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あの日、あの場所で見た星空  作者: ともり。


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第二十五話 夜が始まる

## 第二十五話 夜が始まる


仕事を終えて外へ出ると、

空にはまだ少しだけ夕焼けが残っていた。


かなは車へ向かいながら、

スマホを見る。


《着いたら連絡してください》


ゆうきから届いたメッセージ。


かなは小さく笑った。


《あと10分くらい》


送信する。


その時。


「かな、

最近帰るの早くない?」


後ろから、

同僚の声が聞こえた。


かなは少しだけ肩を跳ねさせる。


「そうですか?」


「なんか予定ある人の顔してる。」


かなは苦笑しながら、

軽く手を振った。


否定はできなかった。


海沿いのコンビニへ着く。


黒い車は、

いつもの場所に停まっていた。


かなが近づくと、

助手席の窓がゆっくり開く。


「お疲れ。」


ゆうきが小さく笑う。


その自然な声に、

かなの胸が少しだけ熱くなる。


「お疲れ。」


かなも笑い返した。


助手席へ乗り込む。


ドアを閉めると、

静かな音楽が耳に入ってくる。


前と同じ空間。


でも。


初めて乗った日より、

ずっと落ち着く。


「今日、

疲れてる顔してます。」


ゆうきがエンジンをかけながら言う。


「そんなわかります?」


「ちょっとだけ。」


かなは小さく笑った。


すると。


「はい。」


コンビニ袋が差し出される。


「え?」


「今日は甘いやつ。」


中には、

かながよく飲むカフェラテが入っていた。


「……また覚えてた。」


かなが小さく呟く。


ゆうきは少し照れたように前を見る。


「なんとなく。」


車は静かに走り出す。


窓の外。


夜が、

ゆっくり始まっていた。


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