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古希の星  作者: 千路文也
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071  小さな目標をクリアする



「どんどんハードルが高くなります」


「成程……お主は自分に定めた目標にしばられて身動きが出来ないわけじゃな」


「どうにかして乗り越えたいのですが」


 これは野球選手に限った悩みではない。恐らく全世界の人間が、周囲の期待に答えられず、うんざりとした気持ちで仕事帰りに憂鬱となっているだろう。では果たして、現役最年長のプロスポーツ選手、鬼崎喜三郎は周囲のプレッシャーにどう対処しているのか。


「ハードルを乗り越えるのは簡単なことじゃ」


「どうやるのですか」


「ハードルを下げればいいじゃろ」


「ええ……」


 チームメートが戸惑うのも無理はない。


「苦しい思いをするのが当たり前だと誰が言った。素直にハードルの設定を下げればいいじゃろ」


「3割30本100打点の夢を諦めろとおっしゃるのですか?」


「そうではない。小さな目標をこつこつクリアしていけばよいと言っている」


 鬼崎はそうだと言うのだ。大きな目標に挑むためには、小さな目標をクリアする必要が有ると。


「私に出来る範囲の目標をクリアしていくのですか」


「その通りじゃ。ほんの小さな積み重ねを毎日続けるだけで自ずと結果が出る」


「わかりました。貴方ほどの偉大なプレイヤーがおっしゃるなら指示に従います」


 アドバイス後、いつもの調子を取り戻したチームメートは、週間MVPに輝く活躍を見せたのは言うまでもない。 




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