639話 今度は召喚魔法なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
地面を見ると銀貨は一枚も落ちていない。どうやら本当にただ遠くへ飛ばしただけなのがわかる。
倒したのであれば必ず銀貨が残るからだ。
「私も魔法は使えますよ」
すると赤いリボンを身に着けた妖精のフローラがそう発言した。それはまるでフローネだけが役に立つと思われるのは心外だと言わんばかりの態度に見えた。
「フローラも魔法が使えるのか? いったいどんな魔法なんだ?」
「フローネさんと同じ魔法ですかっ?」
「姿形が同じ妖精だものね。同じ魔法じゃないかしら」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう」
「……同じ魔法だと思う……」
すると赤いリボンのフローラは首をぶんぶんと振った。
「違います。私の魔法はフローネとは違う魔法です。召喚魔法です」
「召喚魔法?」
俺が尋ねるとフローラは胸を張って得意げな顔になるのであった。
「召喚魔法とは魔物を呼び出す魔法です」
いや、意味はわかる。これでも俺はそれなりにゲームをプレイしてきたからな。召喚士なる職業があるゲームだって多いのも知っている。
まあ、せっかくフローラが得意気になっているのだ。それにツッコむのは野暮だろう。
「それで、なにを召喚できるんだ?」
「魔物です」
「どんな魔物なんだ?」
「わかりません。毎回違うので」
「……へ?」
意味がわからん。
毎回召喚できる魔物が違うということだろうか。
「私の召喚魔法はランダム召喚魔法なのです。なのでなにが呼べるのかわからないのです」
俺は苦虫を噛み潰したような表情になっているだろう。
見るとメグミ、ロキ、アツメルコ、フセルコの同様な顔つきになっている。意味がわかるが納得できないってことだろうな。
「……その魔法、なんの役に立つんだ?」
俺は全員の気持ちを代表して尋ねた。
するとフローラはハッとした表情になる。どうやら痛い所を突かれたようだ。
「……ええとですね。……お金に困っているときに呼び出して倒せばお金が手に入ります。……あとですね。……盗賊に襲われているときに呼び出せば、盗賊を襲わせることでその隙に逃げることもできますよ……」
苦肉の策としか言いようのない言い訳めいた回答だった。
要するに役に立たない魔法らしい。
「なら、試しになにか召喚してくれませんかっ?」
「そうね。ヨンバーンメの里以降、全然戦っていないから腕がなまってしまいそうだしね」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。腕試しといくかのう」
「……同意。……戦うのはやぶさかではない……」
女神たちが召喚をリクエストした。
するとフローラは満面の笑みを浮かべた。どうやら自分の魔法に期待されたことが嬉しかったようだ。
「わかりました。じゃあ、ちょっと離れたあっちの方に召喚しますね」
そしてフローラは両手を広げた。
すると50メートルくらい遠くの地点で金色の霧のようなものがモクモクと発生し辺りを包み込むのであった。
フローラも魔法が使えるのです。(`・ω・´)∩
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