第14話:スターゲートコーラ合同会社始動!と政府のお偉いさんとの話
それから、有川さんと叶くんと相談して、会社の立ち上げが始まった。
有川さんの仕事は早かった。
数日後には、会社の為の定款を作って我が家に来た。
会社名:スターゲートコーラ合同会社
本店所在地:埼玉県深谷市○○町✕✕✕
代表社員:有川祐介
主な事業:商品仕入れ・貿易・流通管理
その他、事業目的や出資に関する事項などを定めた定款が、PDF数枚にまとめられていた。
あとは出資額だが、最初はコーラの仕入れも含め1000万でどうかと有川さんに言われたので、その額を出資することにした。ここからは、まず叶くんがどれだけ安いルートでコーラを仕入れられるかだ。
俺、本当に会社作っちゃうのか……。
会社を設立し、登記も終わったところで、叶くんから連絡があった。
政府筋に話は通したが一応、コハルとの顔合わせをしたいと言われていると連絡があった。
めんどくせえ……が、コハルに伝えたら
「契約の為の顔合わせは必要でしょ。私は構わないわよ」
というものだから、叶くんのセッティングでお偉いさんたちとの顔合わせが必要になってしまったのだった……。
顔合わせの日、えらく立派な車が迎えに来て、俺とコハルが連れていかれたのは、都内の大きなビルの地下だった。
うわ、なんかヒーローの秘密基地みてえってちょっとワクワクしてしまったのは仕方ない。
「こちらです」
叶くんの先導で、長い廊下を歩いた先の自動ドアの向こうには円卓があり、そこには国会中継などでしか見たことのない人たちがいた。
「抛勝利氏、ユーティ商団代表のコハル氏両名をお連れしました!」
叶くんのその声に、座っていた人たちが一斉に立ち上がる。
うわ、あれだ……特撮の作戦会議室の空気だ、これ。
ド緊張の俺の横で、コハルがにっこり笑った。
「皆様初めまして。ユーティ商団のコハルです。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」
おお、ちゃんと地球式の挨拶できるじゃん!えらいぞコハル!
「はじめまして。私は宇宙対応課の室長の塚口直之と申します」
真ん中にいた壮年のイケボの眼鏡の男性が挨拶をしたのを皮切りに、その場にいる人たちが次々と挨拶していくがぶっちゃけ全員は覚えきれない、無理。
適当に挨拶を返しながら、勧められた椅子に座る。
「では、まず……」
一瞬の沈黙の後、向こうの視線がコハルに向く。
「コハルさん。改めて、ユーティ商団のことについて教えてください」
「いいわよ。私の所属するユーティ商団は、第15銀河星団にある星で活動している宇宙での広い交易をしているの」
「第15銀河星団?」
「ええ。時空ワープを15回繰り返して、やっとこの太陽系に着けるくらい遠い場所」
「……」
「ユーティ商団は今、今まで商売をしたことのなかった星の新規開拓を進めているの。そして私は以前来たこの地球との交易を開拓するために来たのよ」
「……分かりました。ではこちらから次の質問を」
「どうぞ」
塚口室長がコハルをまっすぐ見る。
地球以外にも、今回のような新規開拓先はあるのか。
ユーティ商団は、どの程度の規模の組織なのか。
地球との取引を、商団の上層部も承知しているのか。
地球側に求める協力は何か。
その一つ一つに、コハルは丁寧に答えていく。
地球に関しては自分だけ。ただ、宇宙マフィアがこの太陽系を奪いたいと考えている動きがある。
ユーティ商団は第15銀河星団で一番大きな商団である。
地球との取引は自分に一任されている。
地球側に求めるのは、対等な取引です。
「まず、コーラを10万本仕入れたいと考えています。そのために彼らの協力を得て、地球側の会社を立ち上げたところなんです」
「会社……!?」
「はい。室長にはすでに報告済みですが、前にうちにいた有川祐介先輩。彼にお願いして代表になってもらって会社を立ち上げたところなんです」
叶くんが少し嬉しそうに報告する。
「なので、今後、コハルさんが仕入れたい商品の窓口は一本化できます!」
「いつの間にそこまで……」
「それは、コハルさんを抛さんが保護してくれたおかげです」
いや、そこで俺に振らないでくれ!
視線が俺に集まり、仕方なく口を開く。
「抛勝利です。コハルがうちの庭に落ちて来た時にコハルを追いかけて来た宇宙マフィアを見ました。でっかいトカゲみたいな宇宙人で、かなり戦い慣れている感じでした」
「宇宙でもやはりマフィアはマフィアということか……」
「コハルのおかげでそいつは無事撃退できましたが、まだ今後来る可能性があると言うことで、コハルはうちで保護することにしたんです」
「ほう撃退……それはどうやって?」
そこ聞きますか。
「それはこれです」
コハルが俺の手首を持ち上げる。
そこにはコハルがつけてくれたブレスレットがあった。
「これはパワードスーツの装着専用のブレスレットです。私たちからしたらおもちゃなんですが、地球ではかなりの力があるものらしく、勝利はこれを使って敵を撃退しました!」
「パ、パワードスーツ!?」
あ、叶くん、反応するのそこ……って、なんかお偉いさん全員、目がキラキラしてるんですが!?
……全員男の子ってことか……。
「ほ、抛さん……!それ、ちょっと見せてください……!」
にじり寄ろうとする叶くんにコハルが冷静に返す。
「あ、外せないわよ?これ、勝利用でアジャストしちゃったから」
「つまり専用品ということですか……?」
「そうね」
「な、なら、あの……!ぜひ、そのパワードスーツを装着したところを見せていただくわけには……!」
叶くん、ただのオタクになってる。
鼻息荒いよ。
「……コハル、いいのか?」
「そうね。一回くらいいいんじゃない?」
軽いな!
「分かった、やるか。ちょっと眩しいと思うので、皆さん、直接は見ないようにお願いします」
俺が立ち上がると、そこにいた人達はそれでもガン見してくる。
目を潰さないように気を付けてくれよ……?
俺は大好きな日本の初代ヒーローの変身ポーズを構え、ブレスレットの赤い石を押しながら。
「テイクオフ!!」
と全力で叫んだ。
恥ずかしい?
いや、それより気持ちいいが勝った。
これ、いわば、正体バレの一番熱いシーンみたいなもんだろ?




