3-14 エリカ in ルト家
お久しぶりです。
エリカとルトが互いに死神だと知った翌日。
エリカの姿はというと、何故かルトの家の中にあった。
ちなみにエリカは現在フードをとっており、外界に幼さを残しながらも美しい容貌を存分に曝け出している。
またその表情も、自身の本当の容姿を見る事ができる存在と出会えたからか、酷く柔らかな笑みに包まれていた。
さて、では何故エリカがルトの家に居るのかと言うと、彼女が突然ルト家への訪問を願い出たからである。
何故そうなったのか。話は昨日に戻る。
互いに死神だと判明した後、ルトは再度エリカの話を聞いた。
それによると、エリカは現在ヘラの呪いにかかっており、その呪いを解く方法を知りたくてルトを探していたとの事である。
しかし、残念ながら当の本人であるルトは、解呪の方法など一切知らない。
その話を聞き、エリカは落ち込む。
「……そう」
「僕も手伝うからさ、これからまた探そうよ」
「ルト……うん、ありがと」
「さて、今日はもう遅いし一度帰るよ」
「うん。あ、そう言えばルトはどこに住んでいるの? 宿?」
「いや、街中に家があるよ。オンボロだけどね」
「へー。1人?」
「え、うん。そうだけど」
「なら、明日行っても良いかしら?」
「……? うん、まぁ大丈夫だよ」
──という流れがあり、この日エリカが来たのである。
その時は何か予定があるのかと思ったが、決してそういう訳ではないのか。
現在エリカは柔らかい表情のまま、特に何をするわけでもなく、ただゆらゆらと楽しげに身体を揺らしている。
別段このままでも問題は無いのだが、しかしやはり訪れた訳が気になった為、ルトは少し改まった様子のまま口を開く。
「……さて、エリカさん」
ルトの声に、エリカはきょとんとした表情で、
「何よ、急に他人行儀に」
「えっと……今日は何か用事で?」
「用事? 特にないわよ」
「え、じゃあ何故うちに……」
「理由なんかないわ。来たかったから来たの」
何か急に年相応になったな。
これが彼女の本当の姿なのか?……まぁ何はともあれ、楽しそうだから良いか。
「そっか」
言ってルトが頷くと、エリカは不安に思ったのか、眉を顰める。
「もしかして……迷惑だったかしら」
「いや、夏休み中は特に予定が無かったから。寧ろエリカが来てくれて嬉しいよ」
「そ? ならば……良かったわ」
言葉の後、ルト家を静寂が支配する。
しかしその沈黙も、互いへの信頼感からか酷く心地が良い。
しかし生来の性格から、じっとしている事が苦手なルトは、数瞬の後、静寂を破るべく口を開く。
「エリカは普段何してる?」
「んーそうね。今までは日銭を稼ぎながら死神の情報集めかしら」
「討伐依頼とか受けてた?」
「えぇ。街の外の方が顔を見られる心配をしなくて良いから、基本討伐依頼だったわ」
「あぁ、なるほど」
一拍空け、
「……ならさ、今から討伐依頼でも受けない? ほら、互いの能力がどんなものなのか確認もしたいしさ」
「えぇ、構わないわ」
ルトの言葉に、エリカは快く頷く。
こうして唐突ではあるが、共に討伐依頼を受ける事が決定した。




