言ってくれた。
私も守る。
この幸せを絶対に赤の他人になんかに壊させやしない。




