1章
今日僕は、優等生として初めて登校する。
一般生の友達に別れを言う暇もなく決まってしまった。
それほど仲の良い友達がいたわけではないのだが。
それにしても僕が新人賞なんて今でも信じられない。
2度目となる優等生フロアに足を踏み入れ、自分の部屋の前に立った。
大きく息を吐いてから部屋に入る。
何度見ても豪華な部屋だ。
よく見るとソファーの近くに誰かが立っている。
小さくて金髪をツイテールにしている女の子だ。
「あの、どちら様ですか?」
「本日から天童様のお世話をさせて頂く、本城茜です」
「お世話?!」
「はい、本校では優等生一人につき一人のメイドが付くことになっています」
「メ、メイド?おいおい嘘だろ」
現代日本にメイドがいたとは驚きだ。
「私は近くにいるのでいつでもお声かけください」
そう言って壁際に下がっていった。
昨日と違う所はまだあった。
大きなデスク、パソコン、プリンターなどが置かれている。
小説家にとってこれ以上ない設備だ。
早速仕事に取り掛かろとするがグゥーと豪快に腹の虫がなってしまった。
「ご主人様何か食べ物をご用意しましょうか?」
「朝飯を食べてないんだ、メニューとかあるのか?」
「いえ、ご主人様の注文通りの料理を作らせて頂きます」
「あの、そのご主人って言うのやめてもらえる?」
「ではなんと呼べばよろしいでしょうか?」
「普通に誠でいいよ」
「では誠さんと呼ばせて頂きます」
こんな可愛い女の子にそう呼ばれると照れる。
「朝食はどうしましょうか?」
「じゃあパンと目玉焼きとコーヒーをお願い」
「かしこまりました」
10分ぐらいで注文通りの朝食がきた。
普通の目玉焼きとトーストのばずなのにびっくりするぐらい美味しい。
トーストのバターがとてもジューシーだ。
その後は真面目に仕事に取り組んだ。
今はやる事がすごく多い。本の帯にのせるあらすじや、授賞式でのコメントを考えたりと。
それに結果を残さないと退学というのが何よりも怖かった。
暫くするとかなり長い時間座りっぱなしだったので肩が痛くなってきた。
「本城さん湿布を貰ってもいいかな?」
「肩が凝っていらっしゃるのですか?」
「ちょっとやり込みすぎてさ」
「では肩を揉んでさしあげましょう」
「い、いやそれはちょっと」
もう、本城さんは腕をコキコキいわせなが近づいている。
僕のすぐ後ろに立つと肩の上に両手をおいた。
「ひゃっ」
思わず声を上げてしまう。
「動かないで下さい」
言われるままにじっとしていると、優しく程よい力強のマッサージで肩がほぐれていく。
「上手だね」
「はい、しっかりと訓練していますから」
「そうなんだ」
気づくと、すっかり肩の凝りはなくなっていた。
「ありがとうもう大丈夫だよ」
本城さんは静かに下がって行った。
今日1日はとても快適に仕事をすることが出来た。




