209話 神官長への挨拶は浣腸ポーズ&王妃のおばあ様の突然の訪問
ボクはマールの言う通りに、床に膝をつき、祈る姿勢をとる。
「では、坊っちゃま、人差し指だけは立てますよ。そう両方の人差し指です」
ボクは言われた通り両方の人差し指を立てた。
「ねーなんで、人差し指を立てるの?」
「理由は分かりません。これまでずっとそうでしたからね。疑問に思った事もありません。考えたら不思議ですね。なんで人差し指を立てるのでしょうかね。」
「分からないならいいや。それからどうするの?」
「はい、胸の位置にその拳を持ってきます」
「うん」
「いいですか?」
「神」
「次は腕を高く伸ばして」「館長」
ブホッ、いやいや、待ってー。
浣腸だよ、このポーズ。
しかも、館長って言いながらするこのポーズ。もう浣腸でしかないし。
ぶぶぶっー、あはははは。
だめだ。これ真面目にできないよー。
だって浣腸だよ。仕草も浣腸じゃん。
小学生の時に流行ったじゃん。
快斗の時、みんなに浣腸しまくってさー、スカートめくりした時と同じように先生にめちゃくちゃ怒られたなー。母さん学校に呼び出されて、先生に平謝りしていたね。
今はやらないけどさっ。
「カイトお坊ちゃま、なんですか?何を笑っているんですか?ダメですよ。当日は無ですからね。ほら、無。カイトお坊ちゃま得意の顔ですよ。」
待ってー、無で浣腸ってそれこそ笑ってしまうじゃん。しかも、子どもがみんな神官長に向かって、この浣腸ポーズするんでしょー。やばい、やばい、お腹痛い、笑いすぎ。
ボク、絶対笑っちゃうよ。
ひー、ひー、ひー、お腹痛い。
なんだか気の抜けたマールはボクが落ち着くまで、ちょっと戸惑いながらも待っててくれた。
「なんだ、どうした?カイトの楽しそうな笑い声が聞こえたんだが、何をそんなに笑ってるんだ?」
「あのね、神官長への挨拶がね、笑えるの?」
「ん?どこが笑えるんだ?」
やめてー、パパも浣腸ポーズ繰り返さないでー。あははははは。
ボクは笑いつつも笑ってしまった理由を話す。
「あのね、かんちょうっていうのは、別の意味があっておしりのねっ、ブホッ、穴に指を突っ込むのよ」
「は?なんだそれは?そんな危ない事を覚えるんじゃない」
パパ勘違いだよー
「あのね、違うのよ。お尻にお薬を入れる医療行為のことで、あの動作がね、浣腸っていうの。館長が浣腸するって動作と名前が同じだったから、おかしくなったのよ」
ブホッ
「そうか、わかった。当日失敗しないように、なっ」
パパも想像しちゃったのかな?
ってのどかな生活を送りつつ、平和な日々を送っていたのに。
嵐は突然やって来るものだねー。
なんか屋敷中バタバタし始めたよ。
どうしたのかな?
「カイトお坊ちゃま、不急の用だとお父様が執務室に来るようにとお呼びです」
ん?なあに?何かな?
ドアをノックし、「カイトです」と告げる。
「ああ、入りなさい」
中に入ると見知った顔がいる。
ボクは臣下の礼をする。
「なんだ、カイト、この前みたいにおじい様と呼んではくれないのか?」
「おじい様、こんにちは」
隣にいる淑女はあれかな?王妃様?
めちゃくちゃ見られてるけど?
「おー、そうだ、お前のおじい様だよ。そしてこの国の王妃で私の妻、そしてお前のおばあ様だよ。」
「はじめまして、カイトです。王妃様に置かれましてはっ」
「だめよ、おばあ様でしょ?はじめまして、カイトちゃん。あらあら、ダウニーの小さい頃にそっくりね。ずーっと、ずーっと会いたかったわ。よくお顔を見せてっ」
間近で見るおばあちゃんはパパによく似た顔をしていた。豊満な体は年齢を感じさせない位で抱きしめられた温もりはママとはまた違うなんだかほっとする温かさだ。
「ダウニー酷いわ。私もずーっとあなたの子どもたちにも会いたかったのよ。戦後復興の忙しさで王都から出れないのを知っていながら、会わせにも来ないなんて。デュランが先日あなた達の所に行って孫にもあって、美味しすぎる料理も食べたって自慢するじゃない。いてもたっても居られないから来ちゃったわ」




