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ルーンブレイド  作者: さくらんぼえっくす
10/31

 -9- -ネオ救出-

ようやく主人公が出てきました(寝てますが)



「まだ微かに息はあります!! ですが、体温が低すぎる!! 早く上に戻って暖めないと!!」



 パレットがネオを抱きかかえ叫ぶ。




「こっちも大丈夫だ!! ティナは気絶しているだけだ!!」




 レオナルドはティナを抱きかかえていた。いきなりの緊急事態に、二人は慌てた。




 ネオの発見は容易であった。ジークの言葉通り川の傍にネオは居た。

 ティナが歩み寄り、5分程集中しただろうか? 意を決し氷柱に右手を添えると、ルーン文字が黒く右手に浮かび、激しい音を立て、氷柱は崩れ去った。ティナは右手に激しい痛みを受け、そのまま糸の切れた人形の様に、倒れこみ気絶した。


 すかさずレオナルドはティナに駆け寄り、パレットは崩れ去った氷柱の残骸から、ネオを見つけ出し、両脇を持ち、引きずり出した。



 二人はそれぞれ、意識の無いティナとネオを背におぶると、そのまま地上へと引き返した。二人の体力は共に限界を超えていたが、必ず助けるという信念が、二人の足を止めることを許さなかった。レオナルドは、ティナをおぶりながら、右手に見えるルーン文字が、ミネルバの時と同じく、消えなくなっている事実に気づき、心を痛めていた。



 ノアルの地下町に戻った時には、もう大分日も暮れ、辺りは真っ暗な闇となっていた。布と木で簡易的に作られたレオナルドの住まいに入り、二人を寝室に寝かせ、レオナルドとパレットはようやく一息付いた。

 そして精魂尽き果てたのか、二人はそのまま眠ってしまった。




「レオナルド・バルフォア!! パレット・バーグ!! 朝よ!! 起きなさい!!」



 激しく表の扉を開け、同じ地下町に住む、元騎士団仲間のマリエルが二人の様子を見に来た、基本下町の家に鍵など付いてはいおらず、誰の家にでも自由に入ることが出来た。二人は余りの騒がしさに目を覚ました。



「マリエル、来てたのか」



 レオナルドが眠たそうに目をこすりながら答える。


「来てたのか、じゃないわよ! パレットが帰ってこないんだから、そりゃ来るでしょう? ティナは何処いったの? それからネオは救出出来たの?」


 マリエルがまくし立てるように質問する。


「大丈夫だ、二人共向こうの部屋で寝てるよ」


 レオナルドは親指で後ろの部屋を指差し、そう答えると、近くにあった椅子に腰掛けた。まだ疲れが抜け切っていないのか、疲労困憊の様子でぐったりとしている。


 マリエルはレオナルドの答えを聞き安心したのか、緊張を解いた。


「そう、じゃあとりあえずは成功ってことね。ようし、皆のご飯作ってあげるわ、レオナルド、台所借りるわよ」


 レオナルドはどうぞという仕草を見せた、マリエルはレオナルドの脇を抜け、パレットに近づき、足を小突いた。


「いつまで休んでるの! あんたは手伝うのよ!」


 パレットは渋々立ち上がり、


「人使い荒いんだから……」


と呟き、台所に二人消えていった。




「パレット、その顔の傷はどうしたの、あんまり心配掛けないでよ」


 台所に入ると、急にマリエルは口調を変え、パレットの心配をした。


「大丈夫ですよ、もう血は止まってます」

「ティナは? あの子の様子はどうなの? 本当にだた寝てるだけなのね?」


 マリエルは、ミネルバが亡くなってから、ずっとティナを妹のように可愛がってきた。そんなティナが母ミネルバと同じ道を辿ろうとしていると知り、心配で仕方が無かった。


「とりあえず今は寝てるだけです、すぐにどうこうという事はありませんよ」

「そう…… よかった……」


 マリエルは複雑な表情でそう答えた。


 ティナの前では笑顔で居る、そう心で誓っていたマリエルだったが、パレットの前では本音がこぼれた。



「なんで、なんであの子まで死なないといけないの? 母親が死んで、あの子は十分苦しい思いをしたじゃない! なんで穏やかに暮らせないの? なんで……」


 ぽろぽろと涙を落とすマリエルを見て、パレットは優しくマリエルを抱きしめた。 



 そうしている内に、寝室の扉が開き、中からティナが起きてきた。



「ティナ!」


 レオナルドが顔を起こし、ティナを呼ぶ。


「お父さんごめんね、私気絶しちゃったみたいで、起きたらネオさんが隣で寝ててびっくりしちゃった。でも良かった、助かったんだね、ネオさん」


 ティナはいつもと変わらない表情で笑っていたが、右腕に浮き出たルーン文字が、レオナルドを又、辛い気持ちへと落としていった。



「ティナ!!」


 すると、ティナの声が聞こえたのか、台所から物凄い勢いでマリエルが飛び出してきた。


「あんた!! 大丈夫なの? 身体はなんともない?」


 マリエルはティナの両手を掴み、心配そうにまくし立てる。そして右腕のルーン文字に気づいた。


「これは…… ティナ、あんた腕は痛くないの? 本当に大丈夫?」


 ティナの前では常に笑顔でいると、自分に義務付けていたマリエルだが、今にも涙が零れ落ちそうであった。



「大丈夫よマリエル、こんなの平気。全然痛くないし、マリエルったらまるでお母さんみたいだよ」



 そういってティナは笑った。


「お母さんは酷いわね、私はまだ27歳よ、せめてお姉さんと呼びなさい」


 マリエルは涙を隠し、笑った。その場にいたレオナルドとパレットにも笑顔が戻った。



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