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070 球場のムードに左右されない鋼のメンタルを持て
鬼崎喜三郎とペーニャ内野手は以前として会話を進めていた。他の者達は皆、機内でぐっすりと眠っている中でだ。歳の差は実に40歳以上も離れている二人がこうして議論に華を咲かせている要因は一つだ。それは鬼崎とペーニャの向上心の高さである。どんな状況に追い込まれようとも、たとえ表面的に結果が出ていようとも、僅かな感覚のズレを察知して肉体と精神の状態に疑問を感じて、最良の答えを導き出そうとする。プロフェッショナルの心がけが二人には共通していた。
「メジャーリーグでプレーするようになって感じたのは、いかに普段通りの自分でいられるか」
「まったくその通りだぜ。球場のムードに左右されないってのは大事だよな」
「他人からの目を感じるのと、客観的に考えるのは違う」
やはり人の視線はどうしても気になってしまう。スランプなどに陥って精神が麻痺している状態など、まさに危険性が高い。人の目がナイフのように突き刺さる。
「周囲からのプレッシャーは厄介だ。結局は他人の本質なんて分からないし」
「そうやって気にすること自体がおかしいと何故気づかない」
「確かにそうだ。メンタルの部分で負けてたらその時点で試合終了だぜ」
その時点で試合終了だというのだった。




