第23話:過剰すぎる舞台装置と、神話級の供物
そして迎えた、建国祭の当日。 城下町の中央に設けられた巨大な野外ステージには、見渡す限りの観客が詰めかけていた。
「おおっ! これはすごいぞ、リナちゃん!」
舞台裏で衣装(和風の陣羽織)に着替えたわしは、ステージを見て感嘆の声を上げた。 リナが持てる魔力技術のすべてを注ぎ込んだという舞台は、まるで最先端の『3Dホログラム空間』のように、リアルな炎や城の幻影が魔法結界によって投影されていた。 アニメやゲームのような『3Dリアル』な質感が、見事に表現されている。
「ええ、マスターの神話を再現するのですから、これくらい当然ですわ!」 リナがドヤ顔で胸を張る。
「よし、わしは劇のクライマックスで中ボスの『ドラゴン』を倒し、姫(ヒロインたちは交代で演じるらしい)とキスをするんじゃな! 相手の着ぐるみの役者さんにもよろしく伝えておいてくれよ!」
わしが意気揚々とステージへ飛び出していくと、舞台袖でアリアとチヨがニヤリと笑い合っていた。
「着ぐるみなどという、安っぽい作り物でお館様の剣の錆を汚すわけにはいきませんからね」 「ええ。魔境の奥深くに封印されていた『神話級・古代竜』を、生け捕りにしてまいりました。シゲオ様の偉業を称える、最高の供物となるでしょう」
ヒロインたちの愛(と狂信)は、留まるところを知らなかった。




