19話 不思議な少年の偉業
「その頃の領主は少年の解く説明に一切の矛盾がないからと有用で判断し、少年の言う通りにしたんだ。領主には逆らえないからな、領民たちは仕方なく少年の言うことをきいたんだ。そしたらどうだ、雨が降って、どんなに土砂降りでも、遊水池に水が流れ、水が村を襲うことなく無事だったんだ」
「少年は称えられたさ。もう誰も少年のことをバカにしなかった。そんな少年を領主は娘婿に迎えたんだ。その領主が私の祖先なんだよ。その青年の血が私からカイトへ続いているんだ。カイトに不思議な力があってもなんか納得するのさ」
「だから思ったんだよ。私はカイトの話を聞いた時《《もしや!》》って思ったんだよ。もしかしたらカイトはその少年と同じように、今の私たちには無いものを持っているかもしれん。私たちは息子を信じて、そのために支援をしていこう。どうだ?君は私の考えに反対か?私は甘いだろうか」
「いいえ、あなたは正しいわ。私たちは息子を信じているもの。まだ3歳よ。親の助けも、周囲の助けもまだまだ必要だわ。様子を見ながら、ダメな時には叱って、うんと褒めて、カイトが正しく生きていくため、立派な大人になるように見守って、手助けしていきましょ、私たちも頑張らなくちゃ、ね、あなた、一緒に頑張りましょう」
「そうだな、まずは私たちがカイトを信じよう」
ボクはパパとママがボクの事を信じて、これからの事、ボクのために応援してくれるって事、そんな話がされていたなんて知らずに…今日も。
「マール、ごめんなちゃい、おもらししちゃったの、お着替えしてくれる?」
「はいはい、カイトお坊ちゃま、いいのですよ。なにか怖い夢でもみましたか?」
「あのね、ボクが作ったご飯、みんなが美味しいねって泣いてよろこんでいたの」
「あとね、お庭で遊んでいたら、おっきなハチさんに追っかけられて、こわかったの。ボク、転んで泣いちゃった」
「そちたらオシッコおもらししちゃったの、ごめんね」
「大丈夫ですよ、マールがキレイにして差し上げます。お着替え済んだらゆっくり休みましょ。まだ夜ですよ、お休みなさいませ、カイトお坊ちゃま」
濡れた服と布団を新しくして、素早くボクの着替えが終わると、ベッドはお日様の匂いがした。マールの優しい手がボクの背中をトントンしてくれる。寝返り打っても、マールの優しい手はボクのむねのあたりをトントンしてくれた。
ボクはいつの間にか深い眠りに落ちていった。




