127話 カイト、魔力欠乏症で倒れる
セバスが血相を変えて「カイトお坊ちゃまが倒れました」と呼びに来たので、急いでカイトの部屋に来た。
ベッドに横たわるカイトは青白い顔でぐったりしている。どうした?何があった?
私と同じく急いで来たアマナは私のそばで泣きながらカイトを見つめている。
今、我が家の主治医のグローが診てくれている。
「グロー、カイトはどうしたんだ?大丈夫なのか?今どのような状態なんだ?」
「カイくんは?大丈夫なの?先生、カイくん顔色が悪いわ。本当に大丈夫なの?」
「心配いりませんよ。これは魔力の多い人が、急に魔力を多く使った時に起こる魔力欠乏症ですよ。明日にはケロッとして起きるはずです。」
魔力欠乏症だと?なぜだ?
「魔力欠乏症?この子、まだ4歳でイカルダの女神様から祝福は受けてませんのよ?」
「そうだ、まだこの子は魔法は使えないはずだが?」
どうなってるんだ?もう魔法が使えるのか?なぜだ?
「普通はそうですね、5歳にイカルダの女神様から祝福を受けた後に何らかの魔法が使えるようになります。しかし、坊ちゃんは何故かもう魔法が使えているんです。」
「なぜ魔法が使えるのかは、分かりません。あと坊ちゃんの指先を見てください。爪が紫色に変色してますでしょ。これこそ魔力欠乏症の証拠なんです。」
「魔力の少ない人は薄い色なんですが、坊ちゃんはかなり濃い紫色、どちらかというと紺色に近い。これは稀に見る位かなり魔力があるのでしょう。普段から魔力を使っていたはずです。しかし、今日はいつもと違う、とても大きな魔法を使ったことにより、魔力を使いすぎて倒れた、とそんなところです。魔力酔いみたいなものですね。」
「それで、体には影響はないのか?後遺症が残ったりしないのか?」
「えぇぇ、カイくんに、後遺症だなんて」
「大丈夫ですよ。今回は爪先が変色しているだけなので、問題ありません。明日元気に起きますよ。その時は指先も元通りの色に戻ります、安心下さい。」
「ただし、魔力欠乏症で怖いのが、本当に命を削るほどの魔力を使った場合、全身が真っ黒になり息が止まります。つまりその時は死んでしまいます。私が思うに坊ちゃんが命を削るほどの魔力を失うのは、きっと魔王と戦うとか、ドラゴン1000匹と死闘を繰り広げるとか、そんなことがない限り心配いりません。」
「魔王と、戦う?」
「ドラゴン1000匹と死闘を繰り広げる?」
「待ってくれ、カイトはそんなに魔力が多いのか?多すぎないか?」
「すみません、言い過ぎでした。流石にそんなことは無いでしょうが、多分《《鍛えれば》》、旦那様よりは間違いなく魔力は多くなるでしょう」
そんなにか?私の息子は魔力も優秀なのか。
「ところで、今日こうなるくらい大きく魔力を使うようなこと、なにか心当たりはありませんか?」
私は考えてみてるがさっぱり分からん。
親なのに子供のことが分からないなんて情けない。
「あの、旦那様」
「なんだ」
「わたくし、少し気になることがありまして、申し上げてもよろしいでしょうか?」
「マール、どうした?なんだ、言ってみなさい」
「はい、実は、鳥のことで」
「なんだ、鳥?今は鳥はどうでもいい話だぞ」
「いえ、多分関係あるかと思います。旦那様、わたくしのお話を聞いてください」
「関係あるとはなんだ?カイトの魔力欠乏症のことか?」
「多分、きっかけになったかもしれません。先程まで鳥たちの世話をしていました。その時、黒と茶色のメス鳥と、白と灰色のメス鳥を坊ちゃんが餌を与えながら2羽を撫でていました」
「その時に坊ちゃんが言ったんです」
「なんて言ったんだ?」




