164話 セルジュ、カイトの能力に驚く
「セルジュ団長、さっきから難しい顔してどうしたんです?」
「ああ、祭りの日付が決まって、あと1ヶ月だ。申し込みがかなり多くてな。これをどうしたものか?組み合わせとかどうすればいいのか分からなくてな。困ってんだ」
「あー、どうしたものですかね?ほら、カイト坊ちゃんに相談してはどうですか?俺達には思いつかない解決法を出してくれるかもしれませんよ。」
「ああ、そうだな。それがいい。ルーク団長からダウニー様に1度相談してみよう。いい考えがあるかもしれないからな」
カイト坊ちゃんが色々言われて騒がれてるけど、私は、みんなが担いでるとしかみていない。ダウニー様やルーク団長から色々な案をもらって子どもに色々言わせているか、そんなもんだろ?
まだ、たしか4歳だよな。子どもが大人の真似したがる年齢だ。さ、私が悩みに悩んでいるこの計画、どう言ってくるか。
ルーク団長にまずは相談だ。
たしか、カイト坊ちゃんの朝練見てるんだよな。最近はケンパーも頑張ってるみたいだからその様子も見てみるか。
私は騎士団から、領主の屋敷に向かい、重厚な門をくぐる。門番にはいつもの挨拶とばかり手を振るのだが、門番が少し恥ずかしそうにするのは、どうしたものか?
私にはそんな趣味は無いから、そのまま見なかった事にするんだが、この女性にも見えるこの顔がな、勘違いをさせていまうようだな。
さ、随分歩いたが、えっと、鳥小屋と畑の近くにある演習場にいるんだったな。
そこは初めて行くからな、迷わないとは思うが。
あ、あっちか?カイト坊ちゃんの声が聞こえるな。
私は声の聞こえる場所へ向かう。
あ、見えてきたぞ。カイト坊ちゃんがケンパーしてるな。なんだ、ものすごいスピードだぞ!あれが子どもか?
あれは、ルーク団長だな。ん?ルーク団長腕を振ってるけど、あれは、石を投げているのか?しかも、なかなか豪速球だぞ。
あの速さをケンパーをしながら、石を避けていんのか?まさか。
はっ、そのまさかだよ。一瞬、見えない時があるぞ。うわぁー、有り得るのか?
なんて身体能力なんだ。
さっきから聞こえるのは、なんだ?
あれは、歌いながら石を避けて、ケンパーだと?凄く楽しそうだな。めちゃくちゃ笑顔じゃんか?
あれ?私に気づいて手を振って来た。ひとまず終わったのかな?
「カイト坊ちゃん、訓練ですか?」
「ああ、久しぶりだね。セルジュ。今は休憩中で、ルーク団長に遊んでもらってたんだよ。普段はもっと厳しい訓練してるよ」
なんだと?さっきのが遊び…あれが遊びと言うのか?なんだ、俺達の訓練は坊ちゃんには遊びなのか?恐ろしい。
「お久しぶりです、カイト坊ちゃま。あの、実は祭りについてご相談がありまして突然お邪魔してすみません。何時でもよろしいので、お時間頂けませんか?」
「相談?いいけど。ボクだけ?」
いや、ここはやはり、ルーク団長、そしてダウニー様のご同席頂いた方がいいだろう。
「できましたら、ダウニー様と、ルーク様もご一緒にお願い出来ますか?」
「分かった、では、今日の午後に予定は空いてる?父上にもボクから話しておくよ」
「もし、父上の都合が悪いなら、騎士団に連絡するね。だから、待ってて。連絡ないならそうだな、午後2時くらいにボクの勉強部屋にきてよ、場所はセバスに聞いて」
「分かりました。では、後ほど伺います。」
「ああ、では後でまた」
私は一礼をし、一旦騎士団に戻る道を歩く。先程の訓練じゃなくて遊びだと言ったあのありえないケンパー。そして、あの口調。あれは、従える者に対する、君主の風格だった。私はもしかしたら坊ちゃんの認識を改めなければならないかもしれない。
なんか、午後がすごく楽しみになって来た。




