プロローグ
僕は高校1年生にして小説家でもある天童誠だ。
僕が通っている高校にはすごい人がたくさんいる。
例えば、陸上オリンピックで金メダルとったひととか、ピアニストとか、びっくりするぐらいお金持ちの人とか。
この、由夢学園には他の学校と少し違い通常教科の勉強がない。
やりたければやってもいいけど、ほとんどの人は数学や英語は勉強しない。
自分がしたい事だけをしている、そんな学校なのだ。
その日の朝もいつもと変わらずご飯をたべて学校に向かう。
僕は一般生なので普通の教室にむかった。
一般生は特に優れた才能がない人が集まっている。
さっき挙げたような優等生の人達は一人一人に部屋が与えられていて、自由なことをしてもいいのだ。
どんな部屋なのかは僕もしらない。
そんな別世界の話は置いといて、今日は僕にとって特別な日だ。
待ちに待った新人作家賞の発表が今日学校に届のだ!
僕は終礼が終わると職員室に飛んでいった。
「1年B組の天童です!」
「おー、天童か結果届いてるぞ」
手渡された封筒をすぐに破くと一枚紙が入っていた。
そこに書かれていたのは『天童様この度は新人賞受賞おめでとうございます……』
「よっしゃーー」
僕は、職員室で張り裂けんばかりの大声をあげた。
「良かったなこれでお前も優等生だ」
「え?」
「そりゃそうだろ、新人賞作家を一般生のままおいておくこともできまい」
まさか自分が優等生扱いされるとは夢にも思っていなかったから動揺して言葉もでない。
「明日から移動だからそのつもりでな」
「は、はい」
「今から案内するから付いてこい」
2階の優等生フロアにあがり、少し歩いたところの部屋で先生は立ち止まった。
入ってみろと言われ部屋に1歩踏み込む。
「んじゃこれー」
「どうだ、すごいだろ」
「なんで学校に露天風呂ついてるんですか」
「優等生の人達にはリラックスして取り組んでもらわないとな」
高級ホテルいや、それ以上かもしれない。
きらびやかなソファーにシャンデリア、高価そうな絨毯など目がくらみそうだ。
「あと、食べたいものや欲しいものがあればなんでもこちらで用意する」
「いくらなんでもこれはやり過ぎじゃないですか?」
「日本の未来を背負う者達だからこらぐらい何ということもない」
すると先生は人差し指を立てて言った。
「ああ、それと言い忘れてたが、あんまりにも成績が思わしくない場合退学になるからな」
「えっ…た、退学ですか…?」
「そうだ。昔は一般生に戻るだけだったんだが、それはつまり『次』がある、ということだからな。油断して手を抜くやつが出てきたんだよ。『もし上手くいかなくて一般生に戻ってもまたそこからやり直せばいいや』ってな」
「な、いや、でも、退学はちょっと…」
「やりすぎだと思うか?でも、こっちもタダでやってるんじゃない。お前らの可能性にかけて、そんじょそこらの学校じゃ到底できないような額の出資をしている。だから生半可な気持ちでやられたら困るんだよ」
「……」
いきなり崖っぷちに立たされた気分で、何も言えないでいると、先生は笑いながら僕の肩を叩いて言った。
「はっはっは、そんな顔すんなって。大丈夫だ、お前には才能があるんだから、一生懸命やってれば何も問題はない。さっきは脅すような言い方をしたが、要は『全力でやる生徒には学校も全力で協力する』って、それだけのことだからな。まあ、これから頑張れよ」
こうして僕の高校生活は色を変ることとなった。




