第4話 最大の被害者(?)の反応
「な、なんであの悪役令嬢が聖女に!?」
学園の片隅で、エリザベスの最大の「いじめ被害者」だった平民出身の魔法使い、ルナ・ハートが叫んだ。
「これはきっと何かの陰謀よ!あの女が王子様の気を引くための新しい手口に違いない!」
ルナの友達のマリアがうなずいた。
「そうよ、ルナ。気をつけなきゃ。あの女は悪巧みの天才だもの」
しかしその時、エリザベスが二人の前に現れた。
「ルナさん、お話があります」
「き、来ないで!もういじめないで!」
ルナは思わず後ずさった。しかしエリザベスは跪き、深々と頭を下げた。
「今までの私の行い、本当に申し訳ありませんでした。あなたを傷つけ、恥をかかせ、時には危険な目に遭わせようとしたこと、全て心から謝罪します」
「え?ええええ?!」
ルナは完全に混乱した。
「そして……これまでの償いとして、あなたの魔法の才能がもっと開花するよう、お手伝いしたいと思います」
エリザベスが手を差し伸べると、ルナの持つ魔法の教科書が光りだした。
ページが自動的に開き、ルナが長年理解できなかった高度な魔法理論が、突然明瞭に理解できるようになった。
「わ、私の……魔法の壁が……」
「あなたは本当に素晴らしい才能をお持ちです。これからは私ではなく、あなたが学園で輝くべきです」
エリザベスは微笑み、立ち去ろうとした。
「ちょ、ちょっと待って!」
ルナが叫んだ。
「な、なんで突然そんなことするの?何か企んでるんでしょ?!」
エリザベスは振り返り、少し困ったような笑みを浮かべた。
「実は私もよくわからないの。ただ今朝目が覚めたら、『人をいじめるより、花に水をあげたい』『人を陥れるより、迷子の子猫を助けたい』って強く思うようになったの」
「……は?」
「それに、なぜかみんなの痛みや悲しみが感じられるようになって。ルナさんがこれまでどれだけ傷ついていたか、今ならよくわかるの。本当にごめんなさい」
エリザベスの目から一粒の涙がこぼれ落ちた。
その涙が地面に落ちた瞬間、そこから小さな花が咲いた。
ルナとマリアは言葉を失った。




