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神戸和睦の事

ちょっと、神戸先生の身内自慢入っています。

永禄十一年 戊辰つちのえたつ春二月、織田信長は四万余の軍兵をひきいて再び勢州を攻めた。これにより北部の諸侍である千草、宇野部、赤堀、稲生らはことごとく信長の幕下に属すことになった。


 加えて高岡城も囲み攻めた。


 これを受けて神戸家は士気を高め神戸城に立てこもり一戦交えようとしていた。


 しかし、信長は策をめぐらした。陣所より使者を送って神戸家に伝えた。


「あなたがこの信長と和睦するならば、私の息子一人をあなたの養子に送りましょう」


神戸家には息子がいなかった。そのため、この条件によって和睦は成った。婿養子を国に迎え統率させるのは、国を治めるための大切な手段である。



 神戸蔵人は信長の陣所へ挨拶のために出向いた。この時、尾張・美濃の侍たちは神戸の武威を日ごろから聞いていたので、こぞって見に来たという。



 その後、神戸家の者は策をめぐらし、関氏一党を信長の幕下に属すようにした。

 峯、国府、鹿伏兎かぶとらは織田家の幕下となったのだが、亀山の関氏宗家だけは属さなかった。


 「我らは六角家の味方だ」


と言って敵対し、しばらくは信長に降伏しなかったのである。


 

 神戸家も、叔父圓貞坊を六角家に人質として送っていた。しかし、神戸家は六角家を裏切り信長についた。

 六角義賢は怒り、人質の圓貞坊を塩攻めにした。


 円貞坊は狂人になり、迷いつつも神戸に帰ってきたという。圓貞坊は神戸楽三の末の子で、元は福善寺に出家していたという。





ややこしいですね;

系図と三重県・滋賀県の地図を見ながら読んでいただきたい……。うーん、やはり系図を作成すべきか。神戸家は関氏の系統でして、まあ、みんな同族ですね。その神戸家に北畠から養子が行っていて更にややこしいのですが、神戸蔵人は北畠の血筋でもあります。

 

 関一党は峯・国府・鹿伏兎・神戸・関の五家です。宗家の関家以外はみんな信長に降伏したけれど、宗家はがんばってたんですね。


 六角家に人質として行っていた叔父さんが塩攻めにされるって怖い; ていうか、塩攻めって何? ……まあ、具体的な想像するのはやめておきます。圓貞坊が狂人になってしまったという記述からもその残酷さがうかがえますから……。


追記

神戸具盛のWikipediaを見ると「主君」を「北畠具房」としていますが、これは間違いだと思います。

北畠氏から神戸氏に娘が嫁いだり養子が入ったりして一時期友好関係ではあったとは思いますが……


勢州軍記では、神戸氏と長野氏にそれぞれ北畠氏の娘が嫁いだことをもって「之によりて神戸・長野の両家国司の一味たりと云々」としていますが、その後の天文年間に関する記事(乱国敵対の事)で長野氏(工藤家)と北畠氏は再び敵対関係になっています。神戸氏はというと、中勢で威をふるい、関・神戸・峯の三家で常に争っていた、というような状態。これは北畠氏に属していた家臣と言っていいのか……? 

私の考えですが、神戸氏は北畠に属していたわけではなく「独立した地元の有力な豪族」と言った方がいいのでは? 豪族が生き残るために周辺の有力者(北畠や長野、六角(の家臣の蒲生)、そして織田)と縁組(養子や嫁とり)をしていたと言うのが適切なのでは……?


具盛(友盛)の話に戻ります。

仮にWikipediaの言うように、かつて北畠と主従関係にあったとしても、利盛、具盛(友盛)の頃にはそういう関係ではなかったと思うのです。


利盛の母は北畠氏と敵対していた長野氏の娘であり、利盛の時代は長野氏と友好関係にありました。(一説には友盛も同母)


ですから、具盛(友盛)が神戸を継ぐ前にはすでに北畠氏との友好関係や主従関係はなかったと考えます。

しかし、ちょっとややこしいのですが、長野氏に北畠からの養子(長野具藤)が入った後は、北畠に乗っ取られた長野氏と神戸氏は敵対関係になり、具盛(友盛)は長野氏と合戦しています。

これは実質、神戸vs北畠の戦いですよね。


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