576話 宿題をすべて終わらせたのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そして熱烈歓迎の人たちを左右に見ながら俺たちの馬車は石畳の大通りを進む。
そしてそんなときだった。馬車がいきなり停止したのだ。
「どうしたんだ?」
俺は御者席のアツメルコに声をかける。するとすぐに返事があった。
「ふぉふぉふぉ。セーブポイントがあるのじゃ」
言われて馬車の窓から前方を伺う。すると道の真ん中に青白く半透明に光る石柱があったのだ。確かにセーブポイントに間違いない。
「……そろそろいい時間だよな?」
「そうですねっ。途中で野営なんかもしちゃいましたしっ」
「そうね。遅い時間よね」
「……リアルタイムは……夜中……」
そうなのだ。
俺たちは今日、魔物討伐競争をしたり、その後街道で盗賊と戦ったり、野営をしたりした。そして最後には秀子ちゃんの緊急イベントでトロールたちとも戦ったのだ。
なので現実世界ではかなり遅い時間になっているはずなのだ。
「そうだな。……じゃあ、今日はここまでにしよう」
そう言って俺たちは馬車を降り、セーブポイントに触れるのであった。そしてゲームを終了し、俺の部屋へと戻るのであった。
■
「臥留子ちゃん。夜道、ひとりで大丈夫か?」
「……むう。……無問題……」
俺たちが自室へ戻ってからである。
着いたらすでに日付が変わっていた時刻だったのだ。
俺と恵ちゃんはこの部屋で暮らしているし、呂姫ちゃんと集子ちゃんはそれぞれ隣の部屋に住んでいるので問題ない。
だが、臥留子ちゃんはコンビニ近くの林の祠に住んでいるのだ。
もうこの時間だとバスもないし、徒歩で帰らなくてはならないのだ。なので俺たちが送って行くことを提案したのだが、臥留子ちゃんが辞退したのだ。
「……まあ、女神ですからねっ」
「そうね。悪漢に襲われても返り討ちよね」
「ふぉふぉふぉ。相手を女体化させれば勝ちじゃし、他にも神力が使えるからのう」
なるほど。
確かに身の危険の心配はなさそうだ。女神が人間に負ける訳がないしな。……それに得意な高速小走り走法で移動すればバスよりも早く帰宅できるだろう。
そして手を降った臥留子ちゃんは夜道の闇に姿を消すのであった。
■
翌朝。
いつも通りの時間に起きた俺と恵ちゃんは朝食を済ませると夏休みの宿題に取り掛かるのであった。
「……もう宿題はほんの少しだな」
「そうですねっ。この英語だけですっ」
そうなのだ。
俺は今までの人生で夏休みの課題を完璧に終わらせたことなど一度もなかったのだが、今年の夏は意外と真面目な恵ちゃんのおかげで、終わらせることができそうなのだ。
「……でも、恵ちゃんは英語も得意なんだな。日本の神様なのになぜだ?」
「私たち神にとって言語には壁がないのですっ。相手が言っていることも自然に理解できますし、こちらの意思を伝えるのも自然にできるのですっ」
なるほど。
……よくわからないが自動翻訳みたいなものだろう。なので女神たちにとって英語に限らず外国語すべてが自然に理解できるということなのだろう。
なんてチート過ぎるのだろう。
そして恵ちゃんに教わりながら俺は英語の宿題をすっかり終わらせることができた。これで今年の夏休みの課題はすべて完了したことになる。
なんとも感慨深いものだ。
――そして昼の12時になり、俺の部屋の扉がノックされるのであった。
初めて宿題を完璧に終えたのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。




