203話 興味深い男からの危機感
パパと話し合い。
「ねぇ、パパ。スライムのことで集めた人をどうするの?」
「ああ、集まった人には、これからのスライム産業で働いてもらおうと思っている。囲ってしまう方がいいだろ。これから忙しくなるからな。今の給金より多く払って製法、材料など口止めだな。」
「そうだねー、材料も製法もバレたくはないよね。いずれはバレてしまうかもしれないけど、しばらくは独占したいよね」
「ああ」
その日の午後。
謁見室に集まった、清掃員たち。1部家族だろうか?私はセバスと共に彼らの前に立つ。
「皆、集まってくれたな。急に呼び出して悪かった。」
何を言われるのか、少し戸惑っているようだ。
「実は、君たちに新たな仕事を与えるためにここに集まってもらった。」
「新しい仕事だって?そりゃまた突然過ぎやしませんか?」
「そうですよ、領主様。俺たちにも仕事があるんだ。急に新しい仕事って言われてもっ」
「どんな仕事かわからねーうちに、了解はできねーでっせ」
「「「「「「「あー、そうだそうだ」」」」」」」
戸惑いや反発心が飛び交う。
「今から説明をする。皆静かに」
セバスの人を従わす低音の声に一同は黙り込む。
「悪いな。実はスライムを使った事業をこれから始めるんだが、その仕事はかなり大掛かりな仕事になるので、それで皆に手伝って欲しいのだよ。」
「スライムだと?なんだ。何がある」
「昨日のスライム大量発生したことに関係あるのか?」
「何ができるんだ?あの雑魚魔物だろ?」
疑問が飛び交う中、
「なあ、みんな、領主様の話をもう少し詳しく聞いてから判断したらどうだ?」
「ああ、そうだな」
みなが頷く。
しばし落ち着くのを待つ間私は先程、私の話を聞こうと言った男を見る。
背が高く、がっちりとした筋肉質の30代半ばの男だ。先程からこの男の雰囲気は人を従わす力を持っている。場をまとめる人材かもしれない。
「昨日見た者、その話を聞いた者が実は今集まっている君たちだ。スライムでの事業についての詳しい話は、この後に他の者から説明がある。よく聞いて、よく考えて答えを聞かせてくれ」
「では、セバス頼んだぞ!」
「承知しました、旦那様」
「まず、スライム事業は新しい産業になる。この仕事を引き受けるにあたり、引き受けた者は、この事業の先駆者となる。しばらく働いてもらい、いずれはこの事業の指導者になってもらいたい。指導者になれれば、臨時給金も弾むそうだ。そして給金もあげる予定だが、ただこれには査定があるから誰もが該当するとは限らない。」
「そして、ひとまずの月の給与だが金貨3枚とする。」
「「「「「おぉぉぉー」」」」」
「それと、契約魔法を結んでもらう。これはここにいる全員だ。もし、契約を破ったものは」
「破ったものは?」
「針千本飲ますからなっ」
「針千本?うあ、えげつねぇ」
「それだけ重要って事だろ?」
「千本も飲めねーぜ」
「契約破らなければいいってことじゃねーか。真面目に行こうぜ。なぁ」
「だな」
「おう」
「違いねぇ」
またしてもさっきの男だ。
後で個人的に話してみるか。
「では、皆さん、契約しますね」
セバスが順番よく契約魔法を交わしていく、最後にあの男だけ。
「領主様、聞いていいですか?」
なんだ?私はこの男に興味が湧いてきた。
「なんだ」
「これからこのマーシュ領はどうなっていくんですか?急に騎士団の訓練が強くなったと聞いた。隣国がきな臭いとかも商人が話していた。」
「そんな中、このマーシュ領は、祭りなんて始めて、祭りには見たこともない料理が出され、トイレもあれもスライムですよね?」
「俺は街が発展することはいいと思ってます。みんなが幸せになればいいと思ってます。だけど、隣国のヤツらが攻めてきたらせっかくここまで復興して、これからもっと生活が豊かになろうしている所なのに」
「お前は何がいいたい?」
「もしかしたらまた戦が始まるかもしれないのに、祭りだ、新事業だって呑気なこと」
ダン!少し脅すつもりで机に拳を落とす。
ピキッ!力みすぎたか?机にヒビが入ってしまった。私の脅しにもこの男は動じず私を見あげておる。




