古希の星

054 現実を伝える

　太り過ぎはアスリートとして致命的だ。どんな体調管理方法を取り入れたらデブになるのだと鬼崎は憤慨していた。野球選手として大事なのは結局怪我をしない体づくりなのだからその意志に反している。無駄に脂肪を溜めるだけでは、どう考えても怪我を引き起こすだけだ。それをちゃんと分からせるために色々と言う必要があった。口うるさいジジイだと思われるかもしれないが、本人のためにちゃんと言っておかないといけない。

「ペーニャよ。不必要に脂肪を溜めるばかりでは将来悲惨な運命が待っているぞ。だから今すぐにでも痩せて適正体重になりなさい。君の身長でその体重は明らかに異常だ」

　言葉はキツイかもしれないが言葉には優しさが溢れていた。まるで孫を見るような優しい目に時よりなるのだ。