第13話 お約束?
7/27 モゲタラのレベルを25から15にしました。ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします。
「ミゼル!!!」
「エルファン様!!!」
森を出た俺達を見つけたエルファンは急いで駆けて近寄ってくる。そしてミゼルもエルファンに気がついて駆けていく。
「ああ、無事で良かった!心配したんだ!それよりも僕一人で逃げてごめんよ」
「いえ、いいのです。私はエルファン様をお守りするために付いてきたのですし、本当にご無事で良かったです」
二人で見つめ合いながら二人の世界で浸ってるようだ。
この二人、貴族と従者というよりは恋人同士といった方が早いんじゃないだろうか?俺には関係ないけど。ってかいつまで見つめ合ってるんだ。
「ゴホンゴホン」
俺はわざとらしく咳をしてやる。決して悔しいからではない!本当に悔しくないんだからね!
二人ともどうやらこっちの世界に戻ってきたみたいだ。
「リュート、君のおかげで助かったよ。ありがとう!」
「本当にエルファン様や私達を助けていただいてありがとうございます」
「それはいいんだけど、他の二人の奴隷は助けられなかった」
「いや、ミゼルやレモが助かっただけでも嬉しいよ。あとの二人には申し訳ないことしたけど…」
「まあ、そう言ってもらえると助かるよ」
「じゃあ、そろそろ僕達は帝都に戻るよ。お礼も改めてしたいから君の泊まってる宿屋を教えてくれないか?それか僕達の【灰色の熊猫亭】に来てもらってもいいんだけど、どうしようか?」
「それなら俺達が【灰色の熊猫亭】に行くよ。」
「そうか、じゃあいつでも訊ねてきてくれて構わないよ。多分暫く出かける予定もないからね」
それじゃあと声を掛けて三人は戻っていった。
メロリはまだ夢の中にいたので起こしてやる。
鑑定したらレベルが3から8になっていた。
あー、もしかしてレベルが上がると眠たくなるのかね?俺の時もレベルが上がったときやたら眠くてあっという間に意識を失ったけどあれと同じ状況がメロリにも起きたのかもしれないな。
「んー、おはようございます。ご主人様」
「うん、おはよう。そろそろ行くけど起きられるかい?」
「大丈夫です」
「じゃあ行こう」
随分と時間が過ぎているので、なるべく早く回収していくか。
森を少し入ったところで、群生地をつけたので採り過ぎないように注意しながら薬草を採集する。
気がついたら100本ほど採集していた。
メロリにも採集の仕方を教えたので、メロリも80本ほど採集している。
二人で180本だが、この群生地の三割くらい採集したくらいだ。まぁ薬草は足りないことのほうが多いから多少多めに持っていっても大丈夫だろう。
無限収納の中にしまい、次はホーンラビットの討伐だ。
マップとスキルを駆使してホーンラビットを探すと草原の中央くらいにいるので、そちらに向かう。
歩いていると、休憩が出来るところを見つけた。そういえば、まだお昼ご飯を食べていなかったのを思い出す。
俺はレモを助けたときに思いっきり嘔吐していたので食欲が無いし、さっきの光景を思い出すだけで酸っぱい物がこみ上げてくる。
しかしメロリはお腹が空いてるだろうし、俺が出してやらないと食べれない。
あとはホーンラビットを5体倒すだけだし、多少休憩しても大丈夫だろう。
「メロリ、ここでお昼ご飯を食べよう」
「はい!ご主人様」
メロリは嬉しそうに尻尾を振っている。やっぱりお腹が空いていたみたいだ。
俺はお弁当を取り出し、メロリに渡してやった。
今日のお弁当は、サンドイッチだ。バケットみたいなパンに野菜とチーズ、ローストされた肉が挟まれている。
うん、美味そうだ。さっきまで食欲がないだの酸っぱい物がこみ上げるとか言ってたのが嘘のようにお腹がぐぅとなる。
何というか、落ち込んでてもお腹は空くらしい。
「ご主人様、食べないのですか?」
メロリは上目遣いで俺に聞いてくる。ああ、俺が食べないと食べれないか。
「いや、食べるよ」
俺は手を合わせて、「いただきます」と呟いた。
メロリも同じように手を合わせ「いただきます」と言う。
「あれ?いつの間に覚えたんだ?」
「ご主人様は食べる前に必ず『いただきます』と言ってるので、儀式なのかなって」
ああ、そうか。確かに言ってたかもしれない。
「メロリ、いただきますってのは作ってくれた人に感謝しながら食べるっていう意味もあるけど、命をいただきますっていう意味も含めているんだ。例えばこのローストされた肉だって、元はといえば生きていた野兎やワイルドボアだったりするだろう。その肉を食べるということは俺達の血や肉になる。俺達は常に他の生き物の命を奪いながら生かされてるんだ。そのことに感謝しないと駄目だよな」
メロリにお説教臭い事言ってるが、本当は自分自身に言っている言葉だ。
俺達はこれからも生きていくにあたって何度でも動物や魔物を殺すことになるんだと思う。
その中には食べることもあるだろうし、敵として出てきた場合は生き残るため命を奪うことになるだろう。
生きていくためにはそれらの犠牲があって生かされていることを忘れてはいけないな。
「メロリも感謝しながら食べます」
「うん、そうだな。感謝していただこう」
この日食べたサンドイッチは格別だった。
食事休憩も終わり、ホーンラビットの討伐をするため俺達は移動する。
ホーンラビットをちょっと離れたところに見つけたので、メロリに止まるように指示を出す。
俺はワイルドボアとの戦闘の時にメロリが【石投げ】を見せてくれたので俺も覚えた。
それでその【石投げ】を試してみたいのでちょっと離れたところにいるのだ。
落ちている石を拾い、ホーンラビットに向けて軽く投げてみる。
ビューン!バスッ
当たった。ってか、今のでホーンラビットのHPが残り10になった。瀕死状態だ。
ええええええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
ちょっと軽く投げただけでこの威力・・・あまりうかつなことは出来んな、これ。
「凄いです!ご主人様!」
メロリははしゃいで尻尾をブンブン振りながら喜んでいる。
急いで瀕死状態のホーンラビットの所へ行きメロリに止めを刺してもらう。
良かった。危なく倒すところだったよ。
石がホーンラビットを貫通して、HP10から徐々にHPが減ってきてたのでやばかった。
「メロリ、こいつも解体頼めるか?」
「お任せください!」
俺に頼まれるのが嬉しいのか尻尾をフリフリしながら答える。
ホーンラビットも討伐証明部位の角をまず取ってから、毛皮と肉に分ける。
相変わらずの手際の良さだ。
とりあえず、ワイルドボア12頭の解体を見ていたおかげなのか、先程よりは少し平気になったとは思う。でも、あんまり見たくないけどね。
「あと4体だな。頑張ってやってしまおう」
「はい、ご主人様」
ホーンラビットを見つけては俺が惹きつけてメロリに倒させる。
ようやく5体倒し終わった頃には日が傾いていた。
急いで門まで戻ることにする。
「よう、リュート。調子はどうだった?」
「おかえりなさい」
南門に着くとメクソンさんとエリックさんが出迎えてくれた。
半日だけ離れていたのにこの二人を見て気持ちが落ち着くのが分かった。
「ただいま戻りました。何とかホーンラビットも倒せました」
「そうか、良かったな」
「それはおめでとうございます」
二人ともいい笑顔だ。
メクソンさんとエリックさんに報告してからギルドに向かう。
ギルドに入ると、リラさんが俺達を見つけて手を振ってくれた。
「おかえりなさい、リュートさん。どうでしたか?どこも怪我とかされてませんか?」
「ただいま戻りました。いえ、大丈夫です。依頼の報告いいですか?」
「えぇ、もちろんです。どうぞ」
俺は、薬草100本とホーンラビットの角を出した。
「え?こんなにも薬草を取ってきたのですか?凄いですね」
「二人で取ったので多く採集しましたけど、群生地の三割しか採ってないです。それから素材とかって買い取ってもらえるものですか?」
「ええ、出来ますよ。状態にもよりますが、大体のものは買取出来ると思います」
「こちらもお願いします」
俺は自分達で使う分を除いてワイルドボアの肉と皮とホーンラビットの肉と毛皮、魔石を取り出した。
「え?ワイルドボアの皮と肉ですか?リュートさんこれをどこで?ワイルドボアは群れる習性のある魔物です。これも群れだったのでは?」
「ええ、そうですけどメロリが倒してくれたようなものです」
「そうですか、ご無事で何よりです。では買取の金額を出すまで少々お待ちください」
リラさんはそう言って素材を全部チェックしていく。
「お待たせしました。まず、薬草の依頼は10本で大銀貨1枚でしたが、この薬草は品質がとても良いものなので報酬を大銀貨1枚と銀貨5枚にさせていただきます。それが100本でしたので、金貨1枚と大銀貨5枚になります。それからホーンラビット討伐の報酬大銀貨2枚とワイルドボアの肉、皮が10頭分ですので、金貨2枚と大銀貨5枚になります。ホーンラビットの肉と毛皮は大銀貨7枚と銀貨5枚です。魔石ですが、こちらは全部で17個でしたので大銀貨1枚と銀貨7枚です。合計金貨5枚と大銀貨1枚と銀貨2枚です。それでよろしいですか?」
「はい、結構です」
「それから薬草の依頼は常時貼り出されてますので、10本に1依頼とカウントして100本お持ちいただきましたので依頼を10回達成したことになります。ですので、リュートさんは今回の依頼で10回達成されたことになりますので、Eランクとなります」
え?もう?マジで?
「それではギルドカードをこちらに渡してください」
俺は言われたとおり緑のギルドカードを渡す。
暫く待っていると、リラさんが戻ってきた。
「お待たせ致しました。こちらがEランクのカードと報酬のお金です」
カードとお金を受け取り、お礼を行ってギルドを出る。
冒険者ギルドを出て宿屋に向かうのだが、どうやら俺達の後を何者かがつけているみたいだ。
このまま宿屋を知られるのも良くないし、とりあえずなるべく人通りの少ない道を歩いていく。
ほとんど人気の無いところまでやってくると、待っていたかのように声を掛けられる。
「よぉ、兄ちゃん。さっきはギルドでたんまり貰ってたじゃねぇか。オレたちさぁ、今日の飲み代が無いんだよね。兄ちゃんの貰ったお金でオレたちに奢ってくれねぇかなぁ?」
おおう、テンプレキターーーーーー!!!!
絡まれた、絡まれたよ!よくあるパターンの感じ!
俺達は前と後ろでむさ苦しいおっさん達に挟まれたよ!人数は5人だ。
下品な顔に醜い笑顔を浮かべ、武器を片手ににじり寄ってくる。
とりあえず鑑定してみたがレベル15くらいだ。名前はモゲタラ。
モゲタラって…だっさ、マジで変な名前だろ!!こいつの親のネーミングセンス疑うぜ?
だめだ、おかしくてお腹がいたい。堪えきれずふきだす。
俺が笑ったのが気に食わなかったのかモゲタラ達は怒りだした。
「てめぇ、何笑ってやがるんだ!さっさと金寄越せや!」
「アニキ!こいつめっちゃカワイイ女の子連れてますぜ!」
「あ?オレは巨乳のエロイ女が好きなんだ。ガキには興味はねぇ!」
「じゃあ、アニキこの女の子はおれが頂いてもいいっすか!?」
「好きにしろ!」
な、なんだと・・・?
人のお金ばかりか俺の仲間にも手を出すだと?しかもメロリは11歳の女の子・・こいつも変態か!?
許せん!変態は俺が成敗してやる!
「人の金を当てにし仲間に手を出す下種野郎達に渡す金も無いわ!」
「何だと?聞いてりゃ調子に乗りやがって!」
モゲタラが剣を片手に突っ込んでくるが、避ける。
次々と下種野郎共が突っ込んでくるが全て避けた。
「メロリ、ちょっとギルドに行って人を呼んできてくれ!」
「は、はい!ご主人様!」
メロリが行こうとするのを先程の変態が阻む。
「見れば見るほど可愛いなぁ。おれが後でたっぷりと可愛がってやるから大人しくしてろよ」
俺は、無限収納からトレントの木材を取り出し、変態に投げつけてやった。
「ほげっ!」
変態が木材と一緒に壁にぶつかる。骨の折れる音が聞こえる気もしたが、それは今は関係ない。
「今のうちに行け!」
「はい!」
メロリは全速力で駆けていく。犬の獣人なので全速力だとほぼ普通の人間だったら追いつけないだろう。
「てめぇ、何しやがる!」
「何しやがるだと?それはこっちの台詞だ!俺は変態を成敗したのみ!」
モゲタラの怒りは頂点に達する。
「もうただじゃおかねぇ!てめぇを殺して、金もガキも奪ってやる!」
4人がかりで攻撃を仕掛けてくるが、全て回避する。
「こいつチョロチョロしやがって!」
更に攻撃が増すが、そんなもの今の俺には通用しない。
あまりにもしつこいのでちょっと試しにモゲタラの腹にパンチを食らわしてやった。
「ゲフっ!!!!!」
バーン、ボテッ、ゴロゴロゴロ・・・・
壁に当たってゴロゴロと転がるモゲタラ。
ちゃんと手加減はしたよ、うん。イラッとしたからってほんのちょっぴり力を込めちゃったかもしれないけど、でも手加減はした・・・多分・・・きっと・・・
「モゲタラのアニキ!!」
「「アニキ!」」
モゲタラが吹っ飛んでいったことで呆然とする下種野郎達。
さすがにやり過ぎたか?と思って鑑定してみたら状態が【骨折】だった。まぁ死ぬようなこともないから放っておく。
「てめぇ、よくもアニキを!!」
3人がかりで掛かってきた時にちょうど声がした。
「そこまでヨ!」
声のする方向を見ると、そこには筋肉ムキムキマッチョのピンクのパイナップルお化け・・レティナットさんがいた。
お読みいただきありがとうございます。




