11話 ママの治癒魔法
「びぇーーーーーーん」
なんだかちょっと罪悪感。
でも悪いのはアリだ。
後ろにひっくり返り、たんこぶ出来て泣いているアリ。
大丈夫かな?って心配だけど。
……でも。
ボクは悪くない。
たぶん。
「あらあら、痛かったわね、今のはアリちゃんが悪いわ」
「カイくん、気持ち悪かったね、キレイにして貰いましょ」
「カイくん、けどね、突き飛ばしちゃうのはダメよ、ほらアリちゃん、たんこぶ出来ちゃったでしょ。突き飛ばしたのは、悪いことなの、カイくん分かるかな?」
「あい、ごめんちゃい、アリュ、、ごめんちゃい、ぐずっ」
「カイくん、ちゃんと謝れたね、いい子よ、お兄ちゃんいい子ね」
ママはボクをなでてぎゅって抱きしめる。
ママにギュッてされるのは落ち着く。
ママにギュッてされるの大好き。
「さっキレイにしてきなさいね」
「マール、カイくんをお願い」
「はい、奥様」
「カイトお坊ちゃま、ちゃんと謝ることが出来て、偉いですね~、さ、お風呂でキレイになりましょうねー」
マールに抱っこされたボクはアリアーナをみる。ママがアリアーナを抱き上げてヨシヨシってアリアーナをなぐさめている。
「アリちゃん、ヨダレいっぱいの手だわ、拭きますよ。ね、アリちゃん、カイトお兄ちゃんを叩いたらダメでしょ?メッよ」
優しいママの声だ。
「ほら、泣き止んで。そー、痛かったの?」
今も大泣きしてるアリアーナの後頭部にママが手をかざす。
「痛いの、痛いの、なくなーれ♪」
え?
今――
ママの手、光った?
アリもキョトンとしてる。
「ほら、もう痛くないでしょ?」
え?もしかして、ママの魔法って治癒魔法?
「相変わらず奥様の魔法の力には驚かされます。ほんと、傷や痛みも一瞬で治してしまうんですからね」
「まほー?」
思わず食いつくボク。
「そうですよ、カイトお坊ちゃまのお母様は治癒魔法の使い手です。素晴らしいお母様ですよ」
凄いママ!パチパチパチ、思わず拍手だ。
ボクもいつか魔法が使えるって女神様が言っていたよな。
ボクはどんな魔法が使えるんだろ?
パパやアリアーナの魔法はなんだろ?
「そろそろカイトお坊ちゃまをお部屋にお連れしますね」
「マール、お願い」
「はい、奥様。ではお休みなさいませ」
「ママお休みなちゃい」「カイくん、お休み」
部屋に戻ったボクはなかなか寝付けなかった。
魔法だよ。
夢だよ。
ロマンだよ。
……魔法すごい。
はー、憧れるな、早く魔法が使えるようになりたい。
けど、どう使うんだ?
楽しみだな。
ボクの魔法はどうなってんだろ。
ママみたいに治癒魔法もいいな。




