93話 鑑定眼君が言うには土は寝かせるらしい
「カマチョ、ボクじゃ届かないから、「うぃーぃー キュルキュルキュルー」……この粉をこのコップ一杯に「うぃーぃー キュルキュルキュルー」……入れて、あのさっき耕してもらったあの土に「うぃーぃー キュルキュルキュルー」……」
もー、セバス。粉々にしてくれてありがたいけど、音が邪魔だよー、もうっ
とりあえず、セバスが作業終わるまで待つかっ。
うぃーぃー キュルキュルキュルー
うぃーぃー キュルキュルキュルー
キュルキュルキュルルルッ
「坊っちゃん、終わりましたよ。」
えー、早ーい。けど、あの(偉い?ね?偉いよね?褒めて?)って顔の期待に応えたくないんだけどー。
「セバス、アリガトウ、スゴイネ」
思わず、カタコトになっちゃうのは仕方ないよね?
「ごめん、お待たせ。カマチョ、ボクには届かなくてこの粉を取れないからこのコップ一杯粉をすくってくれる?」
「はい、坊っちゃん、まかせてくだせ」
「それを、さっきの耕した土に混ぜてみてよ」
「はい」
カマチョの作業を見てる。多分カマチョの土魔法だろう。目の前で土と魚の骨の粉砕が混ざっていく。
「坊っちゃん、これできれーに混ざったはずですが、これでよろしいのですかえ?」
うーん、正直、分量が分からないや。
どうしよう?この土の状態が分かればなー。こんな時に使えるのが、鑑定じゃないのか?ボクの鑑定はアッチの鑑定ばかりでこんな時大事な時に役にたって欲しいのに。
《《ご主人様、やっとお呼びですねー。早速鑑定致します。この土は、魚骨が多すぎます。そのまま使うと食物は腐ります。土を同じ量増やしてください》》
えー、なに、ボクの鑑定眼君。なんか、まともなんだけど?今までそんな素振りなかったじゃん。あれ?こんな高度な鑑定もできちゃうのー!だったら先に言ってよー。
《《はい、私は万能ですよ。視る時はその物体の状態を視ることが出来ますからね》》
じゃ、なんで今まで隠していたのー。
《《隠していた訳ではありません。ご主人様が強く願ったから発動致しました。今後もどうぞお贔屓に》》
ってー。ありがたいけど、まずびっくりだよー。
「カイくん、カイくん、大丈夫?どうしたの?急に無口になったかと思ったら一点見つめてぼーっとしてるけど、大丈夫なの?」
ママの声でちょっと落ち着いたぞー。
よし、じゃ、これから鑑定眼君使わせてもらうよ。いいね?
《《はい、もちろんでございます。ご主人様、なんなりとお呼びください。しかし、ご主人様はまだあまり私を使いこなせてはおりません。ですからっ!使いすぎると魔力切れを起こして倒れますよ。今も使い始め、もうすぐ魔力切れになるので私は一旦これで。あ、最後に今のあの土、土を2倍にして1週間寝かせてみてください。その時にまた私をお呼びください》》
おっとー、少しクラクラする、これには覚えがあるなー。
「ママ、大丈夫だよ、ありがとう。あとね、この土は一旦はこれで終わり。1週間寝かせて、1週間後にまた様子みよ」
「そう、すぐ使える訳じゃないのね。1週間後まで楽しみに待ちましょ。」
「では、カイくん、この土はどうするの?どうやって寝かせるの?」
「土の中の状態が落ち着くのを待つって事が、《《土を寝かせる》》っていうの。」
「カマチョはこの肥料を混ぜた土を空いている瓶に入れて置いてくれる?」
「あと、セバスが粉にしてくれた魚の粉は一旦置いといて。乾燥させたままね、湿気に気をつけて。」
ボクは次々に指示を出していく。
カマチョが他の庭師たちも呼んで、新しい肥料となる魚粉の混ざった土を次々に瓶に納めて運んでいく。
セバスは「1週間後が楽しみですね」って言って、いつもの仕事に戻っていった。
「ママは、1週間後を楽しみにしててね。」
鑑定眼を使ったせいでボクは魔力切れが近いらしい、ぐったりしそうなところを何とか堪えてる。そんなボクをママが抱きしめる。
「カイくん、さっきから少し様子がおかしいわよ。大丈夫?ママが癒すわ」
「カイくんの体を癒して」
ポアン。ママの治癒魔法だ。
「ママありがとう」
「どういたしまして」
ママがボクを抱きしめてくれた。
ママありがとう、大好き。




