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そういうわけで、お城にやってまいりました。お城に来るのは、初めてです。やはり、一人は心細いですね。ですが、今日は、ソニアお姉様の代わりです。お姉様に恥じないよう頑張ります。
意気込んで来たのは良いものの、もう、くじけそうです。
本日のお茶会に出席している令嬢は、私を入れて4名。第一王子シャルル様の婚約者候補です。
本日は、天気が良いですので、薔薇園でお茶会が行われるようです。薔薇のアーチをくぐると、美しい薔薇が咲き誇っています。
到着したのは、令嬢の中では、私が最後だったようで、皆様お揃いです。シャルル様は、まだいらしておりません。
ソニアお姉様の代わりですので、私が、王子様の席の隣の席に座ることになりました。来たのが、ソニアお姉様ではなく、若輩者の私ですので、他の令嬢たちの視線が冷たい気がします。
「はじめまして。エインズワース公爵家のアンナと申します。若輩者ですが、よろしくお願いします。」
「あら、小さな方がいらしたのね。ソニア様がいらっしゃると思って、楽しみにしておりましたのに」
私が、挨拶をしましたら、不満そうにおっしゃったのは、アルディス伯爵家の、リーザ様。
「ソニア様ならともかく、アンナ様では、私のライバルではございませんわ」
嬉しそうにおっしゃったのは、ランディス侯爵家のカレン様。
「・・・・・」
無言でこちらを見つめていらっしゃるのが、キャンベル侯爵家のメグ様。無表情で、怖いです。
3人とも、シャルル様と同じ10歳のお姉様です。私だけ場違いな感じがします。もう、帰りたいです。